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ドッカン!!  作者: 亀太郎
5/7

異世界 ー旅立ちー

魔草原の侵食が領内で報告される様になり

聖女王ヤルタナは城の書庫で古文書を調べ

る事が多くなった。


そのうち宝物庫に『知の書』が存在する事

を知る。そうして『知の書』の導きにより、

今日の運びとなった…


儀式の間に集まっていた正聖女たちがザワ

めく中…転生者がはっきりと姿を現した。


若い男女3人と一羽の大きな鳥が立っていた…


右から…変な大きな鳥と実用的な服を着たうら

若き女子。なんとも愛嬌の有る憎め無い顔立ちをしていた。


真ん中は…同じ様な実用的な服を着た青年男子。

精悍な顔立ちで少年っぽさが残っていた。


そして左は…変わった髪型にスゴク派手で変な

服を着て背中に長い棒を差した青年男子。顔立ち

は整っていて美しく優しいのだが目はキリっとしていた。


3人は落着き無くソワソワとし、周りをキョロ

キョロと見回していた…


聖女王ヤルタナが前へ歩み出て…

「ようこそ、わが聖女王国へ…歓迎いたします。」と丁寧にお辞儀をした。


3人はハッとして…


「どーも。アタシはボインって言うんだ。

よろしくね。」とウィンクをした。


「お〜コイツが異世界か…それに女王様…

オレは爆弾屋のドッカンてンだ、よろしく!」


「お招きいただき光栄に存じます…拙者…

佐々木小次郎(ササキコジロウ)と申します。お見知りおきを…」とスッと膝まづき…


3人3様のあいさつをした。


彼らは転生前に神さまからこの異世界の情報を

大まかに頭にインプットされている。


聖女王の簡単な説明で3人は『種子の旅』の

事をすぐに理解した。


「じゃ、オレたちゃその…ラーナさんと一緒に

タネを取ってくりゃいいんだな。」


聖女王の背後に居たラーナがピョコンと前に

出て来た…「ワタシ〜ラーナ…よろしく〜」


ドッカンとボインはビックリした。

ラーナの胸はボインよりデカかったからだ…


オヤジ…また、ボインちゃんだぜ…

こりゃ過酷な旅になりそうだ。


小次郎は「拙者まだまだ未熟者ですが…

ラーナ殿…お頼み申す」と一礼した。


それから、場所を儀式の間から宴会の間に

移した。


3人の歓迎とコレからの旅立ちの無事を願い

それらを兼ねたささやかな食事会が開かれた。


聖女王の乾杯の音頭ののち、改めてそれぞれの

者たちがあいさつをし、お互いフランクになり

はじめた頃…


「ワタシね〜ボインちゃんが居てくれて〜

すごく嬉しよ〜女性がいるの〜安心〜」


「ハハ…アタシよりボインにボインって

言われるとさ…恥ずかしいよ。」


「大丈夫〜ワタシのはね〜半分は胸筋だよ〜」

と言って胸を上下にピコピコと動かした。


小次郎は目を見開き食べているモノを吹き出して

しまった…


ドッカンは天を仰ぎ…オヤジ…とつぶやいた。


「スゴーイ!どうなってるの?触ってイイ?」


「イイよ〜アハハ〜くすぐったいよ〜」


ボインはラーナの胸をゴリゴリ触っていた。

「な、なんじゃこりゃー!」


「ア、アンタ!コレって胸でハイハイが出来

るンじゃないの…!」


「そうかな〜やってみようかな〜」

ラーナはうつ伏せになりピコピコと胸で歩き

出した。


ドッカンと小次郎は…オレたち何を見せられて

るんだ…と目が点になっていた。


もちろん、宴会の間に居合わせた正聖女たちも

口をアングリさせていたが…


聖女王だけは「ホホホホホホ…」と上品に大笑い

していた。


のちに小次郎はコレを『乳歩き』と命名した。


出発は翌日の朝と決まり、その日は各自に

あてがわれた部屋で休息をとった。


3人の転生者は肝が座っている様でぐっすり

と眠り、朝食に起されるまで目覚めなかった。


ラーナはあてがわれた部屋を抜け出し…

