37話:救援要請
姑息と言われようが、終結した作品を連載に戻します。
37話から再開です。65話で終了します。
俺とハンスは馬に乗って王都に向かっていた。
「なんで俺とハンスだけが、急に王都に呼ばれるんだ」
「知りませんよ、なんかしたんですか」
「何もしてねーよ。だから気になるんだよね」
「馬に乗ってるときに話すと、下を噛みますよ」
「違いない」
数日前
「あなた、王都から手紙が届いてるわよ」
「えっ、俺なんかわるいことしたかなあ」
ユングが俺に、宰相の印がある手紙が渡した。
「私が知る限りないけど、陰で悪さしてないでしょうね」
「してない」
俺は、封筒を開けて手紙を見た。
”即刻ハンスと共に王都に来るように グロッサー”それしか書いていなかった。なんか手紙の内容がだんだんと簡単になっているように感じるのは俺だけだろうか。
ハンスがらみだと、なんか技術的に困ったことがあったのかな。とりあえず行かなくちゃ。
「ハンスに連絡とってくれ、それから明日には王都に向かうから、旅支度をお願いする」
「分かりました。フィヨルドお願いできる」
「奥様の仰せのままに」フィヨルドが丁寧にお辞儀をした。
そんなわけでハンスと二人、馬で王都に向かっている。ハンスに乗馬を訓練させていて良かったよ。今では普通に乗れるようになったからな。
そのまま王宮に駆け込んだ。
城では、即刻宰相の執務室に案内された。
実に趣味の良い丁度がそろっったそこには、グロッサー男爵のみが待っていた。
「いったい何があったんです。ハンスも一緒にとはどういう事なんですか。急ぎの用事なんですか」
「まあ待て、一つ一つ返事をしよう」
グロッサーはそういうと、ゆっくりとお茶を飲んだ。
俺たちを落ちつけようと、わざとゆっくりお茶を飲んだのは分かったので、俺もお茶を飲んだ。
「実はフェリシアーノ共和国より、救援要請があってな」
「フェリシアーノ共和国」
「そうだ」
「どこだ、それ」
グロッサーとハンスが二人ともずっこけた。
「フェリシアーノ共和国は、王国南部西方に接する国です。間にピプリナ大湿地帯があるため、王国との行き来は余りないですが、友好国の一つです。実家が南部なので、よく知っています」
「南部なんだ。それじゃあ、なんで北部の俺たちが呼ばれるんだ」
「おほん」グロッサーが注目を集めるため咳をした。
「そのピプリナ大湿地帯が問題でね。全体が膝までつかる泥まみれの湿地帯なんだが、その中央に岩盤でできた島があり、そこに金鉱山があるんだ」
「最近、その鉱山が、賊に奪われたそうだ」
「賊くらいなら、正規兵の敵じゃないでしょう。取り返せばいいのでは」
「それがうまくいかないから君らを呼んだんだよ」
「フェリシアーノ共和国では木の桟道を作って補給していたようだが、それを全て壊されてしまい。補給ができなくなっているのだ。湿地帯では馬はもちろん牛も使えない。人間の移動も困難だ。補給がなければ大軍を送れない、送っても長期間滞在できない。それが問題なんだ」
「そして、どうもこの間の戦争で、補給に辣腕を振るったハン卿と、奇抜な機械を作ったハンス殿のうわさがかの共和国にも達したみたいなんだな」
「ピプリナ大湿地帯での物資の移動について、知恵を貸してほしいとのことなんだな」
「その賊は、補給はどうやっているんですか」
「それは分かっていない」
「分かりました。とに角何か考えてみます。ハンスお前もそれでいいか」
「もちろんです。面白そうですねえ」
ハンスがニコニコしている。若干不安だがまあいいか。
「フェリシアーノ共和国に恩を売って悪いことはないんだ、よろしく頼むよ.
これがピプリナ大湿地帯とゴルザ鉱山の今わかっているだけの資料だ」
グロッサー男爵から紙の束を渡された。俺はそれをすぐハンスに渡した、俺が見ても分からんもんね。
「分かりました、いったん領国に帰り、検討したいと思います」
俺たちは堰をたち、急いで領国に向かった。
今度は泥との戦いか。どうなることやら。




