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32 この人には敵わない

pv増えてきました。

ありがとうございます!

「それでは、新しい門下生を紹介する。」




「レオ・クラインです。よろしくお願いします。」




エルターンがレオを門下生を集めて紹介した




「じゃ、レオ、お前はまず、門下生たちと打ち合ってもらう。」




「わかりました。」




「あ、魔力使えよ。」




「え?ドーピングしない方がいいんじゃ・・・。」




「お前は今すぐ強くなりたいんだろ?」




何で分かった?




「図星みてぇだな。・・・最近、魔人が出たと聞いた。そしてこのタイミングでお前がここに来たってことはそういうことだろ?確かに剣のみの実力を上げることだってできるが、お前が剣のみで強者と渡り合うには数年かかる。即戦力になりてぇなら魔力ズルも使った方がいいだろ?それに閃辰流の技を合わせたほうがお前は強くなる。」




なるほど


確かに俺は剣の素質があるわけではない


というか、ない




魔法でバフかけて、それに剣術の技を合わせたほうが早く強くなれる


そもそも俺は純粋な剣士になりたいのではなく、近接戦闘の実力を高めに来ただけだ




「わかりました、では、ズルしますよ?」




「ははは!それで負けるなよ?」




「もちろんです。」




「威勢がいいな。よし、お前ら、来い。」




エルターンは上級以下の剣士を10名集めた




「レオ、お前にはこいつらを同時に相手してもらう。」




「あの、一対一では?」




「魔人と戦って生き残ったなら、実力的には特級レベルはあるってことだろ?ならこいつらくらい倒してみろ。」




「はい。」




そして、試合が始まる




「合図はないから、好きなタイミングで始めろ。」




すると、門下生たちがレオを囲んで斬りかかった




(数の差を利用した集団戦術、だが、遅い)




レオはタキサイキアを発動した




「ぐぁっ」




「ぎゃっ」




「っつ・・・」




そして、一瞬で門下生たちを切り伏せた




「なるほど。ズルありだと王級総統はあるみたいだな。よし、セレーナ、相手してやれ。」




すると、紫のロングヘアにコバルトブルーの瞳のクールな美女が立ち上がった


歳は、20前後だろうか




「セレーナ・ディッツィーです。よろしくお願いします。」




セレーナがお辞儀をする




「セレーナは王級だ。そいつに勝てたら俺が稽古をつけてやる。」




ということはこの人以上のレベルの人は今ここにはエルターンさんしかいないということだ




レオは剣を構えた




「それでは、はじめ!」




合図とともに試合が始まった




(さっきまでの人たちとは格が違うはずだ。ここは様子を・・・)




ギィイン




刹那、セレーナが一瞬でレオと距離を縮め、斬りかかってきた


レオは間一髪でそれを防いだ




(速い、少しでも気を抜けば、負ける)




レオがタキサイキアを用いてようやく互角に斬りあえている


いや、其れでも押されている




(何なんだ、この人・・・近接戦闘はミルヒヴァイスよりも格段に強い、本当に王級なのか?)




周りの動きは遅く見えるのに、この人だけ速く見える




このままでは負ける、ならば・・・




「インヴィジブル・ウィンド・ブレイド」




セレーナと剣を交えたまま、不可視の刃を発動


道場の床や壁に傷がつく


セレーナは急いで距離をとるも、頬にかすり傷を負った




(相手が崩れた!このまま仕留める!)




レオはセレーナに斬りかかった




だが、レオは知らなかった


閃辰流の基本形は居合斬り


つまり、カウンター重視の流派であることを




刹那、レオが斬りかかった瞬間、セレーナは体勢を低くし、それを回避、居合斬りでレオに一撃を叩き込んだ




「っつ、ぐっ・・・。」




腹にもろに攻撃を受けたレオは倒れた




「・・・終わりだな。」




エルターンの言葉で試合は終了した




「ありがとうございました・・・。」




「ありがとうございました。」




レオはよろめきながら立ち上がった




「エルターンさん、俺は・・・。」




失望されたのではないかとレオがエルターンの顔色をうかがいながらそう言うと




「何暗い顔してんだ。下級剣士が一時的にとはいえ、王級と渡り合えた。それなのに落ち込むな。せめて悔しがれ。お前はなぜ人の顔色をうかがう?自分は自分だろ。剣士は心にも剣を持っていると聞いたことはあるか?それがお前にはない。お前も自分の揺るがない心を持って、心の中に剣を作れ。」




「失望と化しないんですか?あれだけ威勢がよかったのに惨敗して。」




「まだめそめそしてんのか。合格点だよ。てか、初日で門下生の一番を倒されてたら俺の面子が立たねぇよ。それになぁ。」




「なんでしょう。」




「お前、自分で気づいてないかもしれないが、さらっととんでもねぇことしたんだぞ?」




「とんでもないこと?」




「ああ、剣を媒介に魔法を発動しやがった。」




そうだった


この世界は魔剣がなかったんだった




「魔法で炎の剣やら氷の剣やらつくることはできるが魔剣は今まで誰も作れなかった。すげぇじゃねぇか。」




「そんなに褒めるのはなぜですか?」




「お前が冷たくされて伸びるタイプじゃねぇと思ったのと、可能性を感じたからだ。」




「可能性?」




「ああ、魔剣は初級魔法並みの魔力量じゃないと剣が耐えられないからできない。それをやってのけたってことはお前のさっきの技も初級魔法ってことだろ?」




「はい。」




「つまり、お前の魔力運用能力は俺含めてこの道場で一番ってことだ。あの技が初級とか信じられねぇが・・・。」




「それが、なぜ可能性につながると?」




「閃辰流の居合斬りは鞘の中で魔力を加速させて放つ技。魔力の運用能力に優れていないと質の高い技を出せない。・・・もうなぜ俺がそう言ったかわかったろ?」




・・・そういうことか


魔力の運用能力に優れていれば、魔力を効率よく、かつ、速く運用できる


だから、一撃の速さが並みの剣士と比べて段違いになる可能性を秘めている、ということなのだろう




「はい!」




レオは明るい顔に戻った




「どうやら気分は戻ったみてぇだな。だが、短期間で鍛え上げるから、厳しいぞ。ついてこれねぇとか言わせないからな。」




「もちろんです。」




「よし、じゃあ、明日から俺が稽古をつけてやる。」




「え?」




「どうしたんだ、そんな驚いた顔して。」




「いえ、エルターンさん、さっきセレーナさんに勝ったら稽古をつけるって・・・。」




「あ、あれはお前のやる気を上げるためについた嘘だ。まぁ、お前が弱すぎたら稽古つけなかったけどな。」




「そうなんですか、ははは・・・。」




この人には敵わないとレオは思い知らされた

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