いつもの様に見習い聖女たちと共に起き

洗濯、朝食を作っていた。


「ラーナ!お前は何をしているの!出発式が

始まるのよ!早く来なさい!」

と正聖女が呼びに来た。


「へへへ〜」とラーナはテレ笑いをしながら

「みんな〜またね〜」と立ち去って行った。


見習い聖女たちは作業の手を止める事無く

ラーナを見送った…。


退屈なカタチだけの出発式が終わり

『種子の旅』の一行が聖女王に見送られて

馬車に乗り込もうとした時だった…


「ラーナ!ラーナ!」と見習い聖女たち全員

が仕事を放り出して集まって来た。


「ラーナねーちゃん絶対帰って来てね!」

「ラーナアンタには世話になりっぱなし

だったね…気をつけてね…」

「ラーナが居ないと寂しくなるよ…」


みんなそれぞれにラーナにお別れを言って

いる時…


「コラー!お前ら!仕事をサボるな!」と

叩き棒を持った除外が見習い聖女たちを

バシバシと叩き出した。


それを見て聖女王が一喝した。

「止めなさい!このコたちの見送りを私が

許します!控えなさい!」


除外はビックリして、震えながらひれ伏した…


「みんな〜ありがとう〜ワタシ〜頑張るよ〜」

とニコニコしながらみんなに笑顔を振りまいた。

みんなは涙を見せてラーナに抱きついた。


聖女王は叩き棒を持った除外を見ながら…

「アナタ…見習い聖女の空きが1つ出来ました

今日からアナタがその穴を埋めなさい!」


その除外は泣きながら震えていた…

聖女王は若い頃の様な鷹の目で睨みつけていた。


「聖女王さま〜ダメだよ〜それじゃ〜ワタシの

帰るトコが無くなるよ〜だから〜空けといて〜」

ラーナはお願いっと聖女王に手を合わせた。


聖女王の表情は見るみる優しくなり…

「アナタって人は…」


「さあさあ〜みんな〜早く帰って仕事しなきゃ

ダメだよ〜ワタシ〜頑張るから〜ありがとう〜

みんな〜バイバイ〜」と見習い聖女たちを返し

ていった。


ドッカン、ボイン、小次郎はその様子を見ていて

コレからの過酷であろう旅でラーナをしっかりと

守ろうと思った。


ボインはダッチョルにまたがり、他3人は馬車

に乗り込み聖女王たちの見守る中、軽快に城門

を出て行った…。


それを遠巻きに見ていた…カシアスとクレイは

苦々しい表情で…

「見習い聖女の分際で…」

「気に入りませんワネ。『種子の旅』が成功

したら困りますワネ。」

「いえ、成功してもらわないとわが国が困り

ます。」

「あら、のさばりますワヨ…あの奴隷…」

「フフ…薬剤部に面白い薬を依頼しています。」

「アラ、手回しがよろしい事ですワネ。」

「フフ…成功の祝宴が楽しみだわ。」

「ソレはソレは楽しみですワネ。」

2人は満面の笑みでお互いを見た。


馬車とダッチョルに乗ったボインは石畳の広い

道を走りながら石造りで出来た美しい建物を眺

めていた…


「スゲーな立派な街だな〜こりゃ。」

「拙者の世界の街は木造が基本でござったな

とてもキレイな街並みでござる。」

「ホント〜いつ見てもキレイな街〜」

「アタシらのトコは荒れ地ばっかだもんね」


馬車は『御者無し馬車』で休憩場所で休んでは

軽快に走っていった。


昼過ぎに第1街門を抜けた所で昼休憩に入った。

馬車の中に用意されていた弁当をみんなで食べた。


「今通って来た街並みもスゴイけど、こっちも

スゲーな。」

「今来たトコはね〜上流階級の街だよ〜」

「じゃ〜さ、今から通る街は中流階級なの?」

「そうだね〜それで〜1番外はね〜農場が

広がってるよ〜」

「うむ、拙者の居た所でも城下町の外側は

田畑でござったな…」


ワイのワイの言いながら馬車は走り続けて…

領地の果てに辿り着いた、道は無く前には、

延々と魔草原と言われるモノが拡がっていた…



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