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29 修羅場はどうあがいても回避できない

3章開幕!


レオとフィデリアは王都の宿屋で話をしている




「はぁ!?あんた、剣の里に行くの!?」




「うん。前回の魔人の襲撃で俺の限界を知ったからね。もっと強くなりたいんだ。」




「・・・ふ~ん、なら好きにしたらいいわ。」




「フィデリアは来ないのか?」




「私は、いいのよ。」




少し顔を暗くしてフィデリアはそう言った




(なにかあったんだろうな)




「どうしたんですか?レオさん。」




そこにリリーが現れた




「実は、三日後に剣神様と一緒に剣の里に行くことになって。」




「剣神って確か女性でしたよね。」




「そうだけれど・・・。」




「私も行きます。」




「いいけど、リリーさん魔法使いじゃ・・・。」




(本当はリリーさんがいると面倒なことになりそうだから来てほしくないなんて言えないよな・・・)




レオは昼間のヘルミーネの様子を思い返しながらそう思い、やんわりと行くなと伝えたつもりだが




「行きます。」




「剣しかないって言ってたけど。」




「行きます。」




「大丈夫?」




「行きます。」




「心配しなくても俺は大丈夫だから。」




「行きます・・・なんでさっきから私が行くことに反対しているんですか?」




ぷくっと頬を膨らませてリリーがそう言った




(可愛い。基本嫉妬してるときは怖いけど、たまにかわいい嫉妬するときがあるんだよな)




だからといってヘルミーネさんとレオとリリーさんだけで行くと修羅場確定だ


だが、リリーがこのまま引き下がるとは思えない




(気は進まないが仕方ない)




レオはフィデリアに勢いよく土下座した




「神様、仏様、フィデリア様。どうか、私共と剣の里へいらしていただけませんか?」




「嫌よ。」




「そこをなんとか。」




「お願いです。」




(頼む頼む頼む、3人だけだと修羅場確定演出なんだよ!)




「断るわ。」




「お願いだよフィデリア、もし3人だけだと俺は帰らぬ人になっちゃうよ・・・。」




「それはどういう意味ですか?」




リリーが口をはさむ




(どうしよう。本当のことを言うか?言わないべきか?いや、言うべきだ。どのみち修羅場になるなら最初に事情説明していた方が生存率が上がる)




「えっと、あ、そ、その、あの、あのね、リリーさん。」




「はい。」




「ヘルミーネさんはすごい想像力豊かと言いますか、勘違いが激しいと言いますか。」




「それがどうしたのでしょうか?」




「それで、俺がヘルミーネさんに気があると勘違いしているんです。」




「・・・」




リリーは何も言わない




「それで、俺と結婚できると思ってるみたいで・・・。」




「レオさん」




リリーの声は驚くほど冷たかった




「はい・・・。」




「剣の里の道中で事故にあったことにしてヘルミーネさんには死んでいただきましょう。」




(やっぱこうなるのかよ)




だがそれは阻止せねばならない


いや、ヘルミーネさんがリリーさんに負けることはないだろう


だが、二人の戦闘の余波がどんな影響を及ぼすかもわからない


何より、俺が死ぬ!




ヘルミーネさんもヤンデレな気がする


いや、メンヘラかもしれない


どちらにせよ、ああいうタイプは厄介だ




ただでさえこの世界は女性>魔獣のパワーバランス(レオ関係のみ)なのに、女性の中でもいや、世界でも最強の一角のヘルミーネさんと愛の重さだけならば一番と言っても過言ではないリリーさんの対決だ




一帯がアマゾンからサハラ砂漠になるくらいの被害を受けてしまうだろう




「り、リリーさん、仲良くしてあげてください・・・。」




「嫌です。レオさんと結婚するのは・・・///」




そこまで言ってリリーは顔を赤くした




そんなカオスな状況を見たフィデリアが心底嫌そうな顔でレオにこう言った




「私も行くわ。」




「え?いいの?」




レオの顔がパッと明るくなる




「いいけど、私は里の中には入らないからね!」




「ありがとう・・・フィデリア。」




思わずレオがフィデリアを抱きしめる




「ちょっと、何してんのよあんた!」




「あ、ご、ごめん!つい勢いで・・・いやだったよね。」




「べ、別に嫌なわけではないわよ。」




少し照れながらフィデリアがそう言った時




「二人とも何をしているのですか?」




まがまがしいオーラを放ちながらリリーがそう言った




「ちょっと、ね、落ち着きましょ、リリー!」




「そ、そうだよ。」




「落ち着く?そんなことできません。今から、どうなるかわかってますよね?」




「「ぎゃぁぁぁぁああああああああああああ!」」




二人の悲鳴が夜の宿屋に響いた




* * *




三日後




レオとフィデリアの悲鳴で宿屋の女将が部屋に来たことで命は助かったレオとフィデリア、またヤンデレ化してしまったと落ち込むリリーは王城の前についた




「確か、ここで待っておけと言われました。」




「じゃ、ここで待っときましょう。まだ約束の20分前だし。」




「そうですね・・・。」




その時




「あ、レオさん!」




ヘルミーネがうれしそうな顔をしながら走ってやってきた




「おはようございます。ヘルミーネさん。」




「えへへ///おはようございます。レオさん。」




「早いですね。」




「レオさんの方が早いじゃないですか・・・フィデリアちゃんとそこの女性も行くのですか?」




「はい。」




「確かに、結婚報告はレオさんと関わりがある人もいたほうがいいですからね!」




(やべ、そういえば、ヘルミーネさん、結婚報告のために剣の里に行くと言ってたの忘れてた)




「レオさん。あなたはヘルミーネ様が勘違いをしていると言いましたよね?」




「はい。」




リリーの声にレオは体を震わせる




「ならば、なぜすでに結婚していることになっているのですか?剣の里ことが結婚報告になるならば、レオさんはそれをわかって承諾したことになりますが。」




(終わった・・・)




フィデリアが来てくれたことにより、修羅場を回避したと思っていたレオは結局修羅場に巻き込まれるのだった




そして、剣の里についてから、別の修羅場に巻き込まれることをレオはまだ知らない



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