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二大魔王~魔王の護衛をしてたらいつの間にか俺も魔王として生きていくことになったので二人で世界を救うことにしました~  作者: Mini
第1章 二人の魔王 現界(現世)任務編

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魔王は魔術を学びます

ただよう腐敗臭。

息が詰まりそうだ。

酸素が薄いのか……はたまた汚染されている空気を吸い込んでいるせいで体がマヒしているのか。

そのどちらだってあり得る。

微かに、目を開けると一人の女性が近づいてきていた。


「研究結果は?」

「順調です。ですがこれ以上濃度をあげてしまえばいくら魔界人とはいえ体がもたないかと」

「ッチ……天界人のサンプルも欲しいけど、それは少し厳しそうか」

「ええ、私達はあくまでも魔界の研究および()()。ばれるのも時間の問題かと。最近魔界からまた新たに現界に入ってきた連中がいるみたいです。」

「人数は?」

「二人です」

「……わかった。その場所は?」

「東京都————」


うっすらとしか聞こえなかった。

けれど、最後に住所を教えていたのはなんとなくわかった。

それがどこなのかはもう覚えていないが、()()として、今すぐ逃げろと伝えたい。

ここは危険だ。

きっと、俺はもう死ぬ。

そして俺が死んだことによって、この魔界の血が悪い方向に使われてしまう。


(それだけは……絶対に嫌だ!)


睨みつけるように低い声をあげる魔界人。

拘束されているので何もなすすべはない。

研究員たちはおびえている。けれど、この眼の前に立っている女性だけはおびえるどころか、笑っているようにも見えた。


「ほう、もう虫の息だというのに、どうしてそこまで抵抗する」

「魔界と、現界は友好的な関係だったはずだ……それなのにお前らは!」

「はいはいわかったわかった。いったい何人もの魔界人を捕まえサンプルにしているのかを聞きたいんだろう?」


女性はにやりと笑みを浮かべながら、そのまま言葉を続ける。


「いいよなぁ?お前ら魔界人や天界人は。現界人に与えられたものは()()のみ。知ってるか?お前らのように魔力やエナジーと呼ばれるものが私達にはない。厳密にいえばあるがそれを研究に生かすことも戦争に活かすこともできない。」

「だからなんだよ。俺達がお前らに何かしたか?」

「してないね。だからこうして研究をしているんじゃないか。誰かがやらねば謎は解明できない。現界人の中にもお前たちのように未知の力を使いたいんだよ。」

「それで?お前らが研究した先にあるのがこれか?魔界人を殺して……魔王様が黙っちゃいないぞ」

「いいね。ぜひとも会いたいものだ。その魔王様と言うお方に」


女性はにやりと笑みを浮かべながら、するどい目つきに変貌し……手を刃物のようにとがらせて魔界人に近づいた。


「……ッ!?それは……」

「これは確か、女の魔界人だったっけな。話していなかったけど、意外と研究は順調でね。」

「……貴様ァアアアアアア!」


魔界人が叫んだとのほぼ同時に、その首が地面に落ちる。


「感謝してほしいね。君を殺したものが自分の妻の力だったんだから」

「代表……!」


今の一連を、大きい一面のガラス窓から眺めていた研究員たち。

すぐに駆け付け魔界人を殺した研究員を代表と呼んでいた。

そして尖った手は元に戻る。


「遺体を回収しろ。そして核を抽出……至急だ」

「「はい……!」」


研究員全員が急いでその作業に取り掛かる。

代表と呼ばれていた女性はその遺体を眺め、舌なめずりをしながら……


「この世界に二人の魔界人が侵入……か。そろそろ本格的に動こうか」


————————————————————————————————


次の日になり、俊介とルーナ、そしてリーサはトレーニングルームに足を運んでいた。


「訓練は現界に来てもやるんですね」

「当たり前だろ。現界に来る前の一週間で完璧にできるわけねぇ……毎日起きて一時間は訓練するぞ」

「頑張りましょうね!シュン様!」


軽くため息を吐く俊介だが、あのルーナが自ら訓練に付き合ってくれると思うと、多少のやる気は出てきていた。


(昨日の事……すげぇ聞かれたけど父親と再会したというのは話してないんだよなぁ)


