12 昨日の敵は今日の友、今日の友は明日の敵
2章2話です!
ロージさんが来て4日目、赤龍が倒されて平和に町はなったんだけど
・・・我が家は今、冷戦状態にある
いや、すでに戦いが始まっているといっても過言ではないか
「レオ、私にそれ頂戴。」
「どうぞ。」
朝食の席で、ロージさんが俺のさらにあるベーコンを欲しがったのであげた
けがを治すためにもたんぱく質は多くとらないといけないからね
すると、リリーさんが嫉妬交じりの表情でこう言った
「レオさん、サラダのおかわりいりますか?」
「はい。お願いします。」
リリーさんが俺のサラダが入っていた皿を取ろうとすると、
「私の方がリリーさんよりサラダのお皿と近いから私がサラダを取り分けるわね。」
ロージさんがそう言った
「待ってください。私が先にレオさんに言いました。だから、私が取り分けるべきです。」
「いった順番より効率が大事だと思うのだけれど?」
二人ともお願いだからやめて
二日目まではリリーさんとロージさんの関係は好調だったのに・・・
しかも、こんな問答してる間に無駄に時間が過ぎて言ってるよ・・・
「・・・二人ともありがとう。俺、自分で取るよ・・・。」
俺が自分で取るという選択をしたことで、争いは静まった
ああ、胃が痛い
* * *
昼前、フィデリアが家に来た
「邪魔するわね・・・・って、あんた誰よ!?」
フィデリアは入ってきたときに椅子に座って本を読んでいるロージさんに気づいたようだ
「あら、レオ達のお友達? 私はロージよ。しばらくここに住まわせてもらっているの。よろしくね。」
「!? 一緒に住んでるの?・・・ありえないわ!」
信じられないようなものを見る目でフィデリアがリリーさんを見た
リリーさんはすごい機嫌が悪そうだ
「本当は、今すぐにでもミキサーにかけてミンチにした後に、鶏のエサにしたいところですがレオさんがしばらく泊めてあげようと言っているので。」
・・・え?
ミキサー?
ミンチ?
鶏のエサ?
ヤ、ヤンデレ度が加速してる(震え)
いや、どちらかと言えばサイコパスか
「そ、そうなのね、あ、あんたも苦労してるのね。」
フィデリアはそういった
因みに、これはリリーさんに言った言葉ではない
ロージさんへ言ったのだ
フィデリアの目には同情の二文字が大きく書かれている
「リリーさん、あまり怖いことを言わないでいただけるかしら?・・・あなたの言葉、冗談に聞こえないから。」
「冗談ではありません。」
(・・・やれやれ、4日前のリリーさんはどこへ行ったのやら(俺のせい))
俺はこの険悪なムードをどうにかするべく、ロージさんと一緒に外出することにした
「ロージさん、少し、二人で散歩しませんか?」
「いいわね。」
ロージさんは俺の左腕を抱きしめた
「ロージさん!?」
「いいじゃない。」
(早くこの状況を何とかしたいし、この感触を味わっていたいし、いいか)
こうして本日二回目の修羅場を潜り抜けた
しかし、レオとロージが外出する様子を見ているリリーの表情はどこか悲しげだった
* * *
レオとロージが出かけた後、リリーは自室のベッドの上で枕を抱きながら寝っ転がっていた
レオさんとロージさんが行ってしまった
二人は、この4日間で急速に距離を縮めている
だから、私も負けないようにと必死でロージさんに食らいついた
でも、私はロージさんよりも色気はない
そして、すぐに嫉妬してしまうからレオさんにも怖がられる始末だ
ロージさんの方が話し上手で、レオさんがドキドキするようなことを違和感なく言えている
ロージさんと話しているときの方がレオさんは楽しそう
自分とロージさんを比べると私の方がスペックが下だと嫌でもわからせられる
料理の腕に関しては私の方が上だが、ロージさんは料理下手なのを逆に利用して、レオさんに料理を教わっている
「このままじゃ、レオさんがとられちゃうよ・・・。」
涙が静かにあふれ出し、枕にシミを作っていく
やだよ
レオさんと結ばれるのは私でありたい
でも、相手が強すぎる
「私、どうしたらいいの・・・?」
思わず、枕を抱きしめる力が強くなる
その時、部屋がノックされた
「入るわよーって、あんた泣いてんの!?」
驚いたようにフィデリアさんが目を見開いた
