シーズンⅣ 第二話 自警団
こんにちは。作者の「野生の書生」です。
前回はクロエの過去についてのエピソードでした。
今回からアソシラス村が舞台となります。
本作はいじめや暴力の描写を含みますので、苦手な方はご注意してください。
主人公が理不尽な暴力や、過去のトラウマと闘いながら成長していく物語なので、お付き合いいただければ幸いです。
この物語はフィクションです。登場人物・団体および地名等における名前や設定はAIと相談しながら決定しています。実在の人物・団体・地名等は一切関係ありませんので、ご容赦ください。
あくる日、俺たちはアソシラス村の入口に到着していた。
王都から早馬で伝令が伝わっていたこともあり、村はすでに警戒態勢が敷かれていた。
当然、俺たちも厳重な身分チェックを受けることになったわけだが、俺のことをチェックし始めた村の門番の顔にはどこか見覚えがあった。
どこで会ったんだったか?
俺は記憶を手繰り寄せて、前世の学校の門にいた警備員の顔を思い出した。
——本当にこの世界はどうなっているんだ?
これまでは自分の記憶に強烈に残っている人物の顔と、この世界では遭遇する可能性があるのだと思っていた。
だが、目の前の警備員の顔には、特に印象に残る出来事はなかったはずだ。
ボディチェックを受けながら、俺はそんなことを考えていて、気が付いたら全員チェックを終えて入村を許可されていた。
「レオン!早く行こう!」
門をくぐったクロエが手を振ってくる。
「ああ。すぐ行く。」
俺は警備員——門番の男に軽くお辞儀をすると、クロエたちの後を追って走り出した。
◇
入村した俺たちはまずはアソシラス村の村役場に向かった。
村役場は中心部にあり、古びた石造りの建物が村の歴史の深さを物語っていた。
俺たちが到着すると、役場の前にはすでに村長が出迎えに来ていた。
村長は俺たちが来た理由もすべて把握していて、俺たちを歓迎してくれた。
「レオン様ですね。お待ちしておりました。王都から最高の冒険者を派遣していただけたということで、村を挙げてレオン様にご協力させていただきます。」
村長は丁重に挨拶してきた。
「村長殿。早速で申し訳ないが、時間がない。村の警備計画について話し合いたいから、部屋を貸してもらえるか。」
カイルが村長に言っていた。
「もちろんです。どうぞ、こちらへ。」
俺たちは役場の建物内に案内された。
◇
村長から説明された村の警備計画はこうだ。
ひとつ、戦力は俺たちを除くと村の自警団約三百名と消防団二百名。
——自警団は騎士団の研修を受けたこともある精鋭だが、消防団は人命救助が主な役割である。
ひとつ、自警団は村に通じる四か所の門に三交代制で配置する。
ひとつ、敵が門を迂回した場合に備え、消防団が村内各所に設置された火の見櫓に陣取り、異常があれば赤い狼煙を上げる。
ひとつ、子供や高齢者はあらかじめ村の中心部に集まってもらい、別途自警団がこれを警備する。
村長曰く、俺たちは固定された役割を与えるよりも遊撃要員として自由に動けるようにした方がいいだろう、ということだった。
俺は警備計画に異論はなかった。
ただ、ジークフリートは一点指摘した。
「村の外周を哨戒したい。奴らの接近を早めに察知できれば俺らも迎撃態勢が取りやすくなる。人的な余裕があれば、だがな。」
「わかりました。その役目、わが第四自警団がお受けしましょう。」
部屋に入ってきた少年のような顔をした男が言っていた。
「おお、お待ちしておりました。」
村長が男に向かって言った。
「紹介します。こちら第四自警団団長のマックスです。」
村長が俺たちに言った。
「マックスです。よろしく。」
マックスと呼ばれた男は俺に手を差し伸べてきた。
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
俺はその手を握り返す。
だが、マックスと呼ばれた男は、俺の手を離すと俺から視線を外していた。
——なんだ?
マックスの視線の先を追ってみると、クロエがいた。
「まさか………。クロエか?」
マックスはそう言っていた。
「もしかして、マックス?」
クロエも返事をした。
ジークフリートは何か始まりそうだと、ニヤリと笑い二人の方を見ていた。
第二話もお読みいただき、ありがとうございました。
今回からクロエの故郷が舞台となります。
クロエの故郷ということで、クロエのことを知っている人物を登場させようと思い、マックスというキャラクターを投入してみました。
次回は2026年10月2日21時10分公開予定です。
高評価や感想、ブックマーク等いただけましたら作者にも気合が入りますのでよろしくお願いします。




