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7 俺が受けているクエストには上位互換が出てくる

カクヨムで週別ランキング異世界ファンタジーランキング2117位になりました!

俺たちは三人パーティー(最恐)初のクエストを受けている


「フィデリアさん、足手まといにならないでくださいね。」


「あんたこそ、なまっているんじゃない。胸に無駄な肉がついているし、動きにくそうだわね。」


「負け惜しみですか?随分とあなたのはかわいらしいですね。」


リリーさんがフィデリアの胸を見る

確かに、小さい方なんて言えるかぁぁぁ!


やめてくれ

これだから3人でパーティーは嫌だったんだ


「・・・お願いだから、二人ともやめて・・・。」


俺が言うとようやく二人は矛を収めた


* * *


俺たちが受けたクエストはCランクのクエスト

異なるランクの冒険者が共にクエストを受けるとき、もっともランクの高い冒険者の一階級下のランクまでしか受けられないからだ


「皆さん、気を付けて。今回のクエストで倒す魔物はグリフォンです。」


リリーさん、グリフォンってあのグリフォン!?

俺、速すぎて反応できなくて輪切りだろ


「気を付けなくてもいいんじゃない?」


は?

何言ってんのフィデリア

てか、なんでこっち見て言ってるの


「フィデリアさん、油断してたら死にますよ。私はその方がうれしいですが。」


ちょっと、リリーさん!?

あのピュア美少女がこんなヤンデレに・・・・

俺のリリーを返して!


刹那、強風が吹いた

森がざわめき、小鳥が飛んで逃げていった


空を見上げると、グリフォンがいた


* * *


鷲のような上半身に、獅子のような下半身

間違いない、グリフォンだ

しかも黄金の羽毛を持っている


何でグリフォンがCランクなんだ?

ミノタウロスはBランクなのに


「リリーさん、なぜ、グリフォンがCランクなんですか?あれ、どう見てもBランク以上・・・。」


「れ、レオさん・・・あの、あれ、ただのグリフォンじゃないです。」


震える声でリリーさんが続けた


「普通のグリフォンは2メートルくらいですし、羽毛は茶色です。動きは速いですが、爪の攻撃しかできないですし、それ自体の威力も弱いです。だから、Cランクなんです。」


「じゃあ、あれは?」


「あれは、エンペラーグリフォン、Aランク相当のモンスターです。」


え?

なんかさ、俺がクエスト受けると必ず上位互換が出てくるみたいな決まりあるの?

でも、やるしかないよな


「何びくびくしてんのよ。どうせ逃げられやしない。なら、戦いましょう!」


足を震わせながらフィデリアが檄を飛ばす


「は、ハイ!」


俺たちは腹をくくってグリフォンと対峙した


* *  *


グリフォンは上空にいる

だから、まずはリリーさんの魔術で地へ落とす


「汝を見つめし氷霊よ。そなたの吹きし、凛烈を我に分け与えん。」


「アイスレーゲン!」


無数の氷柱がグリフォンへと放たれる

アイスレーゲンは上級魔法だ

だがしかし


「ぎゃぉぉ!」


グリフォンが翼を羽ばたかせると、暴風が発生し、氷柱は消し飛ばされた


「なっ・・・。」


動揺したリリーさんにグリフォンが突撃する


「油断するなってあんたが言ったんでしょうが!」


キィィィン

ギギギ・・・パキィィィン


間一髪、グリフォンの爪をフィデリアが剣で受け止め、リリーを守った

しかし、剣は折れてしまった


「っつ・・・レオ!あれじゃ倒せないの?」


インヴィジブル・ウィンド・ブレイドか

駄目だ、あの一撃じゃ、倒しきれない

常に風を起こしているグリフォンに対抗しようと思ったら、常時、魔法を発動しなければならない


でも、俺の魔力量じゃ無理だ

・・・ん?待てよ

ずっと気になっていたんだが、俺たちが消費した魔力はどうやって元に戻っている?


