↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

60/127

第59章「配信当日、重なる現実」


朝。


まだカーテン越しの光が弱い時間。



「……ん」



意識が戻る前に、柔らかい感触が触れる。



唇。



深く、ゆっくりと重なる。



「起きて」



巳波の声。



琉偉は目を開ける。



視界のすぐ近くに、巳波の顔。



そのまま、もう一度――



“濃厚なキス”



今度は完全に目が覚めるほど、長く。



「……おはようございます」



琉偉が小さく言う。



巳波は少しだけ満足そうに笑う。



「おはよう」



ベッドの端に腰を下ろしながら言う。



「今日は一日、仕事なし」



琉偉は少し驚く。



「珍しいですね」



巳波は肩をすくめる。



「その代わり」



少しだけ間を置く。



「今日は配信、やりますよ」



その言葉に、空気が一気に“本番モード”へ変わる。




朝食後。



巳波はスマホを手に取り、Xを開く。



少し考え込むように画面を見つめ、


そして指を動かす。



長文の投稿。



『【本日20:00〜】

今日は大食い生配信やります。

内容はラーメンチャレンジ。結構ガチでいく予定です。

ちょっとした企画もあるので、時間ある人はぜひリアタイで。

久しぶりに全力でやるので見に来てね。』



投稿ボタン。



数秒後には通知が鳴り始める。



「反応早い」



巳波が小さく呟く。




そのまま振り返る。



「ねえ」



琉偉を見る。



「蒼と彩音に伝えといて」



「ラーメンの大食いって」



琉偉は頷く。


「分かりました」



すぐにLINEを送る。



『今日ラーメン大食いらしい』



すぐに既読。



『マジかww』


『楽しみすぎる』




その時。



スマホが震える。



着信。



「……母さん?」



画面を見ると、“母・聖樹”。



電話に出る。



「もしもし」



『琉偉?』



いつもの落ち着いた声。



『今日の夜なんだけど』



少し間。



『一度、新居に寄らせてもらうね』



その一言で、空気が変わる。



琉偉は一瞬だけ言葉に詰まる。



「……今日ですか?」



『ええ、少しだけ顔出すだけだから』



断る理由もない。



「分かりました」



通話を切る。




沈黙。



巳波が静かに聞く。



「どうしたの?」



琉偉は正直に言う。



「母が……今日来るそうです」



一瞬の間。



巳波は驚かない。



ただ、小さく頷く。



「そう」



そして少しだけ笑う。



「タイミングいいのか悪いのか」



琉偉は苦笑する。



「配信の日に来るとは思いませんでした」



巳波は立ち上がる。



「大丈夫」



「どうにかする」



その一言に、不思議と安心感がある。




玄関。



大学へ向かう琉偉。



「行ってきます」



巳波は一歩近づく。



そして、迷いなく――



唇を重ねる。



朝とは思えないほど深く、長いキス。



「……ん」



離れたあと、巳波は静かに言う。



「いってらっしゃい」




ドアが閉まる。



足音が遠ざかる。




その直後。



巳波の表情が“完全に仕事モード”へ変わる。



「よし」



リビングへ。



テーブルを見渡す。



そして、機材を一つずつ準備し始める。



■配信機材


・メインカメラ:SONY α7 IV(ミラーレス一眼)

・サブカメラ:SONY ZV-1(俯瞰用)

・キャプチャ:Elgato Cam Link 4K

・マイク:SHURE SM7B(ブームアーム固定)

・オーディオIF:Focusrite Scarlett 2i2

・配信PC:ゲーミングPC(OBS使用)

・リングライト:Neewer 18インチLEDリングライト

・補助ライト:Godox LEDパネルライト×2

・三脚:Manfrotto三脚

・ミキサー:YAMAHA AG03



テーブルに配置していく。



ラーメンを置くスペース。


カメラの角度。


コメント確認用モニター。



「ここに来る」



一人で確認しながら動く。




夕方に向けて、準備は整っていく。



配信。


来客。


秘密。



すべてが同時に重なる日。



そして――



まだ誰も知らない。



この夜が、


“ただの配信”で終わらない可能性を   



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。