あの世の世界
気が付いたら、えらく目の前が真っ白だ。
そうか、爆発の余韻の土煙りのモヤか…
静かだ…オレが助かったと言うコトは…
村人もみんな助かったか…な。
横に人影が薄っすら見えて来た、誰かいる。
「誰だ?そこにいるのは…ん?」
「アタシだよ。アンタも無事だったの?」
「見たいだな。」モヤが晴れてきてお互いの
姿が確認出来た…ボインがいた。
と、そこへ「残念じゃが、無事ではないのじゃ」
白髪に白髭のヤケに姿勢のイイじーさんが目の前に立っていた。
「誰だアンタ…知らない顔だな…新しい
村人か?」
じーさんは少し胸を反らせて、コホンとして…
「ワシはカミじゃ。」と名乗った。
「なんだ紙屋か…そうだ導火線に使えそうな
イイ紙有るか?」
「ちがーう!ワシはその紙じゃない!」
「アハハ、こいつバカだから、アタシの前髪
カールしてくれる?…髪屋さん。」
「その髪とも、ちがーう!」
「じゃあ…どのカミなんだ?じーさん。」
「うむ、ワシが悪かった…おヌシらの今の世界
では神の概念が無かったようじゃの…」
神様は両手から眩い光を出して2人に向かって
フワっと投げカケた。
オレとボインの頭にそれぞれ光の玉が包む様に
かぶさった…
なぜだか…その瞬間…神と言うモノが理解出来た…
オレ「そう言うコトか…カミ様、ホトケ様、
イナオ様ってヤツだな…」
ボイン「それは古いよ、カミ様、ホトケ様、
ムラカミ様だよ…」
「間違ってはおらんが、安くたたかれたな…」
と神様は苦笑した。
オレとボインは顔を見合わせて…
「と、言うコトは…ここは…」
「そう、あの世のじゃ」
「あちゃ〜アタシ死んじゃたの…探し屋人生
まだ始まったばかりなのに…」
「オイ、神様…村は?村人はどうなった?」
「うむ、心配とあらば今の村の現状を見せて
やろう。」
神様は両手を広げると、ブワーと大きな窓の
様なモノが現れた…ビジョンと言うらしい。
トウキビ村が映った。上空からの景色で、あの
大爆発で出来た窪みにはかなりの水が溜まって
大きな池になっている様だ…
神様曰くアレだけで済んだのが奇跡だと…
あの物体は不発弾と言って昔むかしの爆弾らしい
その爆弾とオレの爆弾の爆発が絶妙の
タイミングで爆発して力が相殺されたとの事。
で、無けりゃ村ごと吹っ飛んでいたそうだ。
そしてトウキビ村へ画面はズームアップして行く…村人たちが何か騒いでいる。
ボインとかドッカンとか聞こえる…
「あぁ~…オレたちの事を弔ってくれてるのか…」
でも、よく聞いていると…村長が大きな声で…
「ボインドッカン池85票、ドッカンボイン池
37票…よって、この池を今から…」
「ボインドッカン池と命名する!」
それを聞いていたオレたちは目が点になって
いた…ボインはズッコケていた。
「見ぬ方が良かったかな…」神様は髭を撫で
ながら笑っていた…
「アハハハハハ…アイツららしいや!」
「オレたちの名前を残す事で、オレたちに気を
使ってくれてるってコトさ。これがアイツらの
弔い方さ。」
しかし…だ。ドッカンが前に来ても後に来ても
ボインの方がインパクトが有るな…
オヤジの遺言…恐るべし…
「う〜名前より…アタシの探し屋人生が〜〜…」
「フホホホ…その人生がまだ続けられると
したら、どうじゃ?」神様が微笑んだ。
「えっ?アタシたち戻れるの?」
「戻れる…と言うか、違う世界で人生を続られるのじゃが…どうじゃ?」
「違う世界って、どう言うコトだ?」
オレとボインは顔を見合わせて、神様を見た。
「うむ、説明しようかの…とある世界で
能力者を必要としておる。つまり異世界に
転生すると言うコトじゃ…」
「すでに1人は転生済みじゃ…あと2人必要
なのじゃがの…」
「アタシも能力者だよ!試してよ!」
ボインは両手にL字の棒を持った。
神様はすかさず「バカ」と言った。
棒の先はオレの方へ向いた!