そう。昨日俊介は父親に出会った。自分を産んでくれた血縁。

父親の顔は影のせいか老けているようにも見えた。

俊介がいなくなった、もっというなら妻にも裏切られて息子も突如として行方不明扱い。

それが14年も続いたんだ。無理もない話。


「どうしたんだ?」

「ああいや、なんでもないです」


俊介は訓練を始めてからというもの魔力質量が極端に多いというのもあり自由自在に操れるようになるまで成長した。

簡単に感情を読み取られていたが、今は魔力を体に纏うことで魔王ルーナにも読み取らすことのできない程にまで。

そしてそれはルーナも体感していた。


(こいつ、どこまで成長すんだよ。そこが知れないっていうか、まじでやべぇよな)


ルーナも、語彙力がなくなる。

リーサはというもの、うちのご主人様が最強ですという誇らしげな顔をしている。

本当のご主人様は魔王、ルーナなのに。

ルーナは首を軽く振って切り替えて訓練内容を俊介に伝えた。


「それじゃ、今日はお前に()()と言うものを教えるぞ」

「魔術……!おお!」


魔界に住んで14年。魔力の事は全く教えてもらわなかったけど、魔術は別だ。

本で何本か読んだことがある。

きっと、ルーナが漫画好きというのはこの魔術が記載されている本からなのだろう。

そんな邪推をしながら、ルーナはそれに気づくことなく話を続ける。


「魔術でも、人の向き不向きがあんだよ。俺は基本何でもできるけど、得意なのは魔眼を利用した戦いだから……シュンは魔眼がない分、魔術を覚えなきゃいけない」

「リーサさん達も魔眼を使って生成しているのですか?」

「いんや、それはれっきとした魔術だ。だがこれは神王級の魔術だからお前にはまだ無理だ」

「神王級……ってことは魔術にも段階があるってことですか」

「そういうこと。魔術は5段階の階級が存在する。初級、中級、上級、王級、神王級。魔界の奴らでも使えて王級だな。神王級クラスは俺やお前の魔王だったり、天界の奴らが使ってくる。」


急に様々な情報が頭の中に入り込んでくる。

俊介は瞬時に整理してから、ルーナに聞く。


「天界の人も魔術を使うんですか?」

「使う奴もいるけどほとんど使わないかな。あいつらは別で神術っていうのを使う。あいつらと戦うってことがあれば神王級の魔術じゃないと対抗はできねぇな」


神王級……魔王になったからこそ使える魔術。

そして俊介にはその資格と素質がある。

それは大魔王サタンも理解している。


(俺がどういう魔術が得意なのかもわからない今、教えてもらいながら見つけていくしかないか)


そこまで考えながら、俊介はルーナに真摯に告げる。


「俺はいつでも行けます。教えてください」

「にしし、そう来なくっちゃな」


ルーナは笑みを浮かべ、さっそく魔術を教える。


「それじゃ、右手を構えて魔術を使ってみろ」

「……?詠唱はないのですか?」

「詠唱っていう概念は捨てろ……お前は本番で全部教科書通りで動かないだろ?教科書はあくまで手本。最初から教科書通りにやってたら自由に魔術を楽しめない」


楽しめない。そんな言葉が俊介の頭に残った。

確かにそうだ。何事にも楽しくなきゃやりたいと思わない。

ルーナは俺、魔術の楽しさから教えてくれるんだ。

そう思い、言われた通りに右手を構えて目を瞑る。


当然、何も出てこなかった。


「……やっぱダメか」


何をどうすればいいのかもわからない。

俊介は軽くジト目を向けるが、ルーナはそれに反応することなく一つのアドバイスをした。


「いいかシュン。魔術は夢だ!」

「夢?」

「こうしたらいいな。ああしたらもっと面白いだろうな。こうやって考えたことはだれしもある。それが魔術。魔術はなんだって叶えてくれる。そこにもちろん魔力総量や素質があるが可能性は無限大。お前にできないことはない。ほら、もう一度やってみろ」


