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悠久なる魔法ノ旋律  作者: 瑛樹
2章
8/25

生命

紅の液体が地へと流れ、白銀の髪が赤く染まる。

傷からは血が溢れ出ていた。


『水鵺……しっかりしろ。』

かずは必死に呼び掛ける。


『壱、すみませ……』

言いかける前に、血を大量に吐き出した。

蒼白な顔で、謝る水鵺に壱は首を振る。


『待っていろ。回復魔法を……』

手をかざし、詠唱するも魔法が弾かれる。


『水鵺…?』

『……壱、ごめんなさい。私に魔法は要らない。』

『死ぬつもりか。』

答えない水鵺に懇願するように、問い詰める壱。


『私が居なくとも、彼には貴男と仲間がいるから大丈夫でしょう……私は……』

そう言うと目を閉じ、呼吸も少しずつ浅くなる。



『水鵺、お前は逃げるのか?残念だが、壱と違い俺は生易しい性分じゃないからな。』

宙より舞い降りた崇は水鵺の胸元へ手をかざす。

『我の生命を分け与えん。悠久の地より其のが命に光を灯さんー…最上級蘇生リカーム!』


眩い光が周囲を包み、辺り一面が金色と化する。


『君は素直ではないな。』

苦笑する壱。

そんな壱を無視して、眠る水鵺の頬に手を触れる。

『聖なる者よ、彼の者への恩寵を与えよー…』

真摯な眼差しで見据える。


『天へと帰してくれないのですね。たかは。』

目覚めの一言に壱は笑いを堪える。

『普通は“有り難う”ではないのか?』

『強制するのですか?』

『水鵺、この俺に感謝もないとは。何て礼儀知らずであろうか?小生意気な。』


壱はこれ以上、討論が続かないようにふたりを宥める。

何だかんだ言いつつ仲が睦まじい三人ではあった。


『有り難う。君には感謝しています。』

小さな呟きをたかは知らない。


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