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テオとイズの冒険日記  作者: モードー
日記帳一冊目【無理なお使い】
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39/60

038【夢の底の悪魔】

注意。

■■■■は、文字化けではありません。




〖神暦 3240年 4月9日〗

日記の筆者『アリス』

場所「マリリアの家」




悲鳴が、聞こえた。




一本の剣が、振り下ろされた。

ワタシに向かってではない。



…はっ!


ワタシは目を覚ます。


…夢か。


この頃似たような夢を何度も見る。

そして、忘れる。


「もう一度寝よう。」


ワタシは呟き、横にいるお兄ちゃんの腕を枕替わりにして、もう一度眠りについた。










…また?

あの夢だ。

いつも、ここで、この瞬間で、「アリス」としての記憶が途切れるんだよな…



ザザッザザザッ



「ここ…は?」


ワタシは屋外に立っていた。

外見は…アリスじゃない。

いや、アリスってだれだ?


「■■■■お姉ちゃん。」


子供の声がした。


「…なぁに?」


ワタシは振り返る。


「…あのね、あのね、お母さんが、魔法のことなら、■■■■お姉ちゃんに聞いてみてって言ってたの。」


その少女が嬉しそうに言う。

…あぁ、そうだった、ワタシは■■■■。

この村の一番の魔法使い兼魔法学者の15歳の女の子。


「で、なにが知りたいの?」


ワタシは彼女の頭を撫でる。


「…あのね、あのね、動物さんとお話ししたいの。」


動物との会話か。


「う~ん。 わかったわ。 けど、魔法じゃないわよ?」

「…魔法じゃなくてもいいよ!」

「よし、なら、まずネコさんからの始める?」

「うん!」


彼女は嬉しそうに、はしゃいだ声を出した。



数日後。



「ミャーミャー」


ネコが鳴いている。


「…お腹が空いた。 って言ってる。」


少女…エマが言う。


「お~すごい。」


ワタシは手を叩いた。


これは、魔法ではなく動物が喋る時に発生る微量の魔力を解析する技術だ。


「ミャミャーミャー」


ネコがもう一度鳴いた。


「…わかんない ネコさんなんて言ってるの?」


エマが問う。


「えっとね…」


威嚇?

じゃなくて、「危険」っていってるのか?


「…ちょっと待ってて、[魔力探知レーダー]。」


…あ、爆発?


「…行かなきゃ!」


ワタシは咄嗟に爆発した方へ飛ぼうとした。


「…■■■■お姉ちゃん、どうしたの?」


「…エマ、ここで待ってて、すぐ帰るから。」


ワタシはそう言い残して飛んで行く。








ドカン!


また、爆発音がした。

誰かが魔法で戦っている。


…あ、


森の中だ。


「見つけたわ。 [光の束縛]!!」


ワタシは上空から魔法を放った。


…砂埃が徐々に沈んでいく。


そこにいたのは、一匹の魔獣と、一人の少女だった。


彼女は、夜空のような服を身に纏い、白に近い瓶覗色の瞳と、白皙の肌を持ち、ひ弱で、風が吹けば倒れてしまいそうだった。

身長からして、まだ幼いように見えるが、彼女の表情…瞳は、決して幼いものではない。


全てを見透かしているような、

全てを理解しているような、

全てを悟っているような、

そんな瞳だった。


「[解除。]」


ワタシは呟き、彼女の束縛を解いた。


「…貴女は?」


ワタシは尋ねる。


「え、僕?」


彼女が、自分を指さした。

美しい声だった。


「[光の槍]」


ワタシは魔獣を葬った。


「改めて、貴女はここで何してるの? 女の子が一人で森にいるのは危ないよ?」

「…女の子? …あ、そっか、僕、いま女性の体だったんだ。」


彼女がそうつぶやくと、彼女はみるみるうちに、背の高い青年へ変身していた。


「…どういう事?」


ワタシは少し混乱する。


「まぁ、簡単に言うと、この世界では、何故か僕の魂は女性の体を望むんだよね。 僕男性なのに…」


「なるほど…」


ワタシは何故か、妙に納得した。


「そんで? ワタシは■■■■。 魔法使いよ。 貴方は?」


「僕は、魔法使い……かなぁ、ま、名前はルティマだ。」




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