037【マリリアの考え】
〖神暦 3240年 4月8日〗
日記の筆者『イズ』
場所「マリリアの家」
「…なるほど」
私は呟いた。
「あのさ、リリー、いくつか聞きたいことがあるんだけど…」
テオが手を挙げる。
「なによ。」
「まぁ、話の流れは解ったけど、まず、一番最初、なんで誰とも契約していないのに現世にいたの? で、なんでその魔力の圧迫?のなんやらかんやらを教えてくれなかったの?」
テオが尋ねると、リリーは面倒くさそうに、話し始めた。
「[風に関する魔術の書]を依り代にしてたからよ。 けど、マスターと契約したら、その必要がなくなったというわけよ。 で、マスターとアリスに伝えなかったのは、…まぁ、貴方達に伝えたら、アリスはどうにかしようと、己の魔力を削ったりするでしょう? アリスは優しいから、 で、マスターは、賢いから、『妾と契約を破棄する』とか、『アリスとの魂の導線を切る』とか考え出すでしょ?」
リリーが言うと、二人は「たしかに」と同時に言った。
すると、テオとアリスは顔を見合わせて、笑い出した。
…そんなに面白かったか?
「ま、そういうことよ。」
リリーが言って、話を終わらせるように促した。
「…あ、そうそうリリー、『風に関する魔術の書』って、いま持ってる?」
「マスターと契約したときに、友人にあげわ。」
「マジか…」
「その友人が、この村の村長に預けてるとか言ってたわ。」
おお!
私は心の中で歓声を上げた。
「よっし!」
テオがガッツポーズをした。
「ちなみに、その友人ってのは?」
私はリリーに訊いた。
「クロキ ユウダイ よ。」
…ギルマスじゃん。
たぶん、99%ギルマスやん。
「…その、ギル…クロキさんとはどこで出会ったの?」
「クロキとは、5~6年まえに、森で出会ったのよ。 まぁ助けてくれたって感じ。」
「ふ~ん。 でさ、その人、どんな魔法使う?」
「…なんか瞬時に創り出すことができるわ。 木々を矛に、地を盾に変えてたりしてたわね。」
あーもう。
ギルマスだ。
これはもう、ギルマスだ。
10000%ギルマスだ。
「…私もその人知ってるかも。」
私は、言う。
すると、リリーが「えっ」と呟いた。
「もしかして、クロキの居場所をしってたりする? イズ…ちゃん。」
リリーいう。
「ええ、まぁ知ってるけど」
私は答える。
「じゃぁ、連れてって。」
連れてく?
「…なんで?」
「まぁいいから、お願いよ。」
「…わかった。いいわよ。」
私は返事をした。
「その代わり。」
私は言う。
すると、リリーは、「な、なに?」と言った。
「寝かせて下さい。」
これが私の願いだ。
寝たい。
朝から乗ってる飛空艇がハイジャックされ、エリザベスにあい、アリスにあい、支配されそうになり、リリーにあい、もう疲れた。
「いいわよ。 けど、 ベットが二つしか…」
「じゃぁ、リリーとイズちゃんが一緒に寝ればいいじゃない。」
アリスが会話に突っ込んできた。
「…じゃぁ、必然的に僕は、アリスと一緒に寝ることになるのだが…」
テオが呟く。
「いいじゃない。 こんなに可愛い妹と一緒に寝れるのだから。」
アリスが少しほっぺを膨らませ、言う。
「べつに、嫌とは言ってないよ。」
テオが言った




