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第48話:救援要請2

俺が、なんで急に王都に呼ばれるんだ」

そんなわけでハンスとリュウと王都に向かった。

「知りませんよ、なんかしたんですか」

「何もしてねーよ。だから気になるんだよね」

「馬に乗ってるときに話すと、下を噛みますよ」

「違いない」

何か前におんなじ話をしたような気がするが、気のせいかな。


数日前

「あなた、王都からまた手紙が届いてるわよ」

「えっ、俺なんかわるいことしたかなあ」

ユングが俺に、宰相の印がある手紙が渡した。

「手紙が来ると、なんか悪い事したかもと思う癖はおやめなさい。実際してないんでしょう」


「絶対にしてない」

俺は、封筒を開けて手紙を見た。

”即刻王都に来るように  グロッサー”

それしか書いていなかった。前回より文章が簡潔だった。


王宮に着くと、いきなり王の間に通された。驚いたことにシュバルツ様、オットー卿も呼ばれていた、他にも見慣れない将が何人かいた。誰だっけ。

なんかものものしい雰囲気だった。

「全員そろったな、グロッサー、説明せよ」

「は、実は一か月前、イタリカ王国に帝国と名乗る軍勢が侵攻しました」

全員が息を飲んだ、そんなことは知らなかったぞ。

イタリカ王国は、ブルグ王国の中央部の西側に存在する王国である。フェルシアーノ共和国の北にある国で、王国とも共和国とも良好な関係と築いてきていた。芸術が発達した国で、武力は余り高い国ではなかったが、東の王国、南の共和国、北のキタイとも仲が悪くなく、それなりにやっていた。

西は荒野が広がっていたため、ほとんど戦争とは縁がない国だったのだが。


「一か月前、突如帝国となのる3万の軍隊が、イタリカ王国に侵攻。ガルム荒野で、イタリカ王国軍との決戦が行われたが、イタリカ王国軍はもろくも敗北し、王都レムルスも陥落、王家や主要な官僚貴族はブルグ王国国境に近いバリス砦に避難している」

「イタリカ王国より、救援要請があり、現在ブラガディン将軍率いる王国南部軍2万が出動している」

「しかし、今後の動向ではこの王都も危険になるかもしれない、それで北部軍王都軍の将を集め後詰としたいと思い、招集した次第である」

皆がざわついた。帝国って例の帝国か。


「皆を紹介しよう。まず北部軍の総大将のシュバルツ卿である」

シュバルツが目礼した。

「先のランド王国との戦では大効を立てたのは皆知っていよう。今後は卿に戦を任せることになる。みなそう心得よ」

皆が一礼した。

「次に、オットー卿だ、彼も先の戦で功績を残した。期待しているぞ」

オットーが物凄く嬉しそうに一礼した。

「期待に応えるように頑張ります」

「次はハン卿である。このものは兵站に優れ、先の戦を支えた。今回も期待しているぞ」

俺も褒められた。

「期待に添うように頑張ります」

「それから、クロイツ卿の代理で軍を率いるクライン殿である」

あれ、今回はクロイツの野郎は出てこないのか、自分の軍才がないのをやっとわかって、傭兵隊長でも雇ったか。まあその方が良いな、あいつの面倒まではみきれないからな。クラインとやらが、まとものことを祈ろう。

「それから王都軍の司令官オイゲン卿である」

いたなそんな奴。王都軍なんて戦をしたことがないだろうから弱いに決まっている。ここは俺達北部軍の出番だな。


そこに伝令が駆け込んできた。

イタリカ救援軍からの伝令です。

「ブラガディン将軍とイタリカ軍は、バスス荒原で激突、激戦の後、わが軍は敗北しブラガディン将軍も行方不明です」

全員が息を飲んだ。

「詳細を述べよ」

「恐るべきは敵の重装歩兵です。しかしそれでもわが軍の歩兵は耐えていましたが、イタリカ王国軍が崩れました」

全員が天を仰いだ。あいつらを信用したんか。

「騎兵はむしろ押していましたが、イタリカ軍が崩れたところより敵が殺到し、背後に回られ、わが軍も崩壊しました。ブラガディン将軍は乱戦の中、見失ったとのことです」

「なんということだ」

「生き残った者を助けよ」



硬い顔でシュバルツが命じた。

「北部軍全軍に出動を命じました。しかし王都に集結するにはしばし時間がかかります」

「そこで敵を足止めしたいと思います」

さすがシュバルツ様、もう策が有るんだな」俺は感心した。

「そして、そういうことに非常に長けた人物がおります。その者に任せたいと思いますが如何でしょうか」

「勿論だとも。改めて聞くが、それはどなたかな」グロッサーが芝居ががって尋ねた。

「もちろんハン卿です」

俺かよ。全員の視線が俺にむかっていた。

ハンスが俺の袖を引いた。俺に向かった頷いている。という事はなにかいい考えがあるんだな。ええい、もうどうとでもなれ。

「もちろんです。私が足止めして見せましょう」

全員がどよめいた。


「実は慌てなくともいいと思います」俺は落ち着いて言った。

イタリカ王国と、ブルク王国との間には不毛のバスス高原がある。ここを通過するのはかなりの難治だ。それも3万人とあってはそれなりの準備がいるはずだ。

「バスス荒原には水が出る場所はありません。そしてここを通過するにはほぼ6日かかります」

人間は通常一日で2000カロリーは必要だ、2000カロリー摂取すると水は2リットル必要となる。1カロリー当たり1mlの水が必要になる。兵士は一日で3000カロリーは消費する。

「兵士一人当たり最低3リットルの水が必要です。3万人となれば一日10万リットルは必要になります。これは200リットル入りの大樽500個にあたります。こんな量を一度に運ぶことは不可能です。必ずどこかに補給基地を設け、そこに水や物資を備蓄しないと3万人がこの荒野を通過させるのは不可能です」

「ですから、現在はどこかに補給基地を築き、物資を集積しているはずです。まだすこし時間はあると思います。この補給基地をを叩けばかなり時間を稼げると思います」












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