潜伏場所
外へ出ると、殿下達と合流した。門番の人に転移陣がうまく作動しなかったことを伝えると、私達は馬車に乗って教会を出た。
「うまく、誤魔化せたでしょうか?」
「……どうだろう?」
二人の反応に首を傾げていると、殿下が言った。
「大広間を覗いていたら、バレてしまってね。トイレの場所を探していたと言ったら、深くは追及されなかったのだが……」
「怪しまれましたよね、確実に」
「レイラの方は、どうだったの?」
「直接会って話をしましたが、かなり不安に感じているようでした。明日の朝10時が生贄の時間だそうです」
「朝10時か……」
「殿下、どうなさったのです?」
「明日はミサの日だろう? 人が大勢集まるのに、そんな時間に生贄の儀式をやるのかなって……」
「確かに。でも、ひっそりと儀式を行うなら、逆に人が多い方がごまかせるのかもしれませんね」
「今日は覗いていることが、バレてしまったからね。明日も教会にいたら、さすがに怪しまれてしまうだろうから、私は近くの潜伏場所で待機しているよ」
「潜伏場所?」
その時、馬車が停まった――教会を出て、一つ目の角を曲がった先にある小さな小屋の前に馬車が停まると、殿下はノックをして家の中へ入った。
「おかえりなさい」
ドアを開けた先には、オリバ先生が立っていた。
「オリバ先生?! どうしてここに……」
「レイラ、この家は王家が教会を見張るために借りてるんだ」
「ということは、もしかして……」
「おかえりなさい、レイラ様」
「リトッシュ様まで……」
「立ち話もなんだし、見つかると不味いから中へ入ろうか」
殿下の言葉を受けて、私達は小屋の中へ入ったのだった。