夢……不確かなことだけど、考えたことはある。空が飛べたらいいな。手から火が出たらかっこいいな。

それを、全て魔術に乗せる。


目を瞑っているから今現状自分の右手から何がどうなっているのかはわからない。

でも手が温かくなっているのを感じる。

リーサとルーナは俊介のただならぬ魔力質量に驚いていた。


「ルーナ様、シュン様の魔力ってもしかして……」

「ああ……日に日に増大してってる」


魔力が増えれば増えるほど、それは大きなアドバンテージになる。

それは誰がどう見ても明らかだ。だが俊介は違う。

俊介の特殊なことは魔力の質量が段違いに高い事。

下手したら質量だけでルーナの魔力総量を上回ってしまう程に。

そのまがまがしい魔力を体に纏い、それが右手に集約される。


刹那……勢いよく火の玉が放出された。


ドカンと、あたり一面が爆発し、その威力にビビる三人。


「初級魔術でこれか……威力半端ねぇな」

「……ですね。」

「初級魔術はどれくらいの威力なのですか?」

「う~ん……松明や明かりをともしたり、焚火が出来るぐらい?」

「……え」


そう。俊介の右手から放たれた火の玉は威力がとてつもないほど高かった。

威力だけで見れば上級となんら遜色のない威力と発射スピード。

ルーナはこれからの成長に少しビビりながらもそれを悟らせないために腰に手を当てて……


「まぁまぁだな!試しに他の魔術も試してみろよ。そこでお前の得意な系統を見極めるぞ」


そこから何度か魔術を撃った。

水魔術。

風魔術。

雷魔術。

重力魔術。

操魔術。

一通り打ち終え、初級の中でもダントツに威力が高かったものは、雷魔術だった。

青白く輝く閃光がトレーニングルームを半壊させる。

三人は当然のごとく目を真ん丸にさせてビビっていた。


「すげぇな。雷魔術は取得するのすら難しいとされている難術。それを最初の一発だけで半壊させるなんて……」

「魔術って……楽しいんですね!」

「だろ?俺も魔術は大好きだ」

「魔眼を抜きにして、ルーナはどの魔術が一番得意なのですか?」


俊介の問いにルーナは首を傾げ人差し指を唇に当てながら答える。


「そうだなぁ。しいて言うなら、火かな?」


唇につけていた人差し指からぱっと、紫色の炎を見せる。

普通の火より明らかに強い。

その内に秘められている魔力は計り知れないものだと、すぐに俊介は悟った。


「すごいですね。さすがルーナです」

「ま、俺は全部神王級だしそれプラスで魔眼を持ってるからな!」

「そりゃ最強なわけですよ」


実際、大魔王サタンの斬撃を簡単に防いでいるのを見てる。

改めて魔王ルーナなんだと思い知らされた瞬間だった。


(魔力は徐々に回復してる。このままいけば大丈夫だな)


紫色の炎を消して、自分の手を眺めるルーナ。

そして後ろにいたリーサがむぅっとした表情をしながら二人を見ていた。


「ごめんごめんリーサ。お前にもちゃんと仕事はあるから」

「違います!わたくしもシュン様に褒めてもらいたいんです!」

「あ、そっちね」


のけ者にされているのを怒っているのかと思えば、自分も褒められたいと妬いているリーサ。

ここでルーナは人格を宿すのはしくったかと少し後悔する。


(人格を色濃く受け継いでんなぁ……ナーシャとは本当に正反対だ。しかも、ちょっと恥ずかしいし。)


