第三話 ~空虚エスドゥディン~
登校。
いやしかし、夏休み中にも授業があるなんて変わった学校だと思う。
他の学校の知り合いは夏休みを存分と満喫しているというのに。
じゃぁ、夏休みと言わないのではないか。
それがそうでもないのだ、授業があるのは8月の上旬から2週間だけで。
9月の中旬まで休みが続く。
今日もいい天気。
今日もいつもの時間。
以上。
・・・・本当に、夏ってやつは。
天気予報士も大変だよな。毎日、毎日、暑くて、ほぼ変わらない天気なのに。
いちいち、言い方変えて言わなければならない。
というか、そもそもいつも暑いんだから、暑くない日だけ言えばいいのにって思う。
結構、誰しも考えるよね、これ。
だから俺も、特に今日はこれといったものもなく。
今日というものを示すものは何もなく。
8月6日。
特に進展はないと思う。
そう。本のなかやアニメの中では、毎日毎日変化が起きているかもしれない。
でも、学校生活の日常の中、常に日々に変化が起きるのは
悍ましく素晴らしいと思う。
ただ、あれだ。悍ましく、だ。
学校生活という、ごく平凡の生活の中で。
日々の変化を望むものはたくさんいるだろうけど、日々の変化ほど恐ろしいものはないと思う。
例えば、あれだ。
毎回、別の道で、別の人に会い、少し変わった学校に行き、毎回違うあいさつをされ・・。
あれ?
意外と、変化ってあるものなのかもな。どこかで少しづつ・・少しづつ変わっていってるかもしれない。
そっか・・。
最初っから決まっている人生を突き進んでも面白くないしな。
決めた。
これからは、少しづつの変化を見つけて、楽しむことにしよう。
その変化が、悪い方向に行かなければいいけど。
そんな感じで、今日もいつもと同じ。
いつもの学校で、いつもの授業を聞き流し。
いつもの部室で、いつものふたりを過ごし。
いつもの帰宅で、いつもの・・・
「そういえば、私、転校することになったんだ。」
少しの変化が現れた。
いつもの帰り道で、別れ際言われた。
「えっ・・ほんとか・・!?」
「うっそーん!・・・って言いたいところだけど。ほんと。」
あーあ、この変化は楽しめないわ。
「詳しいことは、明日学校でクラス前で言うらしいから。よろしく~。」
「いや、ちょ、ちょっと待て。急に言われても・・なんで先に俺に言ったんだ?」
「まっ、部活仲間だしねっ!」
そう笑って返すと、足早に帰っていった。
「いきなりすぎるだろぉ~・・・」
突拍子もない話だ。前言を撤回したい。日々は常に変化しまくっていた。
それに気づけなかった話か。
急に始まって、急に終わる日だった。




