24 単身救援
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「グラヴィティ・シェル」
アントラツィートグラオによるすさまじい攻勢が始まった
彼の技により、攻撃範囲内のものがえぐれた
(まずいな。今まで手を抜いていたというわけか。レオ君もいるわけだし、神級魔法は使えない・・・ならば)
ディリジェントはアントラツィートグラオに急接近した
(遠距離校で気が無駄ならば近接戦闘で倒す)
「ライトニングブレイド」
ディリジェントが右腕に雷の剣を生成し、アントラツィートグラオに斬りかかった
しかし、重力魔法によって押し返された
「雷魔法が白兵戦向きの魔法とはいえ、魔法使いが近接戦闘を行おうとするなんておろかだ。僕に近接で傷をつけたいのなら、帝級剣士以上になることだな。」
(ちっ・・・どうする。大技は使えん。かといって近接で戦っても俺では傷をつけられん。相手が魔法使い特攻すぎる。)
「何を悩んでいる、雷神。君の相手は僕だ。」
「まずっ・・・。」
その時、レオがアントラツィートグラオを蹴り飛ばした
「な、お前・・・。そんなに速く。」
アントラツィートグラオがレオの速さに驚愕する
「さっきは魔法を発動する前にお前にやられたからな。」
「そういう問題ではない。君は手足の骨が折れているはずだろう?」
「ああ。そうだな。だから、雷魔法で手足の感覚を麻痺させて無理やり動かしている。」
「は?馬鹿なのか君は。」
「どうせこのまま何もしなかったら負ける。だったら多少無理した方がいいだろう。それとも、俺に負けるのが怖いのか?」
「お前・・・。」
するとレオは建物のそばに移動した
その時、アントラツィートグラオが重力魔法を発動
しかし、レオはそれを回避した
「なっ・・・。」
「お前の重力魔法。不可視の技で厄介だけどよ。上から押しつぶすときは必ず俺より上の物から押しつぶされていく。だから、建物のそばにいれば建物が先につぶれ始める。少し考えればわかるだろう?」
レオはアントラツィートグラオに挑発するがその体はすでに痙攣していた
「レオ君、無理をしない方がいい。ここは俺が・・・。」
「ディリジェント様、俺が足手まといだということは百も承知しています。ですが、このままただ見ているだけでは俺のプライドが許せません。」
「・・・そうか。じゃあ、最後まで付き合ってもらうよ。」
「はい!」
再び、二人の共闘が始まった
ーー同時刻、リリーたちは苦戦を強いられていた
「そんなものか君たちは!」
「っつ・・・。」
「ぐっ・・・。」
全方位から襲ってくる影の槍にリリーたちはどんどん生傷をつけられている
「リリー、あんたまだ動ける?」
「はい、フィデリアは?」
「私は大丈夫よ。・・・しかし、どうやってこいつを・・・。」
「休むなよ。」
無数の影の槍がフィデリアを襲う
フィデリアはそれを剣で薙ぎ払う
が、体力の限界が近づいていた
(私の剣の技量ではすべての槍を防ぎきれない。でも、リリーは魔法使い。もともと近接向きではないうえに、重傷を負っている。私が何とかしなくては。)
その時、リリーが話しかけてきた
「私が、活路を開きます。」
「あんた、何を・・・。」
「グレイシャル・テンペスト!」
リリーが魔法を発動した
「氷で周囲を凍らせれば影の範囲を狭められる。その場しのぎにしかなりませんが・・・。」
「十分よ。リリー。」
「無駄なあがきを・・・。」
「無駄じゃないわ。」
フィデリアがさやから剣を抜刀しブラオに投げる
ブラオはそれをぎりぎりでかわす
「ははは。決死の技も俺には聞かなかったようだな!終わりだ。」
「いえ、終わりなのはあんたよ。」
「何?」
ブラオがフィデリアの手元を見ると、鞘に納められている氷の剣が握られていた
(いつ渡していた?いや、渡す暇などなかった。まさか、氷を遠隔操作して、剣を生成したのか。あの魔法使い、そんなことが・・・)
「あんたたちの敗因は私たちをなめすぎたことよ。」
「くそっ!」
「閃辰流、抜刀術、冴閃こせん。」
フィデリアの剣がブラオを両断した
「ははは・・・悔しいがここまでか・・・だが、ここにはまだ・・・。」
そう言ってブラオはこと切れた
「ぜぇ、ぜぇ・・・。」
フィデリアが氷の剣を落とした
(もう、握力も残っていなかったのね・・・。)
その時、リリーが倒れた
「リリー!」
残った力で駆け寄ると、息はあるようだった
「失血と疲労で倒れたようね・・・私も、もう・・・。」
フィデリアも意識を失った
その時
「頑張ったわね。二人とも。後は私が片付けるわ。」