「リリーさん」


「はい」


「魔力って、どうやって俺たちは補給しているのですか?」


「今、それどころじゃ・・・。」


「いいから教えてください!大事なことなんです。」


「・・・わかりました。魔力は大気中の魔素を無意識に取り込むことによって補給しています。補給量には個人差はありますが。」


なるほど

なら、意識的に魔力を補給できたら、一時的にではあるが、俺も魔力量を高められるのではないか


以前の鍛錬で、魔力を極限まで分解することはできてるから、魔素を操る感覚は何となくつかんでいるはずだ


「リリーさん。少し時間稼ぎをお願いします。」


「・・・わかりました。」


リリーさんは察してくれたようで、グリフォンの気を引き付けてくれている

しかも上級魔法を出し惜しみなく使ってくれている


(絶対に成功させなければ)


俺は意識を集中させ、大気中の魔素を集めていった


(やっぱり、魔素を集めることができる。あの鍛錬は無駄じゃなかった)


本当はあれを試したいが危険だし、よし、決めた!


ゴォォっと周囲から魔力が集まったことにより、風が発生した

自分の魔力が高まっていく感じがした

体内に、魔力が満ちる!

これなら、グリフォンにも通じる


俺はとっさに思い付いた詠唱を始めた


新人講習の時に、教官が言っていた

詠唱を間違えるときがあるかもしれない

だが、それでも間違ってもいいから詠唱しろと


詠唱することによって、魔力出力が上昇するらしい

ならば、思い付きでも詠唱した方が火力が上がるはずだ


「汝に旋風の加護を与えよ。空を斬り、万物を塵へと変えろ!」


俺の周りに風が起こり始める


「インヴィジブル・インフィニット・シュレッディング!」


刹那、周囲のすべてが切り刻まれ、塵と化していく

それでも俺は刻み続ける

木々も、草も、岩もなにもかも


「ギャァァ!」


グリフォンもなすすべなく塵となった


「か、勝った・・・・。」



(本当は電磁砲みたいな火力技を試したかったけど、そんなことしたら一帯が吹き飛ぶし、またの機会にしよう。まぁ、何とかなったしよかった。)



俺がそっと胸をなでおろした時


「レオさん・・・。」


あああああああああああ!

リリーさん、俺が以外と戦えるの知らないじゃん

いや、あの不能男を倒した時に、でも、あれは下級魔法だし・・・


「えーっとですね、これは、あの・・・」


フィデリアはそばであきれてため息をついている


(助けて、フィデリア!)


終わった

リリーさんは爆破事件のことを知っている

俺が力を何故隠しているか、その事件と結び付けてくる可能性は高い


だが、その心配は杞憂に終わった


「さすがレオさんですっ!私のレオさんはやっぱりすごいんです!みんな、弱いっていうけどそうじゃなかった。かっこよすぎます!」


そう言って、リリーさんは俺に抱き着いてきた

思わず、俺は赤面した


「ちょ、リリーさん、いきなりされたら照れます・・・。」


「えへへ///いいじゃないですか・・・ところで、何でフィデリアさんは驚いてないんですか?」


あ、やべ


「こいつが実力隠してるの前から知ってたからよ。」


「へぇ~・・・レオさん、一緒に住んでる私には隠してたのに、フィデリアさんには言ってたんだ・・・。」


リリーさんの目からハイライトが消えた

抱きしめる力も強くなっている


「リリーさん、俺だって、フィデリアに話すつもりはなかったんです。でも、バレちゃって・・・。」


「なるほど・・・それなら仕方ないですね。でも、もう一つ聞きたいことがあります。」


「なんでしょう・・・。」


「なんで、フィデリアさんは『フィデリア』と呼んでいるのに、私のことは『リリーさん』と、さん付けしているのですか?」


いや、前からそうだからさん付けしてるだけだし、フィデリアにさん付けする気分じゃないからしてないだけなんだけど


「あんたよりも私の方が話しやすいからかしら?」


フィデリアはリリーの胸の大きさマウントでイライラしていたからそう言ったのであろう


それはわかるのだが、言うタイミングが悪すぎる


「へぇ・・・・もう一度言ってください。」


リリーさんが魔法発動準備を始めた


「何度でも言ってやるわよ。」


フィデリアも剣を構えた


(ああ、もうおしまいだぁ・・・)


エンペラーグリフォンを撃破し、助かったと思ったのに、今度はヤンデレとツンデレの最恐の戦いが始まってしまった


Aランクモンスターよりもヤンデレとツンデレの方が怖いのかもしれない

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