10 幸せな日々と新たな出会い
一章最終回です!
赤龍がフィデリアたちを見下ろしている
フィデリアはリリーをかばうようにして、赤龍に剣を向けた
(ここまでね・・・こんな、ところで・・・)
フィデリアはあきらめていた
リリーは涙を流しながらこうつぶやいた
「レオさん・・・助けて・・・。」
刹那、紫色の光がすさまじい衝撃破とともに目の前を通り過ぎた
そして、遅れてくるかのように爆音が鳴り響く
建物が破壊され、木々が吹き飛ばされていく
昼にありえない暁光がさした
フィデリアたちはそう思った
「ぎゃぉぉぉ!」
再び赤龍に目を向けると赤龍はさっきの光に貫かれ、胴体に大きな風穴があいていた
そして、力尽きて地上に落下した
「一体、何が起こったの?」
人々は戦慄した
* * *
「ぜぇ、ぜぇ・・・倒せた・・・俺も、何とか耐えきった・・・。」
全身から血を流しながらもレオは衝撃波に耐えきったのだ
視界が白くかすんでいく
「もう、限界だ・・・。」
どさっとレオは倒れ、気絶した
「やれやれ・・・今度は君をおんぶすることになるのか。」
アーサーは安心したような顔で、レオに駆け寄り、おんぶした
* * *
レオが目を覚ました
知らない天井だ
(ここは、一体どこだ?)
横を見ると、リリーが目に涙をためて横に座っていた
「レオさん!」
「リリーさん!?・・・無事でよかっ・・・」
リリーがレオに抱き着いた
「リリーさん、これは・・・。」
しかし、レオはリリーに離れてと言えなかった
彼女が、泣いていたからだ
「よかった・・・もう、2日も目を覚まさなかったから、死んじゃったのかと思って。」
(2日も俺は寝ていたのか。その間、リリーさんに心配をかけていたんだな。)
「心配してくれてありがとう、リリーさん。」
そう言って、リリーを優しく抱きしめ返した
「えへへ///初めてレオさんが私を抱きしめてくれました・・・今日は記念日です。」
残状を目にしていたレオはリリーさんがヤンデレっぽい発言をしていることさえうれしかった
「お熱いところ邪魔するけど、レオ、あんた、今すぐギルドに言った方がいいわよ。」
フィデリアもいたのか
フィデリアの目にはうっすらとクマができていた
「フィデリアも無事でよかった。・・・それで、何故ギルドに?」
「無事なのは当たり前でしょ。ギルドのことは、まぁ、言ってみればわかるわよ。きっと驚くわ。」
フィデリアは照れながらもニヤッと笑った
(驚く?何があるんだろう)
レオは、リリーとフィデリアと共にギルドへ向かった
* * *
「お邪魔します。」
レオがギルドの扉を開けた瞬間
「よぉ、起きたか、英雄!」
「まさか、お前が倒したとはな。」
「最弱じゃなかったのかよ。見直したぜ。」
ギルドのみんなが突然レオを称賛し始めた
「え?俺、なんで・・・。」
レオが困惑していると
「だから驚くって言ったでしょ。あんたが赤龍を倒したことがみんなに伝わったのよ。」
フィデリアがうれしそうに言っている
「俺、赤龍を倒した時、一人で・・・。」
その時、アーサーが現れた
「俺が君の後をつけていたんだ。」
この人が?
というか、どこかで見たことがあるような・・・
「あなたは?」
「俺はアーサー・ブランド。よろしく。」
思い出したぞ
この人、彼女といちゃついてた人だ!
「こちらこそ、よろしくお願いします。・・・彼女さんは今どちらに?」
美人だったし会ってみたい
すると、アーサーは困惑した顔でこう言った
「彼女?・・・あぁ、シェリルのことかい?距離感が近いのは確かだけど、シェリルとは幼馴染みたいなものなだけで彼女じゃないよ。」
え?
彼女じゃ、ない?
俺、勘違いしてたのかよ
「ちょっと、あんた!アーサー様に失礼よ!」
フィデリア?
お前、何で怒ってんだ?
という過去の人に「様」ってつけたよな?
「確かに、初対面の人にプライベートな話を聞くのは失礼でしたね。アーサーさん、すみません。」
レオが頭を下げた
「いいよ。それに、フィデリアさん、様なんてつけなくていいのに。」
それはそうだ
フィデリアはそんな呼び方する奴じゃないだろ
「そういわれても、あなたは・・・。」
え?
なんかお偉いさんなの?
「フィデリア、この人は・・・?」
するとフィデリアは信じられないような顔をしていった
「レオ、アーサー様を知らないの!?八大神煌はちだいしんおうが一人、"炎神"、アーサー・ブランド様のことよ!」
八大神煌?
炎神?
よくわからないけど強そうな肩書だ
「八大神煌?」
フィデリアに尋ねるとあきれ顔でこう言われた
「そんなことも知らないのね。八大神煌はSランク冒険者の中でも最上位に位置する方々のことよ。炎神、水神、雷神、風神、地神、剣神、槍神、斧神の最強の8名のことを指すの。」
!?