ルーナの人格で生成されているメイド。そしてそれは裏返してしまえばルーナの気持ちとも捉えれる。

誤魔化すように頭を掻くのだが。徐々に恥ずかしさが込み上げてくる。

とうとう耐えきれなくなったのか、ルーナはドアの方に向かいながら俊介とリーサに告げる。


「俺はもう朝飯を食べてくる!あとの訓練はお前らで好きにしろ!」

「あ、ルーナ」

「はい!かしこまりました!」


一体どうしてそんな急に態度が変わったのかと不思議そうにしながら扉から出て行くのを見る俊介と、二人きりになったのがものすごく嬉しいリーサさん。

ドアが閉まり、俊介は視線をリーサに向ける。


「それで、リーサは何を教えてくれるんだ?」

「わたくしは、近接戦闘ですね」

「ですねよ」


分かっていた。どことなく魔力の雰囲気がナーシャに近かった。

ルーナの魔力生成術はとても正確だ。

しぐさや言動も似せることが出来る。そこに独自の人格だったり願望を入れることでこんなにも別人にすることが出来る。


「それじゃ早速、始めましょうか」


構えを取るしぐさはまさに同じ……ナーシャと対峙しているようだった。

そしてそこからみっちり、近接戦闘を叩き込まれた。



朝飯を食べてくると適当なことを言って訓練から離れたルーナ。

家の周りに嫌なものを感じていたのだ。

魔力ともエナジーとも言えないもの。最初はマナかと思ったがどうやら違う。

魔力とエナジーは戦闘向きのものだがマナは違う。どちらかと言うと精神的なものだ。

その前例がないだけでこれから先は出てくるのかもしれないが、とにかくこの三つのどれでもなかった。


「何もんだ?」


そう呟き、白い髪の下は影で見えないルーナの表情。

ゆっくりとアパートの扉を開け――――


勢いよくルーナの体は吹き飛ばされていた。

直感が「今すぐ殺せ」と言っている。

ルーナは立ち上がりながら目に見えない速度で近づき、顔面に手をかぶせて魔術を放つ。


「すまねぇな。今俺ぁ不機嫌なんだ。そんで家まで壊されたら何しでかすかわかんねぇぞ」

「……」


(反応はない……ん?なんだこれ)


