第二十六話 「恋愛指数革命」
翌朝。
神奈川県立統合学園は壊れていた。
主にSNSが。
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《#九条と一ノ瀬》
《#Eクラスキス》
《#感情共鳴指数過去最高》
「終わった……」
俺は机へ突っ伏した。
Eクラス食堂。
周囲は地獄だった。
「おはようキス魔!」
「やめろ!!」
柴崎が大爆笑している。
朝霧も顔を赤くしながら笑っていた。
「いやー見事だったな!」
「実況すんな!」
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一方。
一ノ瀬雪乃は完全に顔を隠していた。
「……無理」
「何が」
「全校通知」
そりゃそうだ。
監視ドローンが余計すぎた。
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その時。
校内モニターが点灯する。
《緊急速報》
嫌な予感。
《感情共鳴指数 異常上昇確認》
《全国恋愛省データベース更新》
講堂レベルのざわめき。
白鷺優斗が映る。
「皆さん、おはようございます」
その笑顔やめろ。
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「昨日、神奈川県立統合学園Eクラスにおいて」
モニター切り替え。
《感情共鳴指数:史上最高値》
Eクラス全員固まる。
「え」
「マジ?」
白鷺は続ける。
「これは従来型Lスコア制度では観測不可能だった数値です」
静かな声。
「つまり」
少し笑う。
「“自然発生恋愛”が、“管理恋愛”を上回った」
空気が止まる。
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A組がざわつく。
「そんな馬鹿な……」
「制度否定じゃないか……」
教師たちも困惑していた。
恋愛省そのものが揺らいでいる。
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一方。
Eクラス。
「……俺ら何した?」
柴崎が真顔だった。
「キスした」
「俺じゃねぇよ!」
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その時。
黒崎玲奈が旧校舎へやって来た。
珍しく少し疲れた顔。
「大変よ」
「またですか」
「中央恋愛省が混乱してる」
黒崎は端末を見せる。
《Lスコア制度見直し案》
《感情共鳴指数正式導入検討》
沈黙。
「……は?」
Eクラス全員が固まった。
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「つまり」
農業班女子が聞く。
「俺らのせい?」
「かなりそう」
黒崎が即答した。
「Eクラスの自然恋愛データが、従来理論を破壊してる」
なんだそれ。
国家転覆みたいな言い方やめろ。
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すると。
松永が静かに言った。
「焼きとうもろこしのおかげか」
「違うと思う」
「でも売上は重要」
「お前ほんとブレねぇな」
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一ノ瀬は、静かに窓の外を見ていた。
「……変わっちゃうのかな」
「何が」
「この学園」
静かな声。
「恋愛の意味とか」
俺は少し考える。
最初は全部数字だった。
でも今。
Eクラスでは。
ちゃんと笑って、
怒って、
照れて、
好きになってる。
それは多分。
点数じゃ測れない。
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その時だった。
校内全モニターが再び点灯する。
《中央恋愛省・特別通達》
嫌な予感。
《Eクラス特別公開観測継続決定》
「またかよ!!」
Eクラス総ツッコミ。
だが。
続く表示で全員止まる。
《九条蓮・一ノ瀬雪乃》
《恋愛省公認観測カップル認定》
沈黙。
「……は?」
一ノ瀬が固まる。
さらに。
《全国恋愛教育モデル指定》
Eクラス全員。
数秒停止。
そして。
「国家公認カップルになってるぅぅぅぅ!!」
旧校舎が爆発した。




