シーズンⅣ プロローグ 前夜会議
こんにちは。作者の「野生の書生」です。
今回から、シーズンⅣの開幕です。
引き続き、レオン達の冒険譚にお付き合いいただけたらと思います。
本作はいじめや暴力の描写を含みますので、苦手な方はご注意してください。
主人公が理不尽な暴力や、過去のトラウマと闘いながら成長していく物語なので、お付き合いいただければ幸いです。
この物語はフィクションです。登場人物・団体および地名等における名前や設定はAIと相談しながら決定しています。実在の人物・団体・地名等は一切関係ありませんので、ご容赦ください。
アソシラス村到着前日の夜、宿で机を囲んでいた俺たちは、カイルの説明の続きを聞いていた。
「『黒い天秤』に利益供与していたのは“セレストロス商会”だ。」
セレストロス商会はソルティア王国でも指折りの規模を誇る商会だ。
傘下に数多くの事業を抱えて、貴族はもちろん庶民の日用品に至るまで取り扱っている。
「あの商会がねぇ……。社長はずいぶんな人格者だって評判だったが?」
ジークフリートが言う。
ジークフリートも「黒い天秤」へのセレストロス商会の関与は知らなかったようだ。
セレストロス商会の社長は、事業規模を拡大する傍ら、社会貢献活動も積極的に取り組んでおり、王家からの信頼も厚かった。
俺はカイルが続けるのを待った。
「正確にはセレストロス商会の本体じゃない。『黒い天秤』への関与は、その傘下にある派遣会社“セレストロスHR”が主導していた。セレストロスHRの社長は親会社の三男坊だ。」
カイルは言った。
セレストロス商会本体が社会貢献に励む一方、後継者として社長は自身の三兄弟にそれぞれ傘下の事業を託していた。
ところが三男坊の”エリオット”は兄たちに勝ちたい一心で、魔石密売等の法令を無視した事業展開を強行するようになった。
父親が再三諫めたにも関わらず、彼の体質は変わらないまま、今度は派遣事業と称して反社会的勢力を抱え込み、奴隷狩りを展開しようとしているということだ。
そして莫大な利益を上げる傍ら、摘発を免れるために腐敗貴族連中に利益供与を行っていた、という構図らしい。
「魔石密売組織にもそいつが関わっていたのか?」
俺は聞いてみた。
「ああ。ギルドを通さずに魔石を流通させるルートを管理していたのは、エリオットだろう。拘束した『黒い天秤』の一人が言っていたが、エリオットは一年ほど前に魔石の大型需要の話を『黒い天秤』を通じて魔石密売組織に持ち込んできたって話だ。」
カイルが答えた。
ジークフリートが反応した。
ジークフリートが「黒い天秤」から足を洗ったきっかけの話をした時にも、似たことを言っていた。
一年ほど前に突如舞い込んだ魔石の大型需要。その話に反応した「黒い天秤」幹部の会話から、ジークフリートは自分の友人の死に、「黒い天秤」がかかわっていることを知ったのだったか。
「エリオットの所在は分からないのですか。」
エレナが質問した。
「『黒い天秤』の摘発が始まったころから、消息不明だ。貴族の後ろ盾を失った今、違法な事業をたたんで、大人しくしているものかと思ったが。休眠状態に入る前に一儲けしておこうという腹積もりなのかもしれん。」
カイルが呆れたように言っていた。
セレストロスHRにはすでに騎士団が強制捜査に入っていた。
事務所はもぬけの殻で、すべての書類は暖炉にくべられていたというのだから、お手上げである。
「とにかく、アソシラス村にエリオットとその一派が訪れる可能性は高い。明日村に入ったら、村長と接触して警戒態勢に入る。」
カイルの説明はそこで終わった。
俺たちは明日に向けて、早めの就寝をとることにした。
シーズンⅣのプロローグも手に取っていただきありがとうございました!
今度はクロエの故郷が舞台ということで、作者もその雰囲気をなるべく丁寧に書けるよう努力したいと思います。
今シーズンはこれまでのシーズンより若干話数が増えますが、お付き合いいただければ幸いです。
第一話は2026年10月1日21時10分公開予定です。
高評価・感想・ブックマーク等いただけたら今シーズンも頑張れますのでよろしくお願いします。




