第59話:帝国軍侵攻4
本陣にフェリシアーノ共和国軍の幕僚が到着した。
マルチェロ統領を先頭として入室してきた。
「参陣誠にありがたし」
アルベルト王がマルチェロを出迎えた。
「ここで防がないと、次は我が国が危なくなりますからな。これは防衛戦争と思っておる」
マルチェロは太った好々爺然とした老人だが、その目は鷹のように光っていた。
「わしはもう老人なので、戦いの総指揮はこのものに任せようと思っておる」
「ゴルザ鉱山奪回作戦に大活躍し、その後も盗賊団相手に非凡の才能を見せての、新進気鋭の司令官じゃ」
「その名をアジェンダという」
マルチェロが、アジェンダを紹介した。
「アジェンダです、今回フェルシアーノ共和国軍の指揮官となります。全身全霊をもって戦い抜く覚悟です」
アジェンダが少し緊張して話した。
「それは頼もしいな。まかせたぞ」
「御意のままに」
その後、ランド王国軍の幕僚が入ってきた。
ビクトリア女王と、総指揮官はエーデル卿だった。
「久しいな、ビクトリア女王」
「は、あの時は大変お世話になりました。今回は自国の危機と思い参陣しました」
ビクトリアはアルベルトと握手した。
「あんなクズどもは叩きのめしてやるよ。腕がなるぜ」
エーデルが右腕を回しながらいった。
「卿は相変わらずだな」
皆が笑みを浮かべていた。
その後、シェンロンとハンとキタイの首脳部が入ってきた。
「久しいなアルベルト」
「参陣有難し」
「あのクズどもは、俺たちが叩き潰す。先鋒は俺たちにまかせろ」
「先の戦の戦利品や、ハンからのイモと小麦のおかげで、今回俺は先のクリルタイで、キタイの大ハーンとなったんだ。今回はキタイの若者で生きのいい奴は全員連れてきたぜ。今いる奴らはキタイ歴代最強の騎馬隊だぜ。帝国の連中がひどいことをしているのは、皆知っている。士気は最高だ、腕が鳴るぜ」
「それは有難い、先鋒はお願いする」
「今回はお前らの流儀に従ってやる。黒は残っていたよな。ハン、あれを出せ」
「はい」俺は、それを出した。
それはキタイ伝統の三角旗だった。その旗は全体が漆黒に染め上げられていた。そして、その中央では真っ赤な悪魔が不気味に笑っていた。
それを見た全員が戦慄した。
シェンロンが自慢げに皆に示した。
「サタン旗だ」
「これをもって、アレキサンドロス伝統のダイヤモンド隊形で敵陣に突入する」
シェンロンが笑ってそう宣言した。そして、その笑顔はサタン旗の悪魔にそっくりだった。




