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3笑 専務と営業に行って名前をバカにしたら高級焼肉店をごちそうになった話

「専務~」


「なんだね~」


「今日の商談まとまって良かったすね~」


「そうだね~、あそこの会社、なかなかうちの製品買ってくれなかったからね~」


「専務のあのトーク、きれっきれでしたよ~」


「やっぱそう思う~?僕ってほら~、営業30年やってるからさ~、相手の考えわかっちゃうの~」


「かっこ良かったな~。尊敬し直したっすね~」


「ははは、だろ~?」


「しかも専務の椎茸って苗字、インパクトあるから、おぼえてもらえるっすよね~」


「そりゃ、学生の頃はさ~、すっごく嫌だったんだよ~、この名前。けどさ、この仕事初めてからはさ~、この名前使って色んなアピールしたよ~」


「へ~、どんなアピールしたんすか~?」


「髪をさ、こうアフロっていうの?それをさ~、ポマードこう潰すわけ。髪型がさ~、椎茸の傘みたいになるのよ~」


「そうやって手でジェスチャーされると、もろにイメージできるっすね~。えっ?そんな髪型で営業回ってたんすか~?」


「回ったよ~、社長がやれやれ言うからさ~、けどね、馴れるとさ、名刺渡した時のお客様さんの視線が気持ちいいのよ~」


「うわ~、頭おかしいっすね~、もうそれ変態じゃないっすか~」


「いやいや、そんな事ないのよ~。わからないかな~。お客さんと一緒に『へへへ』って笑う感じ」


「あ~、わからなくもないっすかね~。けど、それお客様も迷惑っすよ」


「そうなの~」


「就活の面接でそれやられなくてよかったすよ~。『私は専務の椎茸です』っ自己紹介聞いたときに、吹き出しそうになってたんすよ~俺。その後、頭の中ずっと椎茸連呼で~」


「えっ?あの時?そんな事考えたの?ずっと真顔で、すっごい真面目な子、来たな~って思ってたんだよ~」


「いや~、あの時は爆笑をギリギリ押さえてたんすよ~」


「なんだ~、それなら自慢の椎茸ヘアーで行って笑わせてあげれば良かったな~」


「そんな頭で来たら、首絞めてたぞっ!」


「そ、そう?まぁ~、今となってはご覧の通りだから~、もうあの髪型もできないんだけどね~」


「上はないっすけど~、この横の部分を伸ばせばいけるんじゃないっすか~?」


「え~?いけるかな~?やっちゃおうかな~?」


「いや、やらないでください」


「だよね~、もうさすがに歳だしね~」


「も~、こんな話ししてたら椎茸食べたくなりましたよ~」


「商談もまとまったし、行っちゃう?ご馳走しちゃうよ~」


「いいんすか~、それじゃ、俺の好きな店行ってもいいっすか?」


「いいよ~、いいよ~」




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



「中岡くん?ここ焼肉屋だけど?椎茸関係あるの?しかも凄く高いよ。ここ」


「椎茸?焼いて食べるじゃないっすか~」


「僕、もっと鍋とか、そういのイメージしてな~、これ和牛はらみとか、鍋一杯と同じ値段だよ~?」


「あっ!おねーさん!おねーさんっ!生ねっ、2つ、あっ、やっぱ3つ!、ほらほら、せっかく商談上手くいったんすから、今日は専務も飲みましょうよ~」


「ははは、そうだね~。細かいことはいいか~、よ~し、僕も今日は飲むぞ~!」


「「わはははっ」」




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「結局、椎茸なんて食べてないじゃな~い」


「えっ、そうでした~?。あ~、楽しかったな~」


「お会計、31、527円になります」


「・・・・」




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「専務!ご馳走さまでした!」


「中岡くん!明日も頑張ろう!」


「はい!」

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