表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学園恋愛監査官〜恋愛指数最底辺の俺は、学園一の美少女の“偽装恋愛”を暴いてしまった〜  作者: 神代零


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/51

第三十四話 「恋愛省の誤算」

 中央恋愛省。


 特別会議室。


 空気は最悪だった。



《Eクラス婚姻希望率》


《全国平均比 483%》


「高すぎます!!」


 研究員が叫ぶ。


「まだ高校生ですよ!?」


 別研究員も頭を抱える。


「恋愛離脱率ゼロ!」

「精神安定率上昇!」

「共同生活継続率異常値!」


 もはや研究報告ではなく悲鳴だった。



 一方。


 白鷺優斗は静かだった。


 モニターを見つめている。


 そこには。


 Eクラスの日常。


 畑。

 魚干し。

 炭火。

 笑い声。


 そして。


 自然に寄り添うカップルたち。



「……誤算ですね」


 白鷺が呟く。


「従来制度では、“競争”が恋愛を促進すると考えられていた」


 だが。


 Eクラスは逆だった。


 共同生活。

 協力。

 自給自足。


 その中で。


 自然に感情が育っている。



「このままでは危険です!」


 幹部が声を荒げる。


「全国の恋愛教育制度が崩壊する!」


「A組型エリート教育の権威も低下しています!」


 実際。


 全国で変化が起きていた。



《Eクラス方式導入校》

《自然恋愛発生率増加》


《恋愛競争ストレス低下》


《交際継続率向上》


 結果が良すぎた。



 白鷺は静かに笑った。


「ですが」


 窓の外を見る。


「結果が出ている以上、否定はできません」


 恋愛省そのものが、揺らいでいた。



 一方。


 Eクラス。


 そんな国家危機を知らず。



「柴崎ぃぃぃ!!」


「なんだ!?」


「朝霧さんとお揃いのマグカップ使ってる!!」


「だ、だって同室だし!」


 旧寮大騒ぎ。



 松永は普通に畑へいた。


 瀬名が隣で水を撒いている。


「松永くん」


「なんだ」


「最近、一緒に畑いるの普通になったね」


「……そうだな」


 自然だった。


 あまりにも。



 藤堂と獅子原は。


 共同工具棚を作っていた。


「夫婦DIYじゃん」


「違う!」


 否定が弱い。



 そして。


 真壁と水瀬。


「卒業後どこ住む?」


「海近いとこがいい」


「畑も欲しいな」


 会話が完全に結婚後だった。



「……やばいな」


 俺が呟く。


 一ノ瀬雪乃が笑う。


「うん」


「高校生の会話じゃない」


「でも、なんか幸せそう」


 静かな声。



 その時。


 監視ドローンが飛来。


《Eクラス共同生活観測中》


「もう家族観察番組じゃねぇか」


 柴崎が呆れる。



 すると。


 突然、旧寮モニター点灯。


《中央恋愛省 特別発表》


 嫌な予感。


 白鷺優斗が映る。


「現在、Eクラス方式の影響拡大を受け」


 静かな声。


《全国恋愛共同生活試験制度》


《導入決定》


 沈黙。


「……は?」


 Eクラス全員停止。



 さらに。


《共同生活型恋愛教育》

《全国モデル指定》


「待て待て待て!!」


 柴崎が叫ぶ。


「俺らの同室生活、全国化すんの!?」


 白鷺は静かに頷いた。


「皆さんは現在、日本恋愛教育制度最前線です」


「嫌すぎるぅぅぅぅ!!」


 旧寮が揺れるレベルで叫び声が響いた。



 その夜。


 俺と一ノ瀬の部屋。


 一ノ瀬はベッドへ座りながら、小さく笑った。


「……最初、偽装恋人だったのにね」


「だな」


「今、国家モデルカップル」


「意味分からん」


 すると。


 一ノ瀬は少しだけ照れながら言った。


「……でも」


「なんだ」


「今の方が、好き」


 静かな声。


 完全に本音だった。


 だから。


 俺も少しだけ笑う。


「俺もだ」


 その瞬間。


《感情共鳴指数》

《史上最高値更新》


 監視ドローン、深夜即反応。


「寝ろぉぉぉぉ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