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16 迅雷と水神

死闘決着!




何だ、今の動きは


速すぎる


私が魔法を発動した瞬間に消えた?




ありえない


さっきまで追い詰められていたのはあちらの方なのに




少年の顔を見ると黒だった瞳が黄金に輝いている


そして、私を見つめ、鼻血を出しながら不敵に笑っている


まるで、勝利を確信したかのように




きっと何かの勘違いだ


さっきの動きは偶然のはずだ




「インフィニットスレッド!」




今までとは攻撃の質がちがーー


次の瞬間、少年が消えた




いったいどこへ・・・




「ガハッ・・・」




気づいた時には少年が私のみぞおちに強烈な一撃を叩き込んでいた




「まだだ!」




少年がどんなに強くなろうと、剣は安物


あの少年の魔法では私の糸は切れない


武器さえ壊せば勝てる




そして、集中的に剣に攻撃を入れる


すると、すぐに少年の剣が壊れた




終わりだ




「私のか・・ぐはっ・・・」




勝機を確信した私に少年が強烈な蹴りを入れた


私は町の壁にめり込み、吐血した




少年は今なお不敵な笑みを浮かべている




なぜ、なぜ、いきなり強く・・・


そもそも、なんでこんな細身の少年がこんな力を出せる?




その時、魔獣が押し寄せてくる気配を感知した




魔獣が来たどさくさに紛れ込めば、逃げーー




その時、漆黒の雲で街が覆われた




* * *




ーー同時刻、ギルド上空




シェリルとアーサーが空の上から街の様子を眺めている


街では無数の魔獣が暴れている




「思ったより数が多いな・・・シェリル、一人でできる?」




「水神をなめないで・・・それに、アーサー、この程度なら余裕ってわかってるくせに。」




シェリルがすねたようにアーサーを見つめる




「はいはい。わかったよ。無理はしないようにね。」




「アーサーは過保護すぎ。」




「うっ・・・」




アーサーはショックを受けたような顔をしている




「じゃあ、始めるよ。」




シェリルはそんなアーサーを気に留めることなく、魔法の発動を始めた


シェリルは右手を天に向けた




シェリルの周囲に美しい水色の魔力が満ちる


そして、天空に黒い渦を発生させながら、上空に漆黒の雨雲が生成された




その雲は、町全体を覆いつくしている




「な、なんだこれは・・・」




地上にいるミルヒヴァイスは思わず絶句した




ギルドの冒険者や町の住民も突然発生した雲に驚きを隠せていない




「これで、おしまい。」




シェリルがぱちんと指を鳴らすと雨雲から大量の雨の矢が降り始めた




その雨は正確に、魔獣のみに降り注いだ


何千、何万もの雨の矢が魔獣に降り注ぐ




それはもはや天変地異であった


冒険者も、住民も、ミルヒヴァイスでさえそれをただ見ることしかできなかった




「ギャアアア!」


無詠唱で幾千もの魔獣を駆逐した


まさに神業




シェリル・ミルデ


歴代最年少で八大神煌の座を得た天才の魔法である





魔獣はみるみる姿を消していき、魔法の発動からわずか一分ですべての魔獣が駆逐された




* * *




これで邪魔はいない




レオは魔獣が一掃されたことを確認すると再びミルヒヴァイスに攻撃を仕掛けた




頭が割れるほど痛い


耳もキーンと不快な音が鳴り、、それ以外何も聞こえない




当たり前だ


脳に微量の雷魔法を流し、無理やり、タキサイキア現象を起こさせ、超人的な反応速度を実現している




更には、体が壊れないように制限する役割を持つ、脳のリミッターを解除


一時的に爆発的な力を得た




(この戦いが終われば、俺はどうなるかわからない)




ーーそれでも、お前はここで殺す!




退路を完全に断たれ、戦意を失ったにもかかわらず逃げ惑うミルヒヴァイスに容赦ない追撃を浴びせる




百の乱れ打ちがミルヒヴァイスを襲う




「やめ、やめろおおおお!」




醜く情けない声で命乞いをするが今のレオには聞こえない




「感謝するぜ、ミルヒヴァイス。・・・お前のおかげで大切な人を見つけることができた。」




レオは拳に雷魔法をまとわせ、加速させる


紫電の魔力がレオの右手を覆う




「ひっ。」




(ありがとう、リリーさん。君のおかげで、俺は前を向ける)




優しく微笑むリリーの顔を思い返しながら力を込める


そして、遂にレオの拳が炸裂する




「ヴァイオレット・ライトニング・フィスト」




紫電の一撃がミルヒヴァイスの腹を爆音とともに貫いた



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