↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/73

幕間(第三話⇔第四話) 朝日とともに

 こんにちは。作者の「野生の書生」です。

 前回は、主人公がクロエとともに王都に向かうことを決める場面までを書きましたが、今回は第四話に進む前に「幕間」のエピソードを挿入させていただきました。


 本作はいじめや暴力の描写を含みますので、苦手な方はご注意してください。

 主人公が理不尽な暴力や、過去のトラウマと闘いながら成長していく物語なので、お付き合いいただければ幸いです。


 この物語はフィクションです。登場人物・団体および地名等における名前や設定はAIと相談しながら決定しています。実在の人物・団体・地名等は一切関係ありませんので、ご容赦ください。

 翌朝、俺は目が覚めると自分の体がすごく軽くなっていることに気が付いた。

 三か月間、魔物の肉を食らって、洞窟の中で夜を明かしてきた俺にとっては、夕べの食事と一晩の睡眠は、まさに極上のおもてなしであったのだから、当然ではあった。 

 ——ただひとつ、前世のトラウマを呼び起こす出来事を除いては。

 俺はベッドを出ると、目をこすりながら寝室を出た。


 「あ、おはよう!レオンっ!」

 クロエは俺を見つけると、今日も元気いっぱいといった様子で声をかけてきた。

 

 

 「あ、ああ。おはよう。」

 俺は少し腰が引けたが、なんとか挨拶を返した。

 

 <こんなんで俺、王都まで持つのか?>

 俺は人知れず不安を抱いていた。


 食卓には朝食がすでに並んでいた。

 クロエは先に起きていたはずなのに、俺が起きてくるのを待っていたようだった。

 俺が席に着くとクロエはニコニコと俺の顔を見てきた。

 悪意のない笑顔。わかっていても俺の背筋には冷や汗が流れていた。


 俺は朝食のパンとサラダ、そしてスープを口に運んだ。


 「あ、これうまい.........。」

 スープを口にしたとき、俺は思わずつぶやいていた。

 

 そのつぶやきを聞いたクロエは、一気に笑顔を咲かせて「やったー!」と叫んでいた。


 クロエの声を聞いた俺は思わず硬直していた。

 <まさかスープに何か盛ったのか!?>

 俺は心の中で叫んでいた。


 「そのスープ、私が早起きして台所を借りて用意したんだよ!」

 クロエは嬉しそうに言っていた。


 俺は<ああ、そういうことか。>と一息ついた。

 それと同時に胸の中に猛烈な罪悪感が宿った。

 目の前の純粋な少女は、俺のために早起きして朝食を用意してくれた。

 それだけでなく、なんの足しにもならない俺の感想を聞いただけで、あんなに嬉しそうにしてくれている。

 それなのに、俺はクロエのことをまっすぐに見ることができず、何かを盛られたなどと不穏な想像をしてしまっていたのだ。


 「レオン.........?」

 クロエが怪訝そうに俺の顔を覗き込んでくる。

 

 「い、いや。何でもない。本当にありがとうな。クロエ。」


 俺はクロエに申し訳なさを感じながらも、心の底から感謝を伝えたつもりだった。

 それなのに、クロエの顔に重なって、俺の目には「稲木凛花」の幻影が見えてしまっていた。


 幕間(第三話⇔第四話)をお読みいただきありがとうございました。

 王都に向けての旅立ちの前に、二人の距離感をもう一度整理する意味もこめて、幕間の物語を執筆させていただきました。少女の純粋な想いも、ストレートに受け取ることができない主人公ですが、ここからの旅路で変わることはできるのでしょうか。


 引き続き、第四話もお楽しみいただければと思います。

 第四話は一時間後(2026年9月19日13時10分)に公開予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。