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【66】結果


 染み込ませていた部分がじんわりと熱を持ち、暖かくなっていく。それと同時にふんわりと光が膨らんで小皿の周りの魔方陣が光り出した。一文字一文字が流れるように光だし、描き足された文字まですっかり光が行き渡った。

 まだかな? と思ったけど二人は全然反応しない。まだなのだろうと、少しずつ魔力を流していく。

 すると、今度は中央の小皿の文字が光り、置かれた魔石にどんどん魔力が吸収されていく。

 どれくらい時間がたったのか分からないくらい長かったと思う。途中心配になってチラチラと二人を見たけど、真剣に魔力の流れを見ていて話しかける雰囲気じゃなかった。まだかなぁ? と思っていると、反発がきた。


「アリス、そこまでだ。手を離して良いよ」


 その言葉にホッとして、ゆっくりと手を離してソファーに身を沈めた。


「お疲れ様」


 隣からクロードさんんが声をかけてきた。私は沈めていた体を起こして座り直す。


「楽にしてていいよ。疲れただろう?」

「えっと、す、少しだけ……」


 けっこう長い時間魔力を流していたせいか、緊張していたせいかは分からないけど、少し、というには足りないくらいには疲れていた。

 失礼かな? とも思ったけど、体がだるくなってしまって普通に座ってるだけでもちょっときつかったので、甘えさせてもらった。

 ふーと一息付いている間に、フィリップ様は使った道具をささっと片付けて、最初に出した紙だけを手に、じっと見つめていた。


 ――コンコン。


「失礼致します」


 控えめなノックの後に、さっき出ていったおじさまがティーセットとお菓子が乗った台を運んできた。

 手慣れた様子で片付けられたテーブルに、次々とカップとお菓子が並べられていく。

 紅茶なのだろうか、ふんわりと漂う優しい香りに疲れた体が癒されていく。

 こっちに来てからも、紅茶は何度か飲んだけど、明らかに高級そうだった。


「失礼いたしました」


 無駄な動きひとつなく仕事を終えたおじさまは、さっと部屋を出ていった。かっこいいなぁ。なんて思っていたら、クロードさんがこちらを見ている事に気がつき、少しだけ驚いた。


「アリスは、アントニーが気になるのかい?」

「え? アントニー、さんですか?」


 質問の意味が分からず、名前だけを繰り返した。


「支配人だよ。彼はアントニー・ダリューというんだ。アリスはアントニーが気になる?」


 初めてあのおじさまがアントニーさんだと知った。で、質問の意味が分からない……。


「気になる? ですか? んー、そうですね、気になるか気にならないかと言ったら、気になりますね」

「アリスはなかなか渋いね……」

「えっと、ビシッと無駄のない動きで、お仕事に徹していて、時々笑ったりオチャメな部分もありそうで、素敵なおじさまですよね」


 たぶん誇りを持って仕事をしているんだろう、そんな雰囲気の人は好感が持てる。私の生活圏内ではまずいなかった人種だった。それにちょっと好きなんだよね、支配人とか執事とか……。映画でも小説でも、超絶カッコいい。

 ですよね。なんて、他意なく感想を述べると、クロードさんは複雑な顔で苦笑いをした。


「クロード、絶対に今のはだたの感想だぞ。鵜呑みにするなよ」


 紙とにらめっこをしていたフィリップ様が、顔を上げてクロードさんに突っ込んでいた。

 なにを鵜呑みにするのだろうか? (ハテナ)を頭の上に浮かべて首をかしげれば、クロードさんは一瞬間を置いて、プイッとそっぽを向いてしまった。


「自爆するのは構わないけど、いいかな。こっちも判定できたよ」


 きた! 私の属性判断! ちょっと可笑しなクロードさんを横に、私はソファーから身を乗り出した。


「ふふ、そんなにあわてなくても判定は逃げないよ」

「す、すみませんっ」


 フィリップ様に笑われて、スッと身を戻す。ってか、あなたに言われたくないんですけど!


「フィリップ様に言われたくないですよね」


 いつの間に戻ったのか、クロードさんも笑って同じことを言ってきた。


「それもそうだな」


 紙をテーブルに置きながら、二人は笑っていた。私は身分の差がありすぎて(たぶん)笑うに笑えず苦笑いだけ浮かべていた。


「それにしても、凄い結果が出たね」

「やはりそうですか?」

「あぁ、聞いてはいたけど予想以上だよ」


 置かれた紙を覗き込むと、見慣れない文字だけど読めた。いつもの事だ。何度みても不思議だねぇ。


「四大元素の、地・水・風・火にそれぞれ適正がある。どれが劣るということはなく、きれいに揃っているな。加えて光属性もある。王都でもどれか劣る者はいるが、ここまでの者はいないな。それに、これはなんだ? 聞いたことがないぞ?」

「なにが出たのですか?」

「星の加護だ。どんな加護だ?」


 あ、それリゲルだ。フィリップ様は、該当する加護が分からなかったのか、首をかしげながら紙をにらんでいた。

 一緒に紙を見ると、確かに【地・水・風・火・光】と書かれた部分が色濃くなっていて文字に10の数字。薄い文字はなんだろう、闇かな? 薄いってことは適正ないってことかな? 他にも、星の加護と確かに書かれていた。

 細かく見ていけば、年齢【18】・性別【女性】・出身【  】と書かれていて、出身のところは空欄だった。

 魔力量は1230ってなってて、攻撃力3・防御力4で、俊敏性8・適応力9なんていうのもあった。

 俊敏性はちょっと嬉しかったけど、適応力9って、適応しすぎじゃないかな? けっこうどうにかするぞで生きてきたけど、こっちでやっていけてるのは、これのおかげでもあるのかな?

 なんだろうね、ゲームのパラメーターみたいで面白い。MAXの数字が分からないから、どんな感じなのかが謎だけど……。


「アリスは、精霊の契約者だったね。君の精霊はいったい……」


 にらんだ顔のまま、私を見てきたフィリップ様は少し怖かった。ちょっと引き気味に体をそらすと、なんとも場違いな明るい声が耳元から聞こえてきた。


『よんだー!? アリスの契約者っていったよね? ボクだよねー?!』


 待ってました! と言わんばかりの勢いで、ピアスから飛び出してきたリゲル。まだ光の状態だったけど、それはそれはとっても良い飛びだしっぷりだった。


名前:アリス・タナカ

年齢:18

性別:女性

出身:

攻撃力:3

防御力:4

俊敏性:8

適応力:9

魔力保有量:1230

属性:地10・水10・風10・火10・光10

加護:星の加護


こんな感じでしょうか。

数値の説明すっ飛ばして、リゲル登場してしまいました(汗)


読んでいただきありがとうございます(*´∀`)

これからもよろしくお願いします。


ではまた~( ≧∀≦)ノ

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