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シーズンⅣ 第一話 前夜会議第二部

 こんにちは。作者の「野生の書生」です。

 前回はカイルの口から新たな”敵”の存在について語られました。

 今回はその続きからです。


 本作はいじめや暴力の描写を含みますので、苦手な方はご注意してください。

 主人公が理不尽な暴力や、過去のトラウマと闘いながら成長していく物語なので、お付き合いいただければ幸いです。


 この物語はフィクションです。登場人物・団体および地名等における名前や設定はAIと相談しながら決定しています。実在の人物・団体・地名等は一切関係ありませんので、ご容赦ください。

 アソシラス村に入る前日の会議が終わると、俺たちは各々の部屋に向かっていた。


 「ねえ、レオン。ちょっといい?」

 寝室に向かおうとしていた俺を、クロエが呼び止めた。


 「どうした?クロエ。」

 俺はクロエの方を振り向いた。


 クロエは少し照れくさそうな表情を浮かべていた。


 「少し、お話したいの。ちょっと来てくれる?」

 クロエは自分の部屋に俺を招き入れた。


   ◇


 宿とはいえ、女子の部屋に入るのは緊張する。

 俺は部屋の椅子に腰を掛けると、クロエの方を見た。


 クロエは部屋の中を行ったり来たりしながら、どこから話そうかと思案しているようだった。


 「あのね。みんなが真剣な話をしているときに、こんな相談で悪いんだけど……。」

 クロエがベッドの上に座ると、口を開いた。


 「村を出る前の話なんだけど。私ね、『冒険者になりたい。』って両親に言ったら、ものすごい反対されたんだ。村の中で、少し水魔法が上手く使えるからって調子に乗るんじゃないって………。」


 初めて聞く話だった。俺は続きを待った。


 「それで、お母さんとは何回も話して。納得してくれたわけじゃないけれど、最後は王都までの馬車代を渡してくれたんだ。だけど、お父さんは最後まで反対していた。『行くなら俺を倒してから行け!』なんて言って……。で、結局私は朝出発するって言っていたのを、夜中に置手紙だけして出てきちゃったんだ。」


 アリアの話と少し被った。


 「だから、アリアのお父さんがアリアの決めたことを最後は尊重してくれていたみたいだから……。ちょっとうらやましかったんだ。私は、もしも家に帰ったら……、お父さんも、お母さんも……、『親不孝な娘が今更なんだ』って言われそうで……。」

 クロエはそういうとうつむいて、何も言わなくなってしまった。




 「クロエ。俺は、クロエの両親のことは会ったこともないし、クロエの気持ちを全部理解することはできない。」

 俺は、内心迷いながら慎重に言葉を選び続けた。


 「だけど、クロエのお母さんも、お父さんもクロエの夢を邪魔したくて冒険者になることを反対したわけじゃないんだろう?確かに挨拶もしないで出て行ったのは賛成できないけど……。クロエの身を本気で案じて、本気で向き合おうとしていた両親だったのなら……多分、今もクロエのことを待っているんだと、俺は思うよ。」


 俺は、突然の事故死で両親と別れて、あの世界から旅立ってしまった。

 俺はもう、どんなに後悔しても両親に謝罪も感謝も伝えることはできない。


 だけど、クロエはまだ間に合う。まだ、両親と面と向かって話をすることができる。

 なにより、クロエも両親ともう一度話したがっている。

 ——だったら、俺はその背中を押してやりたい。


 「そうだよね。少し元気出た。」

 クロエは顔を上げて、そういった。


 「明日、村長さんのところに行ったあと……。家にも顔、出してみる。お父さん、レオンみたいに『ギャアァァァ!』って大声出すかもしれないけど。」

 クロエはいたずらっぽく笑ってそう言った。


 「ほっとけ。もう寝るぞ。」

 俺は椅子から立ち上がり、部屋を出ようとした。



 「……ありがとう。」

 枕を抱きしめながら、クロエはポツリと言っていた。


 俺はドアに手をかけた状態でクロエの方を振り返った。


 「………なんか言ったか?」


 「なんでもない!お休み!」

 クロエはそういうと、ベッドに横になり体ごとそっぽを向いてしまった。


 「ああ、お休み。」

 俺はクロエの部屋を出た。


   ◇


 「ま、ばっちり聞こえていたんだけど。」

 廊下を歩きながら俺はつぶやいた。たまには俺がからかう側に回ってもいいだろう。


 俺は自分の部屋に戻ると、ベッドに横になった。


 「クロエの故郷か………。どんなところなんだろう。」


 そんなことを考えていると俺はいつの間にか睡魔にとらわれていて、そのまま眠ってしまっていた。


 第一話を読んでいただきありがとうございます。

 シーズンⅣは、執筆開始時点ですでにシーズンⅠの公開が始まっているので、読者数を気にしながら執筆しています。

 幸いPV数も伸びているので、モチベーションを維持したまま執筆活動ができています。この物語にお付き合いいただいている皆様には感謝しかありません。


 さて、次回はいよいよアソシラス村入りということで、引き続きよろしくお願いします。

 次回は、2026年10月2日7時10分公開予定です。


 高評価・感想・ブックマーク等いただけましたら、作者も気合が入りますのでよろしくお願いします。

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