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18 リリーさん>魔獣

18わです!

ちなみにカクヨムでは一話早く見れます。



二人きりの部屋


リリーさんが完全に肉食獣の顔になっている




「り、リリーさん、ナニをするつもりですか?」




その顔には、魔人襲撃前の清楚な面影はなく、ヤンデレの雰囲気をまとっている




「な、ナニって、二人に勘違いされて、それで、もう、二人が認めたならシてもいいということだと思ったので・・ハァハァ・・・。」




(く、食われる!)




人生最大の貞操の危機を迎えた俺は脳をフル稼働させた


ヤンデレにただ断るだけでは危険だ


ならば・・・




「リリーさん、俺は物事には順序があると思っています。だから、一時の性欲に身を任すことは俺はできません。」




「でも、私はもう、限界で・・・だから、早く・・・。」




やはり、断るだけではだめだ


恥ずかしいが仕方ない




「リリーさん、一分だけ外へ出ていいですか?」




「・・・ダメです。逃げるつもりでしょう?」




「逃げません。もし帰ってこなかったら、次は俺の声を聞かずに襲っていです。」




「・・・わかりました。」




俺はすぐさま部屋を出た




* * *




一分後




「ただいま戻りました。」




「・・・逃げなかったんですね。」




「はい。」




(逃げた後が恐ろしいよ)




おそらく俺はアジの干物並みに干からびることになる


最高だろ?なぜ嫌がる?という方もいるかもしれないが俺は童貞


しかも、甘い初夜を迎えたいという願望がある童貞だからたとえリリーさんが相手だとしても了承しかねる




「リリーさん、これで、手を引いてください。」




俺はリリーさんにあるものを差し出した




「これは・・・まさか・・。」




「はい。俺の下着です。一枚はさっき履いていたものです。」




俺は先ほどまで爆速で家に下着を取りに帰っていたのだ




「そんな、こんな、これで、私が手を引くわけが・・・スーハ―・・・」




リリーさんは早速においを嗅いでいる




よし、かかった!


ヤンデレは下着や使用済みのティッシュに弱いことはウェブ小説で履修済みだ




「リリーさん。」




「はい。・・・フーッ、フーッ・・・・」




「もし、俺の貞操を奪わないと誓うのならばその下着はすべてリリーさんにあげます。」




「・・・もし、奪うと言ったら?」




「魔法で俺の下着を粉々にします。」




頼む


手を引いてくれ


これ以上のことは俺にはできない




「・・・こんな、卑怯ですよ・・・クンクン・・・わかりました・・・スース―・・・今日は手を引きましょう。・・・ちょっとトイレに行ってきます。」




リリーさんは俺の下着を持ってトイレに駆け込んだ


ナニに使うかは察しているが、うん、まぁ、今日は許そう


・・・何はともあれ・・・




(よかったー食われるかと思った・・・)




俺はベッドにダイブし、汗をぬぐった




こうして俺の貞操は守られた




後日、リリーさんのベッドの下から、メスのにおいを放ち、ねっとりとした液体を大量につけていた状態でこれらの下着が発見され、俺は何をやっていたんだと少し後悔するのはまた別の話




* * *




翌日




リリーさんと童貞を卒業すればよかったと後悔しかけている俺


正気を取り戻し、自分が何をしたか思い出し、羞恥心で真っ赤になっているリリーさん




放心状態の俺と照れまくっているリリーさんという状況のせいで俺が搾り取られたと勘違いされているせいで、いまだ誤解が解けず、俺たちが“事後”であると勘違いしているフィデリアとロージさんの4人でアーサーさんに会いに来た




道中はほぼ無言だった


気まずすぎるから




コンコン




「どうぞ。」




部屋に入るとアーサーさんがいた




そうだ


お礼を言わなければ




「俺と、リリーさんの治療をしてくださり、ありがとうございます。」




深々とお辞儀をした




「いいよ、この町であの時、俺以外に治癒魔術が使えるもので動ける人はいなかったからね。それに、君は魔人を倒してくれた。感謝するのは俺の方だよ。」




(俺、この人を見習おう)




一人で感心していると




「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さ名許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない・・・・」




呪いの言葉が部屋の隅から聞こえた


聞こえたほうを見るとシェリルさんが座り込んでいた




その目はハイライトが消え、小動物ならばにらまれただけで死にそうなほど厳しい目つきになっていた




「あ、アーサーさん・・・これ、は・・・?」




「えっとね、アハハ・・・。」




アーサーさんが口を濁していると




「アーサー、私に言った。魔獣を一掃したら一緒に寝てくれるって。なのに、この数日間みんなの治療で寝る暇もなかったから一緒に寝れなかった。それは仕方ないけれど、アーサー、明日から王都に行くって今日いきなり言った。ようやく落ち着いた今日に。アーサーの約束破り・・・許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない・・・・。」




ひえっ!




「アーサーさん、明日から王都に?」




「うん。魔人が出たら報告しないといけないからね。・・・とはいえ、この町は危険だ。だから、“雷神”にこの町へ来てもらうように頼んでいる。」




「私、あの人嫌い・・・。」




シェリルさんはへそを曲げている




「文句言わないの。」




「・・・王都から戻ってきたら、私とお風呂入るなら許す。」




「わかったよ。」




「絶対だからね?」




「うん。」




・・・聞き間違いかな?


アーサーさんたち、一緒にお風呂入るって言わなかったかな?




「アーサーさん、本当に、二人は付き合ったりとか・・・。」




「ああ・・・そうだね。驚かせて済まない。実は俺がいるときシェリルはいつも俺に髪を洗ってもらっているから。だから、そこまで気にすることではないんだ。」




「服は?」




「俺は着てるよ。」




「俺は?」




「そう、俺は。」




そんな、うらやま・・・けしからん




「そ、そうですか・・・。」




そういえば、リリーさんも今、この話を聞いて・・・目がばっちりあってしまった




* * *




ジェネシスから50キロほど離れた町で一人の男が歩いていた




金髪をセンター分けにした緑の瞳を持つ男だ




「アーサーの話によると見込みのある奴がジェネシスにいるようだから・・・ここでお土産でも買っておくか。なかなか面白いやつだと聞いているし。」




男は“雷神”


八大神煌のひとりである

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