そう言って女が二人に治癒魔術をかけた
* * *
同時刻、レオ&ディリジェントとアントラツィートグラオの戦いは佳境を迎えていた
「ライトニング・レイン」
「何度やっても同じだ、雷神。」
アントラツィートグラオは攻撃をかわす
だが、魔法によって発生した土煙の中からレオが急襲
「これが狙いか・・・だが、君の技では僕に傷はつけられない。」
「それはどうかな!」
レオが雷魔術を発動
その速さは光速の4割程度に匹敵する
そして、アントラツィートグラオの頬をかすめた
「なっ・・・。」
「あんたの重力魔法、自分を覆っている重力はどのくらいか考えたんだけどさ、雷魔法の起動を変えられるほどの重力でかつ、ブラックホール未満だから、中性子星レベルの重力だと考えたんだ。本当は中性子星レベルの重力でも雷の起動を変えることは難しいらしいけど、魔術だから本物の雷とは少し違うみたいだな。」
「よくわからないことをべらべらと・・・。」
その瞬間、雷撃がアントラツィートグラオに直撃した
「がっ・・・。」
「やはりね。君は攻撃を受けた直後は重力魔法を使えない。このまま決めるぞ!レオ!」
「了解!」
「舐めるなぁ!」
刹那、半径300メートルがアントラツィートグラオの重力魔法でつぶされ、消し飛んだ
更には重力魔法の効果範囲を絞った魔法を発動
その数は1000を超える
街があった場所には大きな穴が開き、周辺にも小さな穴が開いた
もはや町は原形をとどめていなかった
レオとディリジェントは直撃こそ回避したものの、内臓損傷、および複数箇所骨折
「君たちが今まで生きていたのは僕が手加減してやっていたと知らなかったのか!」
「・・・本気出すとか言って俺たちに傷つけられるまで本気出してなかったのか・・・ゴフッ・・・。」
レオが限界を迎える
(まずい、今の攻撃とタキサイキアの代償でもう体が・・・)
意識を失いかけているレオにディリジェントが駆け寄る
「レオ!」
「仲間の心配してる暇ないよ。」
アントラツィートグラオが魔法を発動
ディリジェントはレオを抱えた回避するも、再び負傷してしまう
「っつ・・・・。」
「ねぇ、雷神。」
「なんだい。」
「君さ、本当はもっと強いだろう。」
「そうだが何か?」
「いや、かわいそうだと思ってさ。そこにいる足手まといと街の住民を守るために本気を出せないなんてね。僕が君の立場なら迷わずここ一帯を消し去ってでも勝とうとするのにね。」
「・・・確かに、被害を無視すればよかったかもしれない。だが、俺は君に勝つことが目的ではない。町の住民や仲間を助けることが目的だ。だから、犠牲を無視してでも勝とうとは思わない。」
「そのせいでこのざまなのに?」
「そうだね。確かに俺の信条でこのような結果となった。だから、俺は力尽きるまで君と戦う。一人でも多く、避難できるように。」
「勝てないと分かっているなら逃げればいいのにさ。」
「それができないのが俺なんだよ。」
「やめ、て、ディリジェ、ント様・・俺、も・・。」
レオがかすれた声で制止しようとするがディリジェントは止まらない
「ライトニングファスト」
ディリジェントがアントラツィートグラオの肩に傷をつける
「グラビティ・スラッシュ」
対するアントラツィートグラオもディリジェントの肩に傷をつける
(相手が亜光速以上の速さには対処しきれないと分かっているならば亜光速まで体を速くする。体が耐えられるか?いや、それは今、問題ではない)
すさまじい猛攻がアントラツィートグラオを襲う
アントラツィートグラオは次々と傷を増やす
「お前、あとのこと考えていないだろ!死にたいのか!」
「死にたいわけではないさ。ただ、命を懸けいるだけだ。」
ディリジェントがアントラツィートグラオのみぞおちを貫こうとしたその時、
「ゴフッ・・・。」
ディリジェントが限界を迎え、倒れる
「・・・まったく、愚かだね。だが、僕にここまで手傷を負わせたのは君が初めてだ。敬意をこめて、一撃で終わらせてやろう。」
「やめろぉ!」
レオが声を振り絞る
だが、アントラツィートグラオはディリジェントをつぶした・・・かと思われたが
「なっ、消えた?雷神はいったいどこへ・・・。」
「あらら・・・ギリギリセーフってとこかしら。」
女がディリジェントを抱えていた
「お前は、まさか・・・。」
アントラツィートグラオが驚愕している
「ロージ、さん?」
「ええ。頑張ったわね。レオ。・・・あとは私に任せて。」
レオとディリジェントの窮地を救ったのはロージだった
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