しっかりと見れば、こいつは首から上が()()()()だと気づく。

縫い目後のようなものがあり、統合されていないようにも思える。

そいつはすぐに立ち上がり、ルーナに向かって走り出す。


「はぁ……そういうことか」


ルーナは周りにいる現界人に被害が及ばないよう、魔術で結界を張る。

こいつの正体は魔界人だった。

別の魔界人の肉体と頭が合体してできている。

だから言葉がしゃべれず、無作為に魔術を放ち暴れることしかできないのだ。

むしゃくしゃしたルーナは、こいつを一発で屠るために神王級の魔術を使用する。


「すまない。お前ら……お前らをこんなんにしたくそ野郎は絶対。俺が殺してやる。だからどうか、魔王である俺に殺されてくれ」


言葉を紡ぎながら、両の手に込める。

雷魔術の神王級を左手に、そして右手に風魔術の神王級を生成。

そして両の手を合わせ、再度離す。

頭上に薄黒い雲が生成され、紫色の雷がバチバチと鳴り響く。

それと同時にルーナとそいつは走り出す。


「……ま、おうさ――――」


一瞬の出来事だった。

宿した二つの神王級がそいつに直撃し、塵になる直前、何かを話そうとしていた。

ルーナはそれを聞き逃すはずがなかった。

結界を解き、神王級を放った影響なのか……あたりに雨が降り始める。

リーナは雨に打たれ、そいつが塵になる前にいた場所に向かいながら呟くように言った。


「ごめん」


敵は、現界人だった。

魔界人を利用して現界人が魔界人になるように改造しているのだ。

胸糞悪い。

考えるだけでイライラする。

今すぐにでも、この現界を破壊してやりたい。

好きな漫画すらもどうでも良くなるほどに。

この感情は実に久しぶりだった。


「……クソが」


今襲ってきたのは改造された魔界人……だがこれは余興なのだとすぐにわかった。

魔界人が現界にいつ、どこに入ってきたかは調べればすぐにわかる。

現界で魔界人に会えたという喜びを逆手に取り魔界人を襲って、利用される。

着々と現界人が魔界人になる方法に近づいているらしい。

そして、これを殺してしまったということもすぐに向こうに伝わる。


「まぁいい。逆に探す手間が省けた。待ってろよ……絶対に殺してやるから」


そう言いながらルーナはアパートの中へと入っていった。



トレーニングも終わり、俊介はソファに座りながら飲み物を飲む。

そのタイミングでちょうど扉が開き、ルーナが入ってくる。


「お、訓練は終わったか」

「はい……リーサにボコボコにされましたよ」

「ハッハッハ、まぁ近接戦闘は基本だけど苦手な奴も少なくない。今後の課題だな」

「……ですね」

「ですがすごく成長していますよ!さすがシュン様です」

「よく言うよ」


意識している魔力を体に纏うということもできている。感情を読み取るのも……。

そこで、ルーナの違和感に気づく。


「どうかしましたか?」

「ああ、まぁちょっとな。」

「「?」」


首を傾げるリーサと俊介。ルーナは俊介の向かいのソファに座って真摯に言った。


「さっき、改造された魔界人に襲われた」

「「……!?」」

「自我がなく、おそらく現界に入ってきた魔界人を襲えという命令で動いていたんだろう」


ルーナは先程あったことを全て二人に話した。

終始驚いた様子で聞いていたが、今回の主犯は現界人だと……すぐに理解することが出来た。

そしてそれと同時に怒りも込み上げてくる。

同胞だ。

それは当然のことだ。


「俺は許せない。たとえ犯人が魔界人だとしても、天界人だとしても、同胞を俺は殺した。最後に魔王様って言っていたんだ。」

「……そうですか」


数秒の沈黙が続く。

なんて言ったらいいのかわからなかったし、何も話したくなかったというのもあったのかもしれない。


「ですが最後に助けてもらったのがルーナでよかったと、思っているはずですよ」

「そう……だといいな」

「それを止めるために俺達が来たんですから」


俊介の言葉にルーナはハッとして、微笑した。


「そうだな。ありがとうシュン」

「それで、今後はどう動きますか?」

「やられっぱなしは腹立つからな。今度はこっちから仕掛ける。」


その言葉に、俊介も強く頷く。

ルーナは続けていった。


「俺が殺した瞬間、俺の魔力を全域に広げて場所を特定した。そいつの命令が途絶えた場所、それがあいつらの本拠地」

「そんなことまで……それで、その場所は?」

「研究施設だ。なんともらしい場所だな」


そこで、ルーナは人差し指をビシッと俊介に向けながら――――


「今夜!その場所に行きあいつらの研究施設を壊す!そんでそいつ殺す!」


なんとも無茶苦茶な提案……と思いながらも、そうしないとまた次が生まれてしまう。

そうしないためのものだと理解して俊介は立ち上がる。


「わかりました!いっちょやってやりましょう!」

「おう!頼んだぜ!相棒!」


パンっと互いの手を交わし、それと同時に覚悟を決める。

同胞を殺された怒りは確かだが俊介は人を殺したことがない。

その、覚悟を再度……決めるのであった。


————————————————————————————————


改造された魔界人が殺されたと、すぐに気づく研究員代表。


「なるほど、これは手強い相手だな」


もしかしたら本当に魔王がいるのかもしれない。

そう思うと心が躍ってしまう。

そこで、一人の研究員が代表に話かける。


「代表……本日もお客さんがいらっしゃってます。」

「ったく、こんないい時に……研究施設にお客さんなんて普通はあり得ないんだけど。それで、その客っていうのは誰だ?」

「えっと……燈 大介(あかり だいすけ)と名乗る男性です。」

「……ッ!?」


まさか、そんなことがあるのかと、驚きながらもにやりと笑みを浮かべる代表。

数秒考えるようにして、すぐに口を開く。


「いいよ。通してくれ。これは面白くなりそうだ」


にやりと笑みを浮かべながら舌なめずりをする代表。

彼女の名前は……宮野 景子(みやの けいこ)。そして燈 景子(あかり けいこ)でもある。

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