13 青い瞳と赤い鮮血
13話です!
ある日の朝、リリーさんから買い物のお誘いを受けた
「あ、あの、レオさん、こ、今度の休日に私と、レオさんと、フィデリアで、か、買い物に行きませんか?」
もちろん行くに決まっている
だが、これではロージさんが仲間外れみたいだ
「はい。喜んで!・・・ロージさんも一緒に行きませんか?」
「いえ、遠慮しとくわ。あなたたち、パーティーメンバーなのでしょう?パーティーで親睦を深めるのは大切だし・・・。」
ロージさんはそう言った後、リリーさんを見てこう言った
「リリーが勇気を出して誘っているのだから私が邪魔しちゃだめだもの。」
そう言ってロージさんはにこっとした
邪魔?
なんのことだろう
「わかりました。・・・リリーさん、よろしくお願いします。」
「はい!」
リリーさんは嬉しそうな表情をした後、こっそりやり取りをのぞき見しているフィデリアと一緒に喜んでいた
・・・あの二人、あんな仲良かったっけ?
犬猿の仲
混ぜるな危険
みたいな感じだったよな
そういえば、リリーさんがフィデリアのこと呼び捨てで言い始めたし、ため口になっている
・・・なんか、自分だけ仲間外れみたいに感じてきた
* * *
そして休日、三人で街に出た
街の通りにはいろんな店が並んでいてとてもにぎわっている
おいしそうな鶏肉の料理を売っている屋台や、きれいなアクセサリーを売っているで店もある
・・・字が読めないからどんな店か正確にはわからないけれど
「何か食べたいものがあれば行ってくださいね。」
リリーさんは水色のワンピースに銀色の宝石の入ったイヤリングをつけ、ローヒールを履いている
ほのかに、香水の甘い香りもする
「は、はい。」
思わず照れてしまう
あーやばい、顔が熱い
リリーさんもどこかぎこちない
「ねぇ、あそこの雑貨屋によらない?記念になるもの買えそうだし。」
フィデリアが少し先にある雑貨屋を指さした
「そ、そうだね。」
「そ、そうだな。」
俺たちは雑貨屋へと入った
* * *
結構いろんなものがあるな
イヤリング、ピアス、ネックレスなどアクセサリーの類のものの数が特に多い
リリーさんの方を見るとネックレス売り場の前で目を輝かせていた
「何か欲しいものがありましたか?」
「い、いえ。」
リリーさんは否定するが、青い宝石が入った華奢なシルバーチェーンに目が釘付けになっている
「俺がそれ、買いましょうか?」
「そ、そんなこと・・・レオさんはあまりお金を持っていないでしょう?」
「こんな見た目ですが赤龍を倒した報酬で結構お金持ってますよ。」
「で、でも・・・。」
「今日くらいはおごらせてください。このままでは俺は住まわせてもらって、ただ飯ぐらいをしているだけの居候ですし。」
俺の説得によって、リリーさんはようやく首を縦に振った
* * *
「早速つけてるのね。」
フィデリアがにやにやしながらリリーさんを見てそう言った
「だ、だってぇ、初めてレオさんから贈り物をもらったからうれしくて・・・。」
リリーさんは照れており、口元がすごい緩んでいる
嬉しそうで何よりだ
しかし、可愛すぎるな
・・・リリーさんと手をつなぎたい
でも、自分から言うのは恥ずかしい
いや、待てよ、昼前になって人も多くなったし、はぐれないようにという体でつなげばいいのでは?
「り、リリーさん、手をつなぎませんか。」
あああああああああああ!
緊張しすぎて、はぐれないようにって言葉言うの忘れたぁぁぁぁぁぁ!
はずかしい・・・
「ひゃ、ひゃいっ!」
するとリリーさんはリンゴよりも顔を赤くしてそう答えた
「じゃ、じゃあ・・・。」
そう言って俺はリリーさんの右手を優しく握った
リリーさんはさらに顔を赤くしたが、すぐに俺の手を握り返した
その時
「二人とも、私はちょっと、行きたい店があるから少し抜けるわね。」
と言ってフィデリアが逃げるように去っていった
去り際になぜかリリーさんにグッドサインをしていた
* * *
二人きりになった俺たちは手をつないだまま、橋まで歩いて来た
「この辺は赤龍の被害が少なかったのでにぎわってますね。」
「そうですね。レオさんのおかげです。」
「いやいや、リリーさんたちが粘ってくれていなかったらどうなっていたことか。俺はおいしいとこどりしただけで・・・。」
「それでもレオさんはこの町の英雄です。もっと誇ってください。」
「・・・そこまで言われると恥ずかしいです・・・・。」
するとリリーさんはくすっと笑った
それから無言の時間が続く
俺たちは橋から早くも復興しつつある街の景色を眺めていた
しばらくして、リリーさんが口を開いた
「・・・レオさん。」
「どうしましたか?」
リリーさんは今までに見たことがないくらい顔を赤くしている
体も少し震えているようだった
「実は私、レオさんのことが・・・。」
その時、人々の悲鳴が聞こえた
* * *
同時刻、リリーの家で本を読んでいたロージのページをめくる手が止まった
「・・・来たわね。」
ロージは険しい目つきになって、そういった
* * *
「一体、何事だ!?」
俺たちが悲鳴のする方へ向かうとミルキー色の髪に一本の角を持った少女がおり、その傍らには血まみれの人が倒れていた
状況的に彼女がやったとみて間違いない
そして、彼女の姿
まさか・・・
「魔人族か。」
「うん。私はアントラツィートグラオ様の配下が一人、凶糸のミルヒヴァイス。」
肩書からして強敵であることは間違いない
「リリーさん、援護をお願いします。」
「はい!」
リリーさんが魔法を発動しようとする
「アイスレーゲ・・・」
その時、リリーさんの右腕がふき飛ばされ、鮮血が空に舞った
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