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第53話:荒野の戦い5

「それじゃー、左翼の方の様子を見に行かないとな」

俺達が、敵後方を左翼に向かって進むと、向こうからやってくる騎馬隊が見えた。

それは味方だった。

「リュウ、ご苦労だった」

「何とか敵騎馬隊をやっつけましたよ」

「敵の二倍なんだから、楽勝じゃないのか」

「ま、それなりに苦労しましたが、損害は百騎程度です」

「よくやったぞ」


「よし、シュバルツ様に伝令をだせ、敵騎馬隊は右翼左翼とも撃滅せりと」

騎馬の伝令が複数出発した。


本陣に伝令が届いた時、すかさず青のフェニックス旗があがった。フェニックス旗は鶴翼を表す旗である。敵包囲が命ぜられた。


すると後方に置かれていたイタリカ王国軍が、するすると敵左翼の横にひろがった。

右翼の槍部隊も槍衾をとき敵右翼の横に広がった。後方は騎馬隊四千が展開していた。前方の中央部隊は今だ健在であった。

敵は前、後ろ、左、右を囲まれることになった。

ここで、戦術家の夢と言われる完璧な両翼包囲(二重包囲)が完成した。


前後左右から圧迫され、敵は逃げ場がなくなり中央に密集した。ほぼ身動きもできない状態にされ、戦いどころでは無くなっていた。

敵は密集状態から、徐々に端から削られ消耗していった。


その時敵右翼と左翼に白旗があがった。敵の両翼は征服された国から嫌々連れられてきたもののようで、死んでまで付き合う気はないようだった。

敵中央の帝国本軍がそれを見て怒り、同士討ちが始まっていた。


俺は後方の包囲を一部解き、降参した兵を後方に移動させた。敵は戦死、降伏を含め2万人以上を失っていた。中央の7-8千人のみが頑強にたたかっていた。

そこを約4万人の味方が包囲していた。戦況は決した。

敵は数度の降伏勧告にも応じず、頑強に抵抗していた。

シュバルツ様は味方のこれ以上の損害は無意味と考えたようで、遠巻きに包囲し、主に矢で敵を攻撃していた。

敵も一点集中し攻撃し包囲を破ろうと何度も突撃してきたが、その都度味方騎兵の突撃をうけ、壊乱し後退していった。

そうこうしているうちに敵に動きがなくなった。

騎兵斥候を向かわせると、全員が自決していた。


「負けると死なないといけないのかよー。ほんとヤな国だな」

「おれもそう思うよ。捕虜になったっていいじゃないか」

「ほんとだよな」


ふと横を見るとシェンロンが敵の身ぐるみをはいでいた。

「ちぇ、荷車がこれしかない。これで勘弁してやるか」

約20台の荷車には帝国の武器や鎧兜が満載していた。あいかわらずがめついよな。

「シュバルツから金も貰ったし、そろそろ帰るかな」

「もう帰るんですか」

「ああ、これからは城攻めだろう。俺達には出番がないからな」

「お金の分の働きはしたろう」

「んじゃな。お前もたまには遊びにこいよ」

「こんどおじゃましますよ」

キタイの騎兵は荷車を引っ張って帰っていった。相変わらずなんだから。


とにかくバズス高原での戦いは王国の圧勝となった。

次はロムルス攻城戦である。





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