第51話:荒野の戦い3
偵察の結果、敵が撤退していったのが確認された。
まあ、あの水は飲みたくないよね。
これからロムルスに帰還し、再度水を含む補給物質をウソウに蓄積するには、最低でも2週間は必要だろう。
北部軍をよびよせる猶予は与えられたと思う。
とりあえず当面の作戦目的は達成されたと思う。
2週間後、北部軍2万5千、騎馬隊2千が王都に到着した。
俺の騎馬隊1000も到着した。
他に南部軍の生き残り1万と、イタリカ軍の1万が集結していた。
敵はバスス荒原中央の補給地点を大幅に強化し、周辺に騎馬斥候を大量に送り込んでいた。前回攻撃を行った丘では、投石器はもちろん燃やされていた。さらに簡単な見張り所が作られていて、見張りの兵が配置されていた。再度の補給基地攻撃は不可能だった。
しかし、時間を稼げたため、こちらの準備も万端だった。
「シュバルツ、今回も頼むぞ」
「お任せを、策は万全で、全ての準備は整っております。どうかご安心を」
「任せたぞ、王国の興廃は卿に託された。頼む、国を救ってくれ」
「全力を尽くします」
「全軍出撃する。非道な侵略者を叩きのめす」シュバルツが檄を飛ばした。
それを聞いた全軍が右腕をあげ、歓声を挙げた。
俺たちは最強だ、率いるは稀代の名将のシュバルツ様だ。負けるわけなんかありえない。それに敵は理由もなく侵略してきた無法者だ。大義は我にあり、負けるわけないじゃないか。士気は天を衝いていた。
決戦場所はバスス荒原の中央より少し西の平原となった。
敵は主力の3万の重装騎兵を一万ずつ、中央、左翼、右翼に配置し、右翼の右に騎兵1000、左翼の左に騎兵1000を配置するという基本的で手堅い配置をとっていた。
わが軍は、やはり主力の重装歩兵を一万ずつ、中央、左翼、右翼に配置した。違ったのは、右翼の右に残りの5000の槍兵を配置したことだ。槍兵は強固な三段の槍衾をつくり、平原の右端にある森まで長大な戦線を形成していた。
一番大事と思われる中央、右翼には北部軍の重装歩兵が配置されていた、左翼には南部軍一万が配置された。その後方にイタリカ軍一万が予備として配置された。
まあ、流石にあいつらに主力は任せられないからなあ。予備軍として頑張ってくれたまえ。
そして、俺達の騎馬軍2千も、どこにいるか分からないように、主力の後方に隠されていた。
作戦は単純だった。敵の騎馬隊が後方に回られるのを右翼右の槍隊により防ぎ、2000の全騎馬隊を集中して使い、敵左翼の1000の騎馬隊を撃滅したのち、敵後方を包囲する作戦だった。
そして、さらにこちらには隠し玉が一つあった。
この隠し玉はきついぞ。




