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-45- 【閑話】クロードの想い

新章はもう少し先になりますので、クロード視点挟みます。

11日目の朝。アリスが出ていった後のお話し。

長くなったので2話に分けました。こちらは少し短めです。



 アリスがあわてて執務室を出ていってしまい、ソファーに深く腰を落としてため息をついた。

 私はまた何かしてしまったのだろうか……。どうにも上手くいかない。どうしていいのかわからないな……。途中までは普通に接していたと思うのだが……。


 騎士学校を卒業の時に父上から頂いた大切な時計を彼女に渡した。少しでも彼女の力になれたらと、アルトー商会宛の紹介状も書いた。帰ったら父上にも報告しておかねばならない。

 何か、何か彼女と繋がりを持ちたかったのだと思う。いっそのこと、交換と言えば良かったかもしれない。いや、それはいくらなんでもおかしいか……。


 訓練所での一見で、彼女の弱い部分を見てしまった。同時に守りたいとも思ったのだ。この世界で生きていく上での殺生など、力の有る者には付きものでも、彼女にとってはそうではない。普通の女性はそんな世界とか無縁の生活を送っている、力はあっても彼女も普通の女性なのだ。それでも自分にできる事は自分でどうにかしようとする姿が健気に見えた。守ってもらう事が当たり前の女性が多い中、自分の弱さを認めつつも、完全に守ってもらう事を考えていないところも良かったのかもしれない。


『クロードって以外と奥手なのね』


 肩に留まっていたフィーに、言われて言葉に詰まる。


『あしらうのは上手いのに、アプローチは苦手なの?』

「……今までアプローチなどしたことがなかった。女性は皆苦手な存在だったからな。そもそも、彼女とどんな関係を築いていったら良いかもわからない……」


 あれもこれも、フィーの助言の……。いやそういう言い方は良くないな。どれもフィーにとっては善意なのだ。


『クロードは、あの子の事どうしたいの?』

「どう、したいのだろうな……」


 今の自分には明確な答えが無かった。色々な行動が可愛いと思うし、守ってあげたいと思う。手放したくないのは、彼女の事がフィーの言う【大切な人】だからなのか、どうなのか……。

 友として【大切な人】仕事関係の【大切な人】恋人、伴侶として【大切な人】どれも意味合いが違ってくる。

 どれをとるかで大分変わってかる。それゆえ悩む事も多いのだが、どういう関係になろうとも、親しくなるのには変わらない。だから親しくしたいと思うのだが、彼女は私の事が苦手なのだろうか、なかなか距離を詰められない。世話になっている隊長さん。その域から出られない。秘密も共有しているし、少しはその域を出れたと思ったのだが……。そもそもの手順というものが間違っているのだろうか……。


「私にとって大切とは、どう言うことなのだろうな……」

『クロードって難しく考えるのね』

「そうか? 難しく考えすぎているのだろうか」


 なろうと思って友になったものはいない。自然と友に、親しくなっていた。嫌悪は無く好感だけだった。だから普通に接していればいいと思っていた。いや、フィーの助言から、最初は詰め寄りすぎたのかもしれない。待っていた存在だけに、自制がきかず焦っていた部分もあったと思う。初手を間違えたのか……。


『私もはっきりとどうとは言えないけど、あの子がクロードにとって大切な存在になるって事だけはわかるのよ。だから仲良くしといた方がいいわよ』


 その、仲良くの度合いがわからないのだ。フィーの言うことは、彼女にとって少し失礼な気もする。仲良くしておけば良いことが起こる。だから、仲良くしておけ。と言われているようだった。


「それでは不誠実だろう」

『そうかしら? あの子は助けてもらえて、クロードは幸せになれる。そんなに悪いこと?』


 精霊の考え方は時として理解に苦しむ。人とは物事の捉え方が違うのだろうか……。


「なんにせよ、彼女を利用する気はないよ。私はただ彼女を守りたいだけだ」


 どんな関係になろうとも、彼女を守ることは私のできる最低限の事だ。これからも見守っていきたいと思っている。


『ふーん』


 フィーの表情はわからない。せっかく教えてあげたのにと思っているのかもしれない。

 ふと、リゲルの様に実体化は出来ないのだろうかと思った。純粋にフィーのあの姿を見たいと思う一方で、表情がわかれば考えもわかるかと思ったのだ。

 せっかく契約したのだから、嫌われたくはない、もっと仲良くなりたい。


「フィーは、実体化はしないのか?」

『え?』

「いや、リゲルの様にフィーも愛らしい姿をしてるのかと思って……」


 言葉にしてから言った事を後悔した。フィーがピタッとその場で停止したからだ。私は何て恥ずかしい事を言ってしまったのだ。


「な、何でもないっ! 忘れてくれ!!」



恋愛初心者と人の感情に疎い精霊。

キーワードに振り回されて、自分の気持ちに気が付かないクロードさんです。

ポンコツコンビはゴールへ辿り着けるのでしょうか?


クロードの言う普通の女性は、貴族女性の事です。

守られて当たり前の女性たちに囲まれてきたクロードからしてみれば、アリスはとっても好感の持てる存在なのんでしょうね♪


もう一話、夕方頃に更新します。


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