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テオとイズの冒険日記  作者: モードー
日記帳一冊目【無理なお使い】
17/20

016【赤き星達の追憶記(下)】

〖神暦・2803年 7月24日〗

日記の筆者『イズ』

場所「妖精の村」




「はい…じゃーね、あのーね、占星学をーね、はじめてーね、行きたいとーね、おもうね。」


教室に占星学の先生、バーバラ先生が入ってきた。

バーバラ先生は、人間の先生で、80歳のおばあちゃん先生だ。

通称 ばばぁ

ひどい…いや、ひどくない。

占星学とか意味わからん教科教えているし、服のセンスもズタボロだし、もうばばぁでいいやろ。

と思う。


「はい。じゃーね、二限目のね、じゅぎょーをね、初めてーね、いこーうとね、おもうね。」


「「はぁい…」」


皆の声に気力が無い。

キャサリン先生の時と違ってなんかこう、下に下がっている。


「はい、じゃーね、占星にーね、よく使われるーね、星はーね、何かーね、覚えてるーね?」


バーバラ先生は「ね」をいつも、少し大きめに言う。

ストレスだ。

イライラする。


「じゃーね、そこのーね、…る…い…?ルイくんーね。」


私のひとつ前の席の、男子が当てられた。

なんか先生に名前を忘れられていたような…


「え、っと、朱星…ヴァーミリオンと、…赤星…クリムゾンです。」


ルイが答えた。


「はい…せいかいーね、じゃーね、どうしてーね、えとーね、ルベルとかーがね、占星にーね、使われるかーね、知ってるーね?」


あーイライラする。


「えっと、ヴァーミリオンとクリムゾンは動きに規則性がなく、動きによって占いが出来るから…?」

ルイが続ける。


「はい。せいかいーね。」


しかし、どうして規則性がないのだろう…

普通の星は北極星を中心に反時計回りに回っているが、ルベルとクリムゾンだけ、違う。

なぜか東から西へと動きに、たまに西から東に動く。

これはおかしい。


「えっとーね、これはーね、神の奇跡とーね、いわれてーね、いますーね。」


神の奇跡?

そんな物は存在しない。

絶対に何かしらの物理法則にのっとっているはずだ。

幻覚でない限り…


その日を境に、私は毎日夜空を見た。

ヴァーミリオンとクリムゾンの動きを毎日毎日記録した。






そして、いくつかのことが解った。

ヴァーミリオンやクリムゾン…どちらも赤いので、赤き星と呼ぼう。

赤き星達は、約半年間東から西に動き、約半年間西から東に動く。

ただし、毎年ずれていく。

何故だ?

そもそも何故、赤き星達は東と西のルートを通る?


…太陽と同じ…


あ、地球は回っている。

太陽は動いていない。

じゃあ赤き星達は止まっていて、動いていない?

けれど、それは全ての星と同じだ。



こ私は星を三次元で考えた。

星空とは、平面ではなく、空間なのだ。

しかし、何も思いつかない。


…神の奇跡なんて有り得ない。



気が付いたら私は魔法の研究と同じくらい、星空に没頭していた。






百年後






はぁ、解らない。

あれから、赤き星達の軌道を計算し続けたが、どれも上手く嚙み合わない。


「はぁ…」


私は、引きこもって魔法と星の研究をする妖精(ひと)になってしまった。

しかも、何故か身長が20cmにまで落ちてしまった。

しかも! 何故か翼が皆みたいな、一対、二枚の蝶の羽ではなく、二対、四枚の虫の羽みたいになっている。

まぁ別に、羽は透き通っていて、綺麗なので許すが、なぜ身長20cmなのだ!


「んん…」


私は背伸びをして、後ろを向いた。


二ヶ月(ひさし)ぶりに、外出るか…」


私は、自分の何十倍をもある、扉を魔法で開き、外へと出た。


「あ~イズ!」


ルイが走ってきた。


「久しぶり~」

「相変わらず、小さいなぁ…」

「べ、別にいいでしょ!」

「まぁ…というか、広場に旅のサーカス団が来てるよ。見に行く?」


ルイが坂の上を指さした。


「行く!」


私は、返事をする。


「よし。じゃあ行こう。」

「…頭の上に乗るから、連れてって~」


私は、そう言ってルイの頭の上に座った。

もちろん、魔法で落ちないようにしている。




数分後




「着いた。」

ルイが言った。


見ると、ボールに乗ったピエロを中心に、ジャグリングをしているピエロが乗っている自転車が、反時計回りに回り、その奥、ジャグリングの自転車よりも二回り大きい円を、逆立ちの自転車が走っている。


私は、それをルイと一緒に眺める。


………


急に、私は、頭の中に電撃が走ったような気がした。



そう言う事か。



私は、ルイに「先帰る!」と言い、全速力で羽をばたつかせ、自宅に帰った。


「わかったぞ。」


赤き星達は神の奇跡でも、幻覚でもない。

れっきとした『星』だ。

ただし、もう一言付け足す必要がある。

惑星だ。

地球以外にも、太陽の周りをまわる星があった。

ヴァーミリオンとクリムゾンだ。

これなら、全てに説明がつく。


一、地球は自分の軌道(せんろ)を一定の速さで進む。

二、赤き星達も同じく自分の軌道(せんろ)を一定の速さで進む。

三、赤き星達の方が外側に有り、動きがゆっくり。


これをすべて取り込んで計算すると、こうなった。


逆に動く理由は、例で例えると、

『Aの汽車は、円の内周を走っている。Bの汽車は、外周を走っている。 AはBより早く走っている時、BがAよりも前に有ると、いつも道理前に進む。 しかし、AがBを追い抜いてしまうと、立場が逆転。Aから見るとBが、後ろ向きに走っているようにみえる。』


この原理だ。

やっと解った。

何故今まで解ら無かったのだろう。


急に明るくなる原理は簡単だ。

地球と赤き星達が一直線に並ぶと、距離が縮まる、すると、赤き星達は地球から見ると大きくなったよう(・・)に見え、光が強くなったよう(・・)に見えるのだ。


何故、皆解明しなかったのだろう。

ああ、凄い。

なんだこの感情は。


そうだ…帝国の学会かなんかで発表しよう。


…天文学に革命がおこるぞ。


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