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【78】冒険者登録


「……す、すみませんでした」

「いえ、初対面の方には同じような反応をされるので、もう慣れましたから。気にしないでください」


 もうカウンターにおでこが着いちゃうくらいに頭を下げられ、ミラさんは謝ってくれた。私も慣れてきたのでそんなに気にしていないし、むしろちょっと年相応に化粧とかした方が良いんじゃないかな? なんて思ってしまうほどだった。


「本当にすみませんでした。用紙の記入はこれで大丈夫なので、次は能力の測定とカードの発行をしますね」


 測定と聞いて、ドキッとしてしまう。顔に出てなきゃいいんだけど……。フィリップ様とクロードさんを信じるんだ。それと……。


『リゲル。お願いね』

『はーい! 前に言ってたやつだよね?』

『そう、リゲルには悪いんだけど。加護と火と光を反応しないようにして欲しいの』

『他のは少なくしとけば良い?』

『うん、あんまり怪しまれない程度に減らしておいてもらえると助かります』


 リゲルの願いの力で、私のチートみたいな能力をちょちょっといじってもらう事にしたのだ。前回は能力値なんて知らなかったし調べたのも初めてだったからそのままだったけど、今後バレないようにどうにかしなくちゃダメだった。フィーの助言で、リゲルが願ったら変えられるんじゃない? って言われ、リゲルが私を思って必死に願ったら、出来ちゃったんだよね。


『アリスが嫌な思いをしないように、見えなくなって!』


 リゲルもとんだチート能力持ってたんだね。願ったら叶っちゃうとか、悪い方向に考えがいかないように、私が気を付けてあげなきゃって、本当に思ったよ。


「では、こちらに手をかざして魔力を注いでください」

「分かりました」


 信じてない訳じゃないけど、ドキドキしながら言われた通りに測定器?(紙の魔方陣じゃなくて今回は水晶みたいなやつだったよ!)に魔力を少しずつ注いでいった。


「はい、手を離していただいていいすよ。ありがとうございました。では少々お待ちください」


 離していいと言われて手を引っ込めると、ミラさんは一枚のカードを取り出して測定器に当てた。何がどうなってるのか分からないけど、カードが少しだけ光りだす。


「ああやって、情報を移しているんですよ」

「へぇ……」


 じーっと見ていた私に、フレデリクさんが説明してくれる。機械なんて無いから、本当に魔法なんだよなぁ。やってることはICカードのそれと変わらないのに、すごく不思議な気分だった。

 ミラさんは、写し取られたらしいカードをちょっと大きめのプレートに当てて何かを確認すると、よしっと頷いた。


「こちらがアリスさんの冒険者証になります。無くすと再発行は出来ますが、銀貨1枚が必要になりますのでご注意下さい」

「ありがとうございます」


 ドキドキしながらカードを受け取り、裏返してみたり透かして(透けないけど)みたりしてみた。名前とFという文字以外は何も書いていない。


「測定結果は受付で確認するか、あちらのプレートで確認が出来ます。今見てみますか?」

「……お願いします」


 渡されたカードをもう一度ミラさんに預けた。ミラさんはカードをプレートに置き、プレートごと私に向けて見せてくれた。



 名前:アリス(18才・出身地  )

 ランク:F

 攻撃力:3

 防御力:3

 俊敏性:3

 適応力:3

 魔力保有量:333

 属性:地3・水3・風3


「おぉ……、ちゃんと見える」


 良かった。値がちゃんと低くなってる。しかしオール3ってなんだろう。学校の通知表みたいで悲しいような……。


「アリスさんは凄いですね! 3属性もあるなんて! それに、魔力量も多いです!」


 カードを渡された時から、何かを言いたくてウズウズしてた感じがしたけど、これを言いたかったのか。


「ありがとうございます。3つ属性があるのって珍しいんですか?」

「たまにいらっしゃいますけど、珍しい方ですね。初心者で3とは言え3つ使えるとなると、やり方次第では結構いい線いきますよ? アリスさんは魔力量も多いし」


 別にいい線いかなくていい。戦闘なんてしたくないし、目立ちたくないし。採取系とかお手伝い系ならやっても良いかなぁ。


「そうなんですね。あ、でもあまり大きな声ではいわないで下さいね」

「ごめんなさい、ちょっと興奮してしまいました」


 ミラさんはあわてて口を閉じて、テヘってしてきた。格好いいお姉さんがやると、ギャップ萌えが半端ない。ちょっとモエモエしてると、隣のフレデリクさんがサッとカードを取り私に渡してきた。


「確認したらすぐに仕舞った方がいいですよ。ミラさんも、あまり測定値の事は話さない決まりですよね?」

「! すみませんでした」


 深々と頭を下げて誤られてしまった。そして、フレデリクさんの表情も硬い。


「アリスさんは初心者で、王都にも来たばかりです。加えて、戦闘系の依頼は受けるつもりも無いようなので、配慮してもらえると助かります」

「すみません、興奮しすぎました。以後気を付けます。アリスさんもごめんなさい。才能がある人を見ると嬉しくって」


 魔物が出る森が近いこともあって、冒険者の需要は高いらしいんだけど、やっぱり地道にコツコツランクを上げていく人がほとんどで、いい人材を囲いたいギルド側からしたら、私の能力値は手放すには惜しい数値だったみたい。でも、戦えないけどね。


「採取依頼なんかは、ちょっと興味があるので色々と教えてもらえると嬉しいです」

「えぇ、フレデリクさんが持ち込んだものは、ちょっと奥に行かないと取れない薬草が多いですが、それ以外でも近場で取れる依頼もありますので、気が向いたら受けてみてください。需要はあるので、常に依頼はでていますので」

「わかりました」


 異世界で、冒険者っぽい事をするのもちょっと憧れてたから、説明を聞いてワクワクしてしまった。危なくないやつなら、大丈夫だね?


「ランクの説明やカードの使い方の説明はどうしますか?」

「この後に、商業ギルドにも行かなくてはいけないので、私から説明しておきます。補足はお義父さんにお願いするので大丈夫です」

「そうでしたね、リビオさんやフレデリクさんがいらっしゃるなら、私からの説明は不要ですね。ではアリスさん、これからもよろしくお願い致します」

「はい、よろしくお願い致します」


 ちょっとおっちょこちょいな部分もあったけど、ミラさんが担当してくれることになり、私はミラさんと握手をして冒険者ギルドを後にしたのだった。

オール3にしてみました。10段階評価の3だけど、こんなもんかな?本当に通知表みたいだなぁと思ったら……。( *´艸`)


今週もう一話更新します!

ではまたぁ~( ≧∀≦)ノ

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