第四十七話 「D組同室届」
神奈川県立統合学園。
最近の問題。
「D組まで恋愛共同体化している」
恋愛省が頭を抱えていた。
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だが。
Eクラスは平和だった。
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「柴崎ぃぃぃ!!」
「なんだ!?」
「D組のやつら、また農地デートしてる!!」
「進行速度早ぇな!!」
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実際。
D組は完全に変わっていた。
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以前は。
Lスコアを気にして。
失敗を恐れて。
“正解の恋愛”ばかり探していた。
でも今は違う。
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一緒に畑を耕して。
一緒に魚を焼いて。
一緒に笑っている。
その中で。
自然に感情が育っていた。
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その時。
旧校舎食堂へD組生徒たちが集まっていた。
妙に空気が緊張している。
「……なんだ?」
俺が呟く。
一ノ瀬雪乃も少し首を傾げた。
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すると。
D組男子・橘悠真が立ち上がる。
顔真っ赤。
隣には三枝心春。
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「……俺」
完全に緊張していた。
「三枝と、一緒にいる時間好きだ」
Eクラス全員。
即座に静かになる。
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「だから」
橘は深呼吸した。
「ちゃんと付き合ってほしい」
沈黙。
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三枝も顔を赤くしていた。
だが。
小さく笑う。
「……うん」
「私も好き」
数秒停止。
そして。
「来たぁぁぁぁぁ!!」
旧校舎大爆発。
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「D組正式感染!!」
「第二世代成立!!」
「言い方ぁ!!」
三枝が笑いながらツッコむ。
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だが。
終わりじゃなかった。
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「……俺も」
D組男子が立ち上がる。
隣には農業班女子。
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「え?」
さらに。
「私も言いたい」
D組女子。
隣には改良班男子。
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空気が止まる。
数秒後。
「連鎖したぁぁぁぁ!!」
Eクラス崩壊。
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その瞬間。
教師が乱入。
「よぉぉぉし!!」
嫌な予感。
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黒板へ貼られる。
《D組同室届受付開始》
「仕事早ぇぇぇぇ!!」
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「待ってください!!」
D組側が混乱する。
「まだ今日付き合ったばっかりです!!」
教師、真顔。
「感情共鳴は鮮度が重要だ」
「意味分からん!!」
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一方。
Eクラス既存組。
完全に慣れていた。
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「まあ最初は驚くよな」
柴崎が遠い目。
「俺らもそうだったし」
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「同室、意外と楽しいよ」
朝霧が笑う。
「生活分かるし」
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「一緒にご飯作れる」
瀬名も頷く。
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「工具共有も便利」
藤堂。
「そこは違う」
獅子原が即ツッコミ。
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D組生徒たちは。
少し戸惑いながらも。
どこか嬉しそうだった。
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その頃。
中央恋愛省。
《D組同室制度》
《適応率急上昇》
研究員たちが騒然としていた。
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「再現性が高すぎます!」
「Eクラス方式、全国標準化可能です!」
保守派幹部は青ざめていた。
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白鷺優斗は静かにモニターを見る。
そこには。
笑っているD組生徒たち。
以前の、不安そうな顔はもうない。
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「……そうですか」
小さく呟く。
「恋愛とは、本来“安心できる場所”から始まるものだったのですね」
恋愛省が、
最も忘れていた答えだった。
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一方。
夕方。
旧寮。
新D組カップルたちが、部屋移動で騒いでいる。
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「えっ、本当に同室!?」
「ベッド近くない!?」
「落ち着けお前ら」
Eクラス先輩面。
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一ノ瀬がその光景を見ながら笑う。
「……増えたね」
「だな」
最初は。
Eクラスだけだった。
でも今は。
D組も、
A組も。
少しずつ変わっている。
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その瞬間。
《感情共鳴指数》
《統合学園全体安定状態》
監視ドローンが光る。
「だから空気読めぇぇぇぇ!!」
統合学園全体のツッコミが、夕焼け空へ響いた。




