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テオとイズの冒険日記  作者: モードー
日記帳一冊目【無理なお使い】
15/18

014【日常生活に支障が出るんだよ!!!!!!】

〖神暦・3240年 4月7日〗

日記の筆者『イズ』

場所「遺跡」



白龍が無理を言っている。

そもそも、生物を魔法空間に転送するのは、常人には無理なのだ。


()()には。


私は違う。

私は魔法の天才なのだよ。

魔法で出来ない事は無い。


…とかイキッているが、無理な物は無理だ。


「無理ね。」

『そこをなんとか…』

「無理。」

『そこをなんとか。』

「無理。」


(中略)


「無理。」

『なぜ無理なのだ?』


はぁはぁ、あのやり取りを、50回はした。

まぁいい。

なぜ無理なのか。

それはだな、魂を持っている物体…生命を魔法空間に送り込むと、魔法空間にある膨大な魔力が魂を圧迫して、魂が固まる。

つまり魔力酔いを起こすのだ。

魂が耐えられる魔力は、約100wI…龍なので、ある程度は抵抗できそうだが、流石にこの遺跡を抜けるまでの1、2日間も魔力に漬けられていると、さすがに死ぬ。

しかし、一度身体をバラバラにして、魂を魂のみの状態にすれば簡単に保護できるというわけだ。


「絶対に出来ないという事では無いんだけど…」


私が漏らした言葉に、白龍がすかさずに反応した。


『な、なんだ? 出来るのか?』

「うん…まぁね。」

『どうやって?』

「魔法空間を二つに分裂させて、魔力を片方にすべて流し込めば…」

『おお、出来るのか!!』

「けどね、片方の魔法空間の魔力が暴走しないように、ずっと細心の注意を払っておかなければいけないの。つまり、そこに魔力と精神を使わなければいけない。」

『おお、それぐらいいいじゃないか!やれやれ!』


…私はこの言葉にカチンときた。


私はスゥっと息を吸い、こう叫んだ。


「そうなると、私はずっと寝てるような状態になるんだよ!!! 日常生活に支障が出るんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!」


『…だから何だ?』



「ふざけんな!!!!」



もういい、面倒くさい。

置いていくとか言ったらテオに怒られそうなので、強制的に白龍を魔法空間に転送する。


「よいしょっと。」

『え、何が起こっ…うわー』


白龍は抵抗する暇もなく、私が開いた時空の渦の中へと吸い込まれていった。


「よし終わった。テオ、行こう!」


…テオ?


私は辺りを見回す。

テオの姿がどこにも見えない。


「えぇ、もしかして、テオも一緒に魔法空間に入っちゃった…?」


たぶんそうだ。


しかし!

ポータルを開くのには、魔力を使う。

それも結構な量だ。

今日は魔力が残り少ないので、テオを救出するのは明日になる。


「えぇ、じゃ、もしかして、明日まで、私一人?」


はぁ、引きこもって魔法の研究をしていたころは孤独(ひとり)でいても、どうとも思わなかったが、こうなると悲しいな。


「じゃあここで明日まで待つか。」


そう言った瞬間、辺りが急に暗くなった。


「な? …ああ夜になったのか。」


この遺跡は天井が魔法で空になっている。

夜になるときに、急に暗くなるのはやめて欲しい。

心臓にわるい。


「…ねる場所がない。」


いつもは、テオのリュックの中で寝ていたから、こうなってしまった以上、安全に寝る場所がない。


「結界でも張るか。」


そこまで魔力を使わない簡易結界を展開し、[自動お着換え]で寝巻に着替えた。


「よいしょっと。」


小さな風呂敷を引き、その上に寝っ転がった。


「わぁ…星が綺麗。」


私はその星々を眺める。

本当に冒険に出て良かった。

つくづくそう思う。


「…ホントの星空と配置が同じだ…」


星の並びは、昔通っていた魔法学校で覚えた。

占星学とかいう、意味わからん教科で。


占星とは、星の動きで未来を予測する方法だ。

しかし、私は一つ、気が付いたことがある。

魔法の研究に没頭していたころ、毎日夜に星空を眺めていたのだ。


星の動きには、規則性が有る。

北極星を中心に反時計回りに回っている。

それは、周知の事実である。

しかし、占星によく使われる星、『朱星(ヴァーミリオン)』や『赤星(クリムゾン)』などは、急に逆回りを始めたり、急に明るくなったりするのだ。


星が逆回りをする。

これは有り得ない話なのだ。

皆は神の奇跡だのなんだので、終わらせてしまったが、私は違う。

私は毎日夜に星を眺めたのだ。

そして、突き止めた。

ヴァーミリオンにも、クリムゾン、にも動きに規則性が有る。


一定間隔で、逆回りをし、一定間隔で明るくなる。


そして、私は軌道を計算した。

計算は得意だ。

魔法の計算などで鍛えたから。

…そして、この答えへと辿り着いた。



太陽の周りを公転する星は、地球だけではなかったのだ。



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