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シーズンⅤ 第八話 黒幕

 こんにちは。作者の「野生の書生」です。

 前回はレオンに向けてギルバード准将が発砲するところまでを書きました。

 今回はその続きからです。


 本作はいじめや暴力の描写を含みますので、苦手な方はご注意してください。

 主人公が理不尽な暴力や、過去のトラウマと闘いながら成長していく物語なので、お付き合いいただければ幸いです。


 この物語はフィクションです。登場人物・団体および地名等における名前や設定はAIと相談しながら決定しています。実在の人物・団体・地名等は一切関係ありませんので、ご容赦ください。

 ギルバード准将の握った銃から銃声が響き渡った。


 だが、次の瞬間ギルバード准将は右手を押さえて、うずくまっていた。

 ギルバードが引き金を引いた途端、銃が暴発し、弾丸は明後日の方に跳んでいったのだ。


 「バカな...........。どうして。」

 ギルバード准将は俺を睨んできた。


 「ここに来てから、あんたと、あんたの部下の腰につけられた銃の銃口内に小規模の火魔法を使わせてもらっていた。あんたの撃った銃の銃身は、俺の火魔法で炙られてとっくに歪んでいたんだよ。」

 俺は種明かしをした。


 俺の火魔法が届いていない銃もあるだろうが、こう言っておけば大怪我するリスクを冒してまで発砲する兵はいないはずだ。


 「クソ.........!だが、やはり私の手元に置いておきたい才覚だ。どうだ.......もう一度話し合わないか——」


 「もういいでしょう。」

 ギルバード准将の発言を遮って、男の声がした。


 部屋にいつの間にか入ってきていたのか、全身をローブで隠した男がゆっくりとこちらに向けて歩いて来ていた。


 エリオットが言っていたローブの男の出現に、俺たちは一斉に身構えた。


 「戦闘の必要はない。ギルバード君も部下に命じて、この場から全員下がらせなさい。レオン君たちもだ。一旦剣をしまいなさい。」

 有無を言わさぬその声に、ギルバードの部下たちも、カイルたちも、武器を収めた。


 ——素顔はよく見えないが、俺はその声に聞き覚えがあるような気がしていた。


 「レオン君たちには見せたいものがある。ついてきなさい。」

 ローブの男はそう言うと、本棚の方に向き、何かの操作を始めた。

 本棚が動き出すと、地下実験室からさらに下に降りる階段が現れた。


 「お待ちください。私も同行します。」

 ギルバード准将がローブの男に行った。


 「無用だ。君たちはここにいたまえ。」

 ローブの男はそう告げると、階段をゆっくりと降りて行った。


 俺たちはローブの男について行き、地下室の階段を降り始めた。


   ◇


 階段を下り終わると、先ほどとは対照的に中世のような雰囲気に戻った鉄扉があった。


 「この先は私専用の研究室だ。」

 ローブの男はそう告げると、扉をゆっくりと開いた。



 鉄扉の向こうは、先ほどではないがやはり大きめの部屋が広がっていた。


 ひと際目を引くのは部屋の一角に積まれた大量の魔石——いや、掘り出したままの魔石ではなく、加工されて魔力を濃縮された、いわば”超魔石”とでもいうべきものであった。

 その山は通常の魔石とは比べ物にならないほど強烈な光を発して、部屋全体を照らしていた。


 一体どれだけの魔石を集めてこの山を作ったんだ?


 俺たちは部屋のあちこちに目を凝らす。

 魔石の山の向こう側に、奇妙な魔道具というか、機械のようなものが置かれている。

 あれが新兵器か?


 俺たちがそんなことを考えていると、ローブの男は突然声をあげた。


 「やっと...........。やっとここまでたどり着いた........。」

 その肩は小刻みに震えていた。

 ローブの男はおもむろに羽織っていたローブを脱ぎ捨てた。

 その素顔が露わになって、俺は新兵器の存在以上の衝撃を受けていた。


 声を聞いたときから、まさかとは思っていた。

 だが、本当にそうだとは——。

 

 ローブの下から現れたその顔は、生前俺に何度も声を掛けてくれた、千石先生のものであった。


   ◇


 ふざけるな。

 俺は心の中でそう叫んでいた。

 この世界で出会う人間の外見について、俺はこれまで何度も驚かされてきた。

 だが、よりにもよってなんでお前のような悪党の外見にあてがわれるのが、千石先生なんだ。


 俺はローブの男に対してというよりも、この世界の仕組みそのものに対する怒りを感じていた。

 その怒りに身を預けたまま、俺は剣を抜いて、千石先生の顔をした男の方に突進していた。

 無防備すぎるその突進に、背後から仲間たちの声が上がっていた。


 「レオン!」

 「レオン様!」

 「レオン殿!」


 だが、俺は止まらない。

 お前のような奴が、俺の恩師の、千石先生の顔を使うんじゃない——!


 だが次の瞬間、俺の体は硬直した。



 「久しぶりだね。会いたかったよ、羽沢君。」



 千石先生の顔をしたその男は、俺の方を見ながら間違いなく、生前の俺の名前を口にしていた。


 その顔は優しさをたたえた笑顔でありながら、どこか悲しさを含んだような目で、俺のほうに向けられていた。


 第八話もお読みいただき、ありがとうございました。


 ついに、この場面までたどり着きました!

 作者としても、ここまでたどり着けたことに喜びを感じています。

 物語はもう少し続きますので、引き続き応援のほど、よろしくお願いいたします。


 次回は2026年10月11日21時10分に公開予定です。


 この物語が面白いと思っていただけた方は、評価や感想、ブックマーク等で応援していただけたら幸いです。

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