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学園恋愛監査官〜恋愛指数最底辺の俺は、学園一の美少女の“偽装恋愛”を暴いてしまった〜  作者: 神代零


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第二十八話 「恋愛革命前夜」

 《恋愛は、“生まれるもの”なのかもしれません》


 白鷺優斗のその発言は、学園中へ衝撃を与えた。



 翌朝。


 神奈川県立統合学園。


 空気が完全に変わっていた。



「おはよう!」


「……お、おう」


 一般クラス男子が、ぎこちなく女子へ挨拶している。


 A組でも。


「今日、一緒に昼どう?」

「えっ……いいけど」


 どこか空気が柔らかい。


 前までみたいな“評価目的会話”が減っていた。



 一方。


 Eクラス。


「おい九条」


 柴崎が焼き魚を食いながら言う。


「なんか最近、普通クラスのやつらEクラス来すぎじゃね?」


 見る。


 農地見学。

 燻製体験。

 焼きとうもろこし購入。


 もはや観光地だった。


「Eクラスツアー始まってるぞ」

「終わってんなこの学校」



 その時。


 一般クラス女子が、朝霧へ話しかけていた。


「どうやって柴崎くんと付き合ったの?」


 朝霧が少し困った顔をする。


「えっと……普通に話してたら?」


「それだけ!?」


「魚取り手伝ってくれたりして」


 女子たちが困惑している。


「駆け引きとかは?」

「Lスコア計算とか」


「してないよ?」


 静寂。


 価値観が崩れていく音がした。



 一方。


 中央管理棟。


 恋愛省特別会議。


《Eクラス現象について》


 会議室は険悪だった。


「危険です!」


 幹部が机を叩く。


「現在、全国の恋愛教育制度へ疑念が広がっている!」


 別幹部も続く。


「“自然恋愛主義”など許されない!」


 だが。


 白鷺優斗は静かだった。


「ですが結果は出ています」


 モニター表示。


《Eクラス接触者》

《精神安定率向上》

《対人ストレス低下》

《自然恋愛発生率増加》


 沈黙。


「従来制度より成果が高い」


 空気が凍る。



 一方。


 Eクラス農地。


 いつもの騒ぎ。


「おい藤堂!」


「なんだ」


「獅子原さんと最近距離近くね?」


「近くない!」


 その瞬間。


 獅子原が後ろから腕を組んだ。


「えへへ」


 藤堂停止。


 耳真っ赤。


「近いだろ!!」


 Eクラス爆笑。



 一ノ瀬雪乃は、その光景を見ながら笑っていた。


 本当に自然に。


「……なんかさ」


「なんだ」


「Eクラスって、“恋愛の練習場”みたい」


「練習場?」


「みんな不器用だけど」


 畑を見る。


「ちゃんと相手見てるから」


 静かな声。


「だから、少しずつ恋愛できるようになってる」


 その言葉は。


 多分、一ノ瀬自身にも向いていた。



 その時。


 監視ドローンが飛来。


《九条蓮・一ノ瀬雪乃》


《感情共鳴率測定》


「もう慣れたなこれ」


「嫌だけどね」


 一ノ瀬が苦笑する。


 そして。


 自然に俺の隣へ座った。


《同期率:96%》


 即反応。


「早ぇよ」


 すると。


 一ノ瀬は小さく笑った。


「……でも」


「なんだ」


「最近、九条くんの隣落ち着く」


 心拍上昇。


 ドローン即反応。


《感情動揺確認》


「だから反応するなぁぁぁ!!」



 その瞬間。


 校内全モニターが点灯した。


《中央恋愛省 緊急発表》


 空気が止まる。


 白鷺優斗が映る。


「本日、新制度試験導入を決定しました」


 嫌な予感。


《感情共鳴教育プログラム》


《全国試験運用開始》


 講堂レベルのざわめき。


 そして最後に。


「モデル名称は――」


 モニター表示。


《Eクラス方式》


 沈黙。


 数秒後。


「ほんとに国家モデルになってるぅぅぅぅ!!」


 Eクラス全員が頭を抱えた。

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