お兄様視点 アインとの間を邪魔する王家の連中を古代竜もろとも処分しました。
「アイン!」
俺は塔の窓から飛び出したアインを見て、目を見開いた。
そして、次の瞬間アイン目がけて転移した。
落ちようとしたアインを抱き留める。
「大丈夫か、アイン?」
「嘘、お、お兄様!」
アインが叫んで俺に抱きついてくれた。
これくらい役得がないとな。
凄まじい音をたてて塔が倒れる。
あの中にアインがいたらと思うとゾッとした。
もっとも王家に命じられて、アインを人質に取ろうとした村長とドラの助がいたみたいだが……村長は自業自得だし、ドラの助は不死身だから大丈夫だろう!
「あれ?」
アインがキョロキョロと下を見てくれる。
「えっ、お兄様は空を飛べたの?」
「アインのためなら空を飛ぶくらい簡単なことだ」
アインの質問に俺は当然だと頷いた。
アインのためなら、別に空に浮くくらい容易いことだ。
本当にアインが無事で良かった。
「お兄様、戦場をほっておいてこんなところに来て良かったの?」
次にアインが心配してくれたが、
「アインの危機に駆けつけないなどあり得ないだろう」
俺は答えつつ、アインを危険な目に遭わせた国王達を許すことは出来なかった。俺が消えたくらいでどうということはないはずだ。セバスとバージルが、今頃は王宮総攻撃の部署を決めているだろう。
「国王とエドワードめ。俺のアインを危険な目に遭わせたこと、今度こそ許さん。あの二人には目にもの見せてくれるわ」
生きていて、ドラキュラと化した村長を訊問した後に俺は宣言した。
「じゃあ、アイン、いくぞ」
俺はアインを連れて転移した。
「「「おおおお!」」」
俺がアインを抱き上げて転移したのは作戦会議で諸侯が揃っている会議室だった。
「さすがオーガスト様。最果ての地からここまでアデライン様を連れて転移なさるとは……さすが最強騎士ですな」
大げさにバージルが感心してくれた。
「さすが、オーガスト様は違いますな」
「本当に!」
貴族達が大きく頷いていた。
俺はアインが『お米の聖女』であることと、前皇太子の落とし胤だったことを全員に告げた。
そして、そのアインが王家の陰謀で襲われたことも。
絶対に許されないことだった。
「今、私は皆の前に誓いたいと思う」
俺はこの機に、アインを王家の姫として扱うことにした。
そして、その姫に対して今までの俺の想いを伝えることにした。
アインはまだ俺の事を単なる兄だとしか思っていない。
でも、俺はアンインのことを愛していたのだ。
このどさくさに紛れて俺の気持ちを宣言しようと思った。
「アデライン・グレナン様。小さい時に一目貴方を見た時から好きでした。どうか私の未来永劫の伴侶になって下さい」
アインはその言葉に目を見開いていた。
「お兄様、いや、オーガスト様、いきなり婚姻の申し込みをされても困ります。今まで兄妹だったのですから」
どさくさに紛れればなんとかなると思ったのだが……やはりアインは一筋縄ではいかない。
失敗したか……と俺は少し焦った。
「まずお付き合いすることから始めても良いですか?」
でも、アインはそう言ってくれた。
お付き合いするということは可能性があると言うことだ。
いや、皆の前でそう宣言したということは婚約するのを認めたという事だ。
俺の頭ではそう理解した。
ならばそれをサラに確固たるものにしないといけない。
俺は強引に既成事実を作ることにしたのだ。
「アイン!」
俺はアインの言葉を奇貨として思いっきりアインを抱きしめていた。
そして、強引にまた唇を奪った。
反論できないように!
「「「おおおお!」」」
「皆の者。アデライン様とオーガスト様の婚約がここになったぞ」
バージルやセバスが宣言してくれた。
良しこれでアインももう反論できないはずだ!
「ギャオーーーー!」
その時だ。
突如として暗黒竜が王宮から現れてくれた。
俺とアインの仲を邪魔するやつは許さん!
領主達が騒いだが、
「静まれ!」
俺は一喝して黙らせた。
王家め!
どこまで俺とアインの仲を邪魔すれば良いのだ。
思えばアインに恋心のあった俺からエドワードの婚約者に取り上げてくれたり、俺を魅了してアインに酷い事を言わせたり、王家の奴らは碌な事を俺にしてくれなかった。
もう、絶対に許さん。
「ふん、俺のアインを害しようという暗黒竜など一撃で処分してやるわ」
俺は宝剣の柄に手を伸ばした。
「いや、ちょっとお兄様、手加減してよ」
アインは敵にも優しい。
でも、俺は手加減する気なんてなかった。
この怒りの全てを奴らに叩き込んでやる。
「ギャオーーーー!」
暗黒竜が大きな口を開いた。
赤い火球が俺目がけて飛んで来た。
ふんっ、このようなものが効くか!
俺は火球を王宮の城門に叩き込んでいた。
ドカーン!
火球の起こした風圧がこちらにも襲いかかる。
当然、城門は消滅していた。
「俺のアインに手を出そうとするなど、もう許せん」
「お兄様手加減して!」
アインは王家にも優しい。
「甘い!」
でも、俺は許す気なんてなかった。
「死ねーーーー!」
その瞬間、俺のソニックブレードが放されていた。
ドカーーーーン
「ギャーーーー!」
それは一撃で暗黒竜を消滅させた。
そしてむかつく王家の王宮も瓦礫に変えたのだ。
「少し力が弱かったか?」
しかし、王宮の完全消滅を狙っていたのだが、瓦礫が残ってしまった。
俺はまだまだ自分の力不足を知ったのだ。
でも、これで俺を邪魔した王家の連中を処分できた。
俺とアインの間を邪魔する奴らを俺は叩き潰したのだ。
これで俺とアインは婚姻出来る。
俺はアインを思いっきり抱きしめたくなった。