(返事もしてないのに部屋に入ってくるなんて、もう少し気づかいができないのでしょうか)
「・・・出て行ってください。今は、少し、一人にしてください。」
今のところ彼女はレオさんに恋愛感情を抱いているような態度はあまり見せていない
だが、
きっといつかレオさんに惚れる日が来るだろう
だから、ライバルである彼女に弱いところを見せたくない
でも、彼女は部屋を出ずにこういった
「・・・あんたって、普段はしっかり者だけど、一番心が弱いでしょ?」
「何が言いたいんですか?」
すると、フィデリアさんはベッドに腰かけて言った
「あんたが何に悩んでいるか大方分かっているわ。あの二人、出会ってから4日目にしては距離が近すぎたし。」
そうだ
距離が近すぎる
私よりも距離が近い
理由はわかっている
ロージさんと違って、私は自分から触れにいかないからだ
「貴方には関係ないでしょう?」
この人と今までさんざん悪口を言い合った
それなのに心配する理由などない
「何言ってんのよ。関係大有りよ。」
「え?」
すると、フィデリアさんは呆れた顔で続けた
「腑に落ちない顔してるわね。はぁ、あんたは同じパーティーメンバーよ。強引に入ってきたとはいえね。」
「でも、あなた私を嫌いでしょう?」
「ええ。でも、それとこれとは関係ないわ。私とあなたは背を預けて戦った戦友。赤龍との戦いであんたが頑張ってくれなかったら私はたぶん死んでいたし、話し相手くらいにはなってあげるわ。」
「フィデリアさん、途中で瓦礫につまずいてこけてましたからね。」
「そういうあんただって、詠唱間違えて動揺して踏みつぶされるところだったじゃない。」
それから一瞬だけ静かになった
そして
「ふふっ。」
「あははっ。」
何故だか二人で笑ってしまった
その時、少しだけ涙が引いた気がした
「・・・フィデリアさん。」
「何かしら?」
「私、レオさんへのアプローチの仕方がわからないんです。」
「なるほどね。」
「最初は少しづつ距離を縮めていく予定だったんです。でも、あなたが来て、ロージさんが現れて、どんどん負けたくないという思いでいっぱいになって・・・。」
「それで、ヤンデレ化しちゃったわけね。」
「・・・はい。」
すると、フィデリアさんは私をじっと見つめて言った
「貴方は、本当はどうしたいの?」
そうだ
私は本当はどうやってレオさんと関わっていきたいのだろう
ヤンデレとしてではなく、計算高くかかわるのでもなく
私がどうしたいか
本当は・・・・
「私は、レオさんと、デートに行きたいです。」
「いや、それ答えになって・・・。」
慌てて私は修正する
「ああ、抽象的に言うとです!具体的に言うと、二人で他愛もない会話をしながらおいしいご飯のお店に行ったり、洋服を買ったりしたいです。もっと、素直になって、手をつなぎたいとか、キスしたいとか言いたいです。」
「それ、恋人じゃない。」
「そ、それはわかってますっ!だから、最初はパーティーメンバーみんなで買い物に行ったりしてみたいです。」
「私がいるとお邪魔じゃない?」
「そうですけど、二人きりだと変に緊張しちゃいますし・・・。」
もじもじしながらそう言うと
「・・・わかったわ。なら、今度の休日、みんなで買い物に行ってみないかレオを誘ってみるわ。」
「えっ?」
「ああ、自分から誘いたいなら自分で言いなさい。その、手助けはしてあげるから。」
なんで、だろ、また涙が出てきちゃった
「ありがとう、フィデリア・・・。」
「ほら、泣かない!それと、私があんたに協力するのはこれが最初で最後だからね!」
「・・・フィデリアも素直じゃないね。」
「うるさい!」
その日は、フィデリアと少し、仲良くなれた気がした
* * *
ここは魔人族が住んでいる魔界
そして、人間界へ向かおうとしている二人の女がいた
「ロゼ、早くいくよ。」
「うるさい。ミルヒヴァイス。」
ロゼと呼ばれた魔人族の女は頭に大きな二本の角が生えたバラ色の髪を持つ剣士だ
ミルヒヴァイスと呼ばれた方はミルキー色の髪に、一本の角を持った女だ
「じゃあ、行こうか。反逆の魔女、ヴィオレットの処分に。」
ミルヒヴァイスはそういった
そして、ゲートが開き、二人は人間界へといった
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