神様は続けて「カシコ」と言った。
棒の先は神様の方へ向いた!
「ウンウン素晴らしい能力じゃ!合格!」
デジャヴ…前にもこんな場面有ったよな…
オレたち2人は転生に承諾した。
『そのまま転生』と言ってオレたちは今のままの姿で転生出来るとの事。しかも、能力は3倍も
アップするそうだ。
あと、特典として、オレたちにそれぞれに3つの
願い事を叶えてくれるとの事。
オレの願いは、ただ一択、爆弾が有りゃそれで
イイ…爆弾屋にとっちゃ爆弾は命そのものだ。
「爆弾をずっと手に入る様にしてくれ!」
神様は頷いて「あと2つは何じゃ?」
「オレはそれだけでイイぜ。爆弾一択だ。」
「うむ」と神様は頷いてオレの目の前にオレの
あのリュックを出現させた…
「このリュックに入っている爆弾と導火線は
いくら使っても無くならない様にしておいたゾ」
「えっ…無限に使えるってコトか?」
「そのとーり、無限爆弾リュックじゃ!」
オレはリュックに抱きついて頬ずりをした。
「うひょー!オレ無敵だぜ!」
それを見ていたボインは「次はアタシよ!」
「アタシはねえ〜…」っと暫く考えていて…
「やっぱりアタシも、まずは商売道具のこの
『探しン棒』が劣化しない様にして欲しい!」
あのL字の棒…『探しン棒』って言うんだ…と
オレも神様も心の中でつぶやいた…
「うむ」と神様は頷き『探しン棒』に手を
かざした…ブワッと神々しく『探しン棒』が
輝くと…見るからにグレードアップしたのが
わかった…
「スゴーイ!ヤッター!」ボインは『探しン棒』
をクルクル回しながら踊りまわった。
そして、ベルトに引っかけてある引っかけ型の
ポシェットを手に取り…
「じゃっ、次はネ、このポシェット!コレは
ワタシのお菓子入れなの!コレを無限お菓子
ポシェットにして欲しいの!」
「お安い御用だ…ホイっ」と手をかざした…
ポシェットはブワッと光り輝いた。
「ヤッター!コレでお菓子に困らないよ!」と
ピョンピョンと踊りまわった。
「次は…何をいくら食べても、絶対に太らない
体にして欲しいの!」
神様は「ホイっ」とボインに手をかざした…
ボインがブワッと光り輝いた…
「あっ…しまった!!」とボインが叫んだ。
「どうしたのじゃ」と神様がいぶかしんだ。
「『ダッチョル』のコト忘れてた!」
「『ダッチョル』も連れて行きたい!」
どうやら、あのダチョウのコトらしい…
「遅かったの〜おヌシの願いは今のでおしまい
じゃ。全部で3つじゃからの〜」
「オレの分2つ有るだろ?ソレをコイツに
譲ってやってもイイか?神様?」
「イイとも…」
「ヤッター!じゃっ2つ追加出来るの!」
「1つだけじゃの…コヤツが譲ると言う願いで
1つは消えるからの…」
「え〜ズルいよ〜そんなの…」ボインはぷーっと
ホッペを膨らませた。
「どうする?」
「『ダッチョル』をお願いします!」
「ソレっ」と神様が指を差した…ブワッと
光り輝いて、ダチョウの『ダッチョル』が
現れた。
ボインは『ダッチョル』に飛びついて喜んだ。
「さて、コレであらカタの準備は出来たかの…
あとはおヌシたちに転生先の情報をインプット
するだけじゃ…」
神様は両手から青い光の玉を出し、オレたち
の頭へフワっと投げカケた…
オレたちの頭の中ではモノスゴイ早さで映像や
文字や言葉が駆け回っていった。
そして…何となく転生先の世界を理解する
コトが出来た。
「さて、さて、では出発してもらおうかの…」
神様は両手を広げて大きな光をブワッと出して
オレたちを包み込んだ…
オレたちは光に包まれ…消えて行った…




