第36話 口止め
「証拠は?」
仲道はあくまでも強気だった。しかし、小坂部もそれ以上に強気だった。
「先日、夢藤氏から淫らな行為を受けたと主張する元女子アナウンサーから訴えがありましてね、カウボーイ事務所から黙っていて欲しいと。出馬することも。代わりに相当な額のお金が提示されたとか・・・」
「根も葉もない噂だ」
「でしょうか?」
「夢藤の証言があったんですか?」
「ありません」
「そうでしょう」
「ですが、彼女は受け取っていないと言う」
「だったら架空の話じゃないか」
「ではこれをご覧ください」
そう言って小坂部が示したのは曽我がスクープした隠し撮り写真。曽我と小坂部たちは共同戦線を張っていた。その写真は喜多村メイコと元女子アナの朝比奈莉夢が喫茶店で会っているものだった。
「ここで彼女と何を話されていましたか?」
メイコは横を向く。
「覚えがありませんわ」
「相手はよく覚えていますよ。口止めされたって」
「何のことかしら・・・」
「再現しましょうか」
小坂部が和田に目配せした。和田は小型ボイスレコーダーをテーブルに置いて再生ボタンを押した。
水無月はたち
1964年大阪下町生まれ。同志社大学経済学部卒。現在、大阪の某大学勤務。
優しい奥様と独立独歩した我が子たちだけが自慢。
-筆歴-
2023年4月 『戦力外からのリアル三刀流』(つむぎ書房)発刊
2024年3月 『空飛ぶクルマのその先へ 〜沈む自動車業界盟主と捨てられた町工場の対決〜』(つむぎ書房)発刊
2024年7月 『ガチの親子ゲンカやさかい』(つむぎ書房)発刊
2025年7月 『いまじゃ 殺れ 信長を』(つむぎ書房)発刊
2026年3月16日 『神より選ばれし偶像たち』(つむぎ書房)発刊
※当作品は100%作者の手で作り上げた不完全なヒューマンドラマです。AIの力は全く借りておりません。つづきはこちら↓




