30 修羅場の次は修羅場
本日3回目の投稿です
レオ達は馬車で剣の里に向かっている
本来ならば楽しい旅の途中になっていたはずだが・・・
「レオさん、本当に、本当にエルミーネ様との結婚報告のために剣の里に向かうわけではないのですよね?」
「本当です。俺はただ強くなりたくて・・・。」
「なんで裏切るんですかぁ・・・レオさん、言ったじゃないですか、結婚報告に行くぞって!」
「そんなこと言った覚えありません!」
「言ってなくても剣の里に行くこと=結婚報告だって知ってましたよね。」
「忘れてたんです。考え事してて。」
「忘れたって、私と愛を確かめ合った日々をですかぁ?」
「そんな日々ないです!てか、勘違いにも限度がありますよね!」
「勘違いじゃありません。あの庭で私にプロポーズしてくれたじゃないですか!」
「ただ褒めただけでしょ!」
「それがプロポーズですっ!」
「何を言ってるんですかヘルミーネさんは!」
「・・・・勘違いだとしても、レオさんはエルミーネ様の容姿をほめたのですよね?」
「は、はい。」
「・・・私には初対面の時しかほめなかったのに、エルミーネ様には何回もほめて、挙句の果ては結婚だなんて、もう監禁するしかありませんね・・・。」
「一回しかほめてないです!しかも監禁!?やめてください!」
「何もかも信じられません。こうなったら既成事実を・・・。」
「私の婚約者に何するんですか!」
「黙ってください、泥棒猫!」
まさに修羅場である
「はぁ・・・うるさいわね・・・やっぱり来なかったらよかった・・・。」
フィデリアも頭を抱えている
「・・・それで、レオさんはどっちが好きですか!私と、ヘルミーネ様の!」
リリーがついに究極の質問を行った
(どうこたえるのが正解だ?)
レオは保身のために思考を巡らせた
(リリーさんと答えるべきか、ヘルミーネ様と答えるべきか・・・いや、何を考えている。保身のためとはいえ、嘘をつくのは二人に失礼だ。そもそも、俺のせいでこのような状況になったんだ)
レオは本当に好きな方を言うことにした
「二人とも魅力的ですが・・・。」
「はい。」
「俺は、リリーさんが好きです!」
(あー恥ずかしい・・・今、めっちゃ顔が熱い。絶対顔が赤くなってるよ)
「え、ひゃ、は、あ、れ、レオしゃん・・・・」
リリーは顔を真っ赤にしている
ヘルミーネはというと
「嘘ですっ!そんな、私と結婚するってぇ・・・。」
泣き崩れている
「ごめんなさい。ヘルミーネさん。俺のせいで本気にさせてしまったみたいで。だけど、俺はリリーさんが好きなんです。」
「そんなぁ・・・。」
(これ、よく考えたら告白じゃないか・・・ってリリーさん!?)
何とリリーがレオに飛びついてきた
「ハァハァ・・・レオさん、レオさん・・・もう、私、我慢ができません・・・。」
(く、食われる!)
「何やってんのよ!」
フィデリアがリリーを殴って気絶させた
「まったく、あんたがはっきりしないからこんなことになるのよ!」
「返す言葉もございません・・・すみませんでした。」
「はぁ、まぁいいわ。そろそろ着くし。」
すると、馬車が止まった
そして、馬車から降りると、森の中に集落があった
「ここが剣の里、エスパーダよ。」
「ここが・・・。」
レオはリリーを抱えながら剣の里を見上げた
雄大な自然
どこからか聞こえてくる剣戟の音
集落を歩く武人
ザ・剣の里という感じだ
「じゃ、私はここでお暇させてもらうわ。」
フィデリアが里に背を向けた時
「お?フィデリアじゃねぇか。久しぶりだな。元気してたか?」
紺色の髪に顎髭をもった中年の武人らしき男がフィデリアに話しかけた
しかし、フィデリアは無視して通り過ぎようとする
「おい、無視しないで遅れよ。2年ぶりの再会だというのに・・・。」
「うるさい!」
フィデリアが声を荒げた
(いったい何があったんだ?)
険悪な雰囲気に、レオはそう感じた
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