表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学園恋愛監査官〜恋愛指数最底辺の俺は、学園一の美少女の“偽装恋愛”を暴いてしまった〜  作者: 神代零


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/51

第三十一話 「感情共鳴実験クラスの日常」

 《感情共鳴実験クラス》


 ――正式名称変更から一週間。


 結論から言うと。


 何も変わらなかった。



「おい柴崎! 罠壊れてるぞ!」


「昨日イノシシ突っ込んできた!」


「なんで校内にイノシシいるんだよ!」


 旧校舎は今日も平和だった。



 一方。


 農地。


「松永くん、そこ雑草」


「……すまん」


 瀬名が笑いながら鎌を渡す。


 その隣で。


 松永は自然に水筒を差し出していた。


「飲め」


「ありがと」


 完全に夫婦感ある。


「お前ら距離感自然すぎるだろ」


 俺が呆れると。


 農業班女子が真顔で言った。


「最近Eクラスカップル増えすぎて感覚麻痺してる」


 それはそう。



 さらに。


 改良班では。


「藤堂、これ運ぶの手伝って」


「分かった」


 獅子原が普通に藤堂の腕を引っ張る。


 藤堂、赤くなる。


 でももう逃げない。


「……慣れたな」


「何が」


「恋愛」


 Eクラス全員が少し静かになった。



 最初。


 みんな恋愛なんて分からなかった。


 でも今は。


 ちゃんと誰かを見て、

 ちゃんと好きになっている。



 その時。


 旧校舎前が騒がしくなる。


「うわっ、マジで畑ある!」

「焼きとうもろこし屋だ!」


 一般クラス見学組だった。


 最近毎日来る。


 もはや観光地。



「ここがEクラス……」


 一般クラス女子が呟く。


 畑。

 炭火台。

 魚干し。


 普通の学校じゃない。


 だが。


 みんな笑っている。



「……なんかいいな」


 ぽつりと。


 一般クラス男子が言った。


「こういうの」


 その瞬間。


 監視ドローン反応。


《感情共鳴反応確認》


「うるせぇぇぇ!!」


 Eクラス総ツッコミ。



 一ノ瀬雪乃は、その光景を見ながら笑っていた。


 もう、ここにいるのが自然だった。


「……ねえ九条くん」


「なんだ」


「最初の頃、私すごかったよね」


「何が」


「畑にヒールで来て転んだ」


「天然記念物だったな」


「ひどい」


 笑う。


 本当に自然に。



 その時。


 監視ドローンが接近。


《九条蓮・一ノ瀬雪乃》


《感情同期率測定》


「またか」


《同期率:98%》


 即表示。


「上がってる!?」


 柴崎が叫ぶ。


「お前らもう結婚しろ!!」


「飛躍しすぎだ!!」


 一ノ瀬が真っ赤になる。


 だが。


 少しだけ嬉しそうだった。



 その頃。


 中央恋愛省。


 白鷺優斗は、新データを見ていた。


《Eクラス方式導入校》

《全国自然恋愛発生率増加》


 研究員たちがざわつく。


「各地で“恋愛競争ストレス”低下が確認されています!」


「精神安定率も改善!」


 静かな空気。


 白鷺は窓の外を見る。


「……始まったのですね」


 小さく呟く。


「恋愛制度そのものの変革が」



 一方。


 Eクラス。


 そんな国家レベルの話を知らず。


「焼きとうもろこし追加焼けたぞー!」


「うおおお!!」


 いつもの騒ぎだった。


 だが。


 その中心で。


 一ノ瀬がそっと俺の袖を掴む。


「……ん」


「なんだ」


「今日、一緒に帰ろ」


 小さな声。


 演技じゃない。


 ちゃんと照れている。


 だから。


 俺も少しだけ笑う。


「分かった」


 その瞬間。


《感情共鳴指数》

《過去最高値更新》


「だから空気読めぇぇぇ!!」


 Eクラスの叫びが、夕焼け空へ響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