シーズンⅣ エピローグ 船室の夢
こんにちは。作者の「野生の書生」です。
前回は甲板でのレオンとクロエのやり取りを書かせていただきました。
今回はその続きでシーズンⅣのエピローグとなります。
本作はいじめや暴力の描写を含みますので、苦手な方はご注意してください。
主人公が理不尽な暴力や、過去のトラウマと闘いながら成長していく物語なので、お付き合いいただければ幸いです。
この物語はフィクションです。登場人物・団体および地名等における名前や設定はAIと相談しながら決定しています。実在の人物・団体・地名等は一切関係ありませんので、ご容赦ください。
セレストロス商会の手配した船で揺られること二日。
明日には王都の港に着岸できる見込みだそうだ。
俺は今、自分の寝室で夢を見ていた。
——前世の記憶に基づく夢だった。
◇
高坂によるホームルームが、俺のつるし上げの会にさせられたあの日、俺は絶望した表情で廊下を歩いていた。
「なんなんですか、それは!それじゃあ羽沢君があんまりじゃないですか!」
俺が職員室の前を通った時、中から怒声が聞こえた。
俺は少しだけ顔をのぞかせる。
高坂に丸め込まれてホームルームを進行した俺の担任に、別の先生が怒鳴っているようだった。
——千石先生だった。
千石先生は、物理の先生だ。
よく白衣を着ていて、理科室にこもっては何かの本を読んで、実験を楽しんでいるようだった。
「あいつはマッドサイエンティストだろ。」
生徒たちからも、一部の先生からもそんな風に言われている、少し変わった先生だった。
もっとも、本人はそんな評判なんてまったく気にしていない様子だったが。
千石先生はよく、俺に声を掛けてくれていた。
あの時は、自分に降りかかる災厄で頭がいっぱいで、先生が俺に声を掛けてくれた理由を考えることができず、俺は最後まで千石先生の呼びかけに応えることができなかった。
『あなたは居場所がなかったんじゃない。』
ルミナの声がどこからかしたような気がした。
◇
その声に目覚めさせられるように、俺はベッドから飛び起きていた。
俺はあたりを見回したが、もちろんルミナの姿はどこにもない。
「夢か............。」
俺は窓の外がまだ暗いことを確認すると、もう一度ベットに横たわり睡眠に入った。
今度は何の夢も見ることもなく、眠ることができた。
◇
太陽が昇り始めたころ、再び目が覚めた俺は甲板に出た。
「あ、レオン!おはよう!」
クロエはやっぱり早起きだ。
「見て見て!王都の港が見えてきたよ!」
クロエが指をさすほうに目を向けると、確かに港が見えてきていた。
「あら、二人とももう起きていたのね。」
エレナが甲板に出てきて声を掛けてきた。
「おはようございます。レオン様」
アリアも続いてきた。
「おはようございます。レオン殿」
カイルはかっちりと身なりを整えて姿を現した。
——いったい何時から起きていたんだ?
「いやー。やっぱ船は慣れねぇわ。マジ気分悪ぃ・・・・」
対照的に、ぐったりとしたジークフリートも甲板に出てきた。
全員、朝日に照らしだされた王都の景色を前にして、これから始める新たな冒険の幕開けを予感していた。
シーズンⅣエピローグまで読んでいただきありがとうございました!
シーズンⅣのストーリーは詰め込みたい要素が多かったため、他のシーズンよりも長くなってしまいましたが、これにて無事完結です。
さて、レオン達一行の冒険は再び、王都を舞台にしたものになるわけですが、引き続きお付き合いいただければと思います。
【次シーズン】
シーズンⅤプロローグは2026年10月9日7時10分公開予定です。
第一話から改めて読み返してみましたが、最初の方は行間の使い方が統一されておらず、スマホ等では少々見づらい文章になってしまっていたことに気づかされました。
誤字・脱字含めて随時修正していきますので、今後ともよろしくお願いします。