世界最強の8人の一人に俺はなんてことを
「アーサー様・・・本当にすみませんでした・・・。」
青ざめながらレオが謝罪すると
「そんなかしこまらないでいいよ。様づけもやめておくれ。呼び捨てでもいいよ。」
困ったようにアーサーがそう言った
(そんなことできるかー!)
・・・待てよ
この人、俺がモンブラン買っているときいたよな?
「アーサー様、いえ、アーサーさん。赤龍に街が襲われているとき、あなた、ケーキ屋の行列に並んでいる俺の後ろにいましたよね?」
「あーそれは・・・。」
アーサーが申し訳なさそうにそういった時
「アーサーは悪くない。眠たいからって理由で赤龍を倒さないで寝ちゃって、結果的にアーサーの到着を遅らせた私も悪くない。悪いのは町を燃やした赤龍。」
シェリルが現れてそう言った
この人、アーサーさんが幼馴染って言ってた・・・
って、この人のせいでアーサーさんが来るの遅れたのかよ!
というか、眠たいから赤龍を倒さなかったって言った?
「あの、この人ももしかして・・・。」
すると、アーサーさんが言いたくなさそうにこう言った
「・・・紹介するよ。シェリル・ミルデ、一応、水神なんだ。」
「ん。よろしく。」
この二人が最初から赤龍を倒す気だったら俺、頑張らなくてよかったじゃないかよぉ!
「ごめんね・・・シェリルは結構わがままなんだ・・・。」
アーサーさんの顔から、普段、どれだけ困らせられているかわかった
俺は、アーサーさんに同情した
「アーサー様、それよりもレオに伝えなければならないことがあるのではないですか?」
リリーがアーサーに問いかけた
「あぁ、そうだったね。レオ君、君に伝えなければならないことがある。」
なんだ?
俺が買ったモンブランが起きた時なかったけど、もしかして食べちゃったとか?
「なんでしょう?」
「今回の君の活躍と、フィデリアさんたちから聞いた活躍を加味して君をAランク冒険者に認定する。」
え?
俺が、Aらんく?
最弱ってバカにされていたのに?
「本当は赤龍を単騎討伐したし、Sランクでもいいと思ったんだけど、ルーキーがいきなりってわけにはいかないから・・・ごめんね。」
いやいや、十分すぎます
恐れ多い
「おめでとう、レオさん。」
「・・・おめでと、レオ。」
リリーさんとフィデリアが祝ってくれた
「・・・ありがとう。」
やばい、うれしさで視界が・・・
「よーし、みんな、赤龍のせいで、町はボロボロだけど、レオの異例の昇進だ。今夜は宴にするぞ!」
「おおおおおおおお!」
あぁ、嬉しいな
みんなが俺を認めてくれて、俺を大切に思ってくれる仲間がいる
この町を守れてよかった
* * *
「あんた、森のことバレないかびくびくしてたみたいだけど、あの森、実はモンスターがいる危険な森だから、森自体をなくそうって意見もあったみたいだし、そんな心配する必要なかったみたいよ。」
宴会の途中でフィデリアが突然そんなことを言ってきた
え?
じゃあ、俺がびくびくしてたの、杞憂だったってこと?
本当は、もっと、俺つえーアピールしてもよかったの?
「嘘だろぉぉ!」
(ううっ。もっと早く気づいていれば、今頃もっといい生活ができただろうに)
そしたら、女性冒険者をたくさん助けてモテてたんじゃ・・・
その時、寒気がしたのでリリーさんの方を向いてしまった
「どうしたんですか?レオさん?」
ハイライトオフではなく、本当に心配そうな顔でリリーさんは俺を見ている
・・・どのみちモテてもリリーさんに全員殺されてるな
「なんだ、レオ、いきなり発狂して。」
「酒の飲みすぎか?・・・って、お前、酒飲んでねえのかよ。ほら、飲めよ。」
「結構です・・・。」
「そんなこと言わずに。そんなんじゃ、魔人族は倒せんぞ?」
「魔人族?」
「ああ。見た目は人間と同じだが、ハーフエルフのような耳と角を持っている、龍種よりも強いやつらだ。」
そんなやばいやつらがいるのか
強くならないと
それからも宴会は続き、フィデリアとリリーさんは酔いつぶれた
俺は仕方なく、二人を家まで送った
* * *
リリーさんを家で寝かせた後、酔い覚ましに森まで散歩に来た
「あぁ、空気がきれいだな・・・。」
前世の世界よりも文明が発達していない分、自然豊かで空気がおいしい
そういえば、俺がここに来てから一週間になるのか
随分、いろんなことがあった
ヤンデレとツンデレに出会って、パーティーを結成したり、赤龍を倒したり
毎日が充実している
・・・命がけの世界だけど
「前世より、今の方が毎日が楽しいや・・・ん?」
森の奥に倒れている人がいる
「大丈夫ですか?」
駆け寄ると、そこには黒紫の髪にハーフエルフの耳を持つ、容姿端麗な美女が血まみれで倒れていた
続きが気になる方や少しでも面白いと思った方はページ下部にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただけると執筆の大きな励みになります。
ブックマーク登録もぜひお願いします!




