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シーズンⅢ 第三話 調査

 こんにちは。作者の「野生の書生」です。

 前回はレオンがなにかを思い付き、クロエたちに”調べたいこと”の提案をするところまで書きました。

 今回はその続きからです。


 本作はいじめや暴力の描写を含みますので、苦手な方はご注意してください。

 主人公が理不尽な暴力や、過去のトラウマと闘いながら成長していく物語なので、お付き合いいただければ幸いです。


 この物語はフィクションです。登場人物・団体および地名等における名前や設定はAIと相談しながら決定しています。実在の人物・団体等は一切関係ありませんので、ご容赦ください。

 アリアのいう”最後の冒険”、「鉱山の所有者」への調査は四日後に行われることとなった。


 まあ、俺が「明日は都合が悪い。」といい、

 クロエが「明後日はちょっと.......。」といい、

 エレナが「この三日間は.......。」といって調査の日程を先延ばしにしたからだ。


 つまりは、アリアがパーティに在籍できる時間を引き延ばすためと、俺たちが公爵家に関する調査をするための時間稼ぎだ。

 その間、俺たちは各々グランツ公爵に関することを、それぞれのアプローチで調査していた。


 ——そして三日目。

 俺とクロエとエレナとジークフリートは、それぞれの調査結果を報告すべく、再び彼の屋敷の応接室に集合していた。


 まずは俺の報告からだ。


 「俺たちが鉱山に行ったときに一泊目に泊まった宿にもう一度行ってみた。」

  

 「で、そこの従業員に聞いてみたけど『ここにはお偉いさんなんかめったに来ない』って言っていた。グランツ公爵の念写も見せたけど『誰だそりゃ。』って反応だった。」


 俺の報告を皆、真剣な面持ちで聞いていた。



 ——続いてクロエとエレナだ。


 「公爵邸のお屋敷の人たちにそれとなく聞いてみたけど、『グランツ公爵閣下が五日以上家を空けたことなんて、ここ何年もなかった。』って言っていた。」



 ——最後にジークフリートだ。


 「貴族連中に『グランツ公爵を王都でしばらく見かけなかった期間はないか。』って聞いてみたけど、こちらは有力な答えは得られなかったよ。」



 確証はないが、これで一つの仮説は立った。


 念写がいつの時点の風景かは分からないが、鉱山が閉山された時期から逆算すれば、「黒い天秤」のやつらがあの鉱山に接近したのは、この一年前後のはずだ。

 王都からあの鉱山まで行くのに片道三日。

 つまり、グランツ公爵があの場所にいるには、屋敷を最低六日以上空けなければならないはずだ。

 しかもそれは最短距離で行った場合である。

 王都から鉱山まで最短距離で行くなら使うであろう宿にも確認したが、グランツ公爵を知るものはいなかった。

 ジークフリートは有力な答えを得られなかったと言っているが、それはつまりグランツ公爵が目立って王都を不在にしていた期間がないことを裏付けている。

 

 ——つまり、念写のグランツ公爵は”偽物”の可能性が高い。



 ジークフリート達も同じ結論に達したようだ。


 俺たちはアリアに”悲しい報告”をしないで済みそうなことに、ひとまず胸をなでおろしていた。


 「とりあえず、これで一つ安心材料ができた。明日カイルにも相談してみよう。」

 俺はいきなりアリアにこのことを伝えるのはどうかと思ったので、まずはカイルの意見を聞くことにしようと思ったのだ。


 「........そうだな。堅物のあいつにはちょっと荷が重いかもしれんが。」

 ジークフリートは言った。

 

 グランツ公爵に潔白の可能性が出たことで場の空気が少しだけ和らいだ。

 ——その時だった。


 「失礼します。」

 ジークフリート家の執事がドアをノックした。

 

 「どうぞ。」

 ジークフリートが応じる。

 

 「実は、いま表にグランツ公爵家の遣いの者が来ておりまして......。カイル様と申しておりますが。」

 俺たちは顔を見合わせた。ちょうどいいタイミングだ。


 「構わん。通せ。」

 ジークフリートは執事に言った。 

 

 「かしこまりました。」

 執事が出ていく。


 ほどなくして、執事につれられてカイルが俺たちの目の前に現れた。

 だが、部屋に入ってきたカイルの顔は、今までに見たことがないほど青ざめていた。

 肩で息をして、一刻も早く俺たちに何かを伝えようとしてきたことが一目でわかった。


 「おい、どうした。なにがあったんだ。」

 俺は聞いた。


 「アリア様のお父上が、グランツ公爵閣下が................聖騎士団に連行された。」


 カイルの言葉に、俺たちは鈍器で頭を殴られたような衝撃を覚えていた。


 第三話も読んでいただきありがとうございました。

 今回はグランツ公爵が潔白か否かについての話を書かせていただきました。


 実は作者も離れて暮らす実家の家族から、「そっくりさんを見た。」と言われたことがありました。

 いや、僕ずっと自分の住んでる町にいたんだけど......。

 顔つきも服装もよく似ていたそうですが、全く身に覚えがありませんでした。

 世の中には似ている人というのが少なからずいるようです。

 ※ なにかを疑われていたわけではありません。


 さて次回は、2026年9月26日21時10分、公開予定です。


高評価・感想・ブックマーク等いただけましたら、作者の励みになりますので引き続きよろしくお願いします。

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