だんだん10話
ー10話
稲沢さんからメールが来た。
ースタジアムライブの中止による損害額は、1億に達したよー
成田空港のロビーに谷田官房長官が現れた。
「小林さん。今回の損害についてはサウジアラビア政府が支払う事になりました」
「どうして?」
「今回のアメリカ政府のスタジアム閉鎖はイスラム世界に対する侮辱と声明を出してます。その声明に対する具体的行動と言う意味です」
「理解不能です。要するにアメリカとサウジアラビアがケンカを始めた?と」
「まぁそうです。アメリカ政府はこの対立の引き金を引いた、小林智昭を入国禁止にすると発表しました」
「なんてことです?犠牲のいらない世界を主張したのに、なぜ犠牲を生もうとするんです?」
「政府がヒーローを演じなければならないからでしょう。ヒーローを演じるには、ヒーローが犠牲となる状況が必要」
「どうしろと…総理は?」
「日本国内のCIAが、小林智昭を事故死させるように指令を受けました。総理は、小林智昭の保護を指示されました。あなたが殺されたらアラブ世界は戦争を始めるでしょう」
小林は天井を仰いだ。
「このアルバム内容は間違ってますか?出すべきでなかったと思いますか?」
「私の個人的見解ですが。ここで退くので有れば、出すべきでなかったとおもいます」
「総理のバックアップの元に闘えと?」
官房長官はうなずいた。
官房長官は去って行き、別の男が来て握手を求めた。
「警視庁電算機犯罪課サイバースコードの白根 登です」
頭髪がてっぺんだけなくて、茶系の仕立ての良い背広を着こなす小太りの中年男性だった。
「肩書きはどう言う意味か分かりません」
「国内の外国の諜報組織の非合法活動を取り締まるのが仕事です」
小林は小さくうなずきながら言った。
「つまり…僕がその、非合法活動の対象になった……ですか?」
「さすがです。才能の有る方は理解が早い。我々は囲まれていて、小林さんを30人でガードしています。1分後に包囲を破って5分で脱出し安全圏に到達します」
「襲ってくるんですか?」
「違います。小林さんがこのロビーから逃げ出さないように囲んでます」
「時限爆弾?」
「いえ。ボーイング177便がここに墜落します」




