お兄様視点 アインと結婚して幸せな家庭を築きました
「少し力が弱かったか?」
俺は王宮を完全に消滅させられなくてがっかりしていた。
その時だ。
瓦礫と化した王宮の一部が動き出した。
「まだ、生きていたのか?」
俺は生き残った奴らを殲滅するために剣を片手に駆け出した。
俺が起き上ったその灰色の化け物を剣で叩き斬ろうとした時だ。
「オーガスト様!」
その灰色の化け物が声を出していた。
化け物が俺を呼ぶとは、俺は化け物の知り合いなぞいないはずだ!
この声はどこかで聞いて事のある気がしたが
「貴様は何者だ?」
「ひどいですわ。聖女メリンダです」
俺はその声を聞いて目を見開いた。
これがあの憎いピンク頭の胸デカ淫乱聖女か?
こいつのせいで未だに俺はデカパイ好きの変態だとアインから折に触れて屑を見るように見られているのだ。
全てはこの淫乱エセ聖女が悪い!
しかし、この灰色の化け物を見ても全然魅力を感じない。
と言うか、憎悪しか感じない。
「えっ! お兄様がまた、魅了にかけられる!」
アインが焦って何か言ってくれている。
「アデライン様、危険です」
ドラの助が止めてくれたが……俺がこんな灰色の化け物に誑かされる訳はないぞ!
「何をふざけた事を言うのだ。聖女は我が愛しの婚約者アデライン様だ」
俺は貴族達の前でアインの立場を明確にした。二度と淫乱エセ聖女の魅了には引っ掛からない!
「何をおっしゃっているの? アデラインは『お米の聖女』でしょ。そんなのがいるかどうか判らないけれど、辺境の地に追放された悪役令嬢じゃない!」
「ふん、アデライン様はこの凶作の時に米を大切に育てられたのだ。その姿こそ聖女にふさわしい。自らの欲望の事しか考えない灰色お化けの貴様とは違うぞ」
俺は淫乱エセ聖女にはっきりと自分の立場を教えてやったのだ。
「何をおっしゃっているのです、オーガス様。アデラインのことなどもうよろしいですわ。それよりも早く私の胸に帰って来るのです」
淫乱エセ聖女は何か言ってくれるが、俺は二度とアインを裏切ったりしない。そもそも灰色の化け物を見ても何の魅力も感じない。
しかし、淫乱エセ聖女は俺に大きな塊を押しつけようとしてくれた。性懲りの無いことだ。
俺はさっと躱した。
「きゃっ!」
メリンダは体勢を崩して顔から地面に激突していた。
ザマア見ろだ!
俺は良い気味だった。
「酷い、酷いわ、オーガスト様」
鼻血を出した灰色化け物は灰がとけて、凄まじい変な顔になっていた。幼稚園児が色をメチャクチャに塗った化け物になっていた。
「ふんっ、そのような灰色お化けに泣かれてもなんともないぞ」
俺は淫乱エセ聖女の立場を教えてやった。
「何ですって!」
そう叫びながら淫乱エセ聖女は再度俺に抱きつこうとしてくれた。
「ええい、寄るな汚らしい」
俺はうっとうしくなって、淫乱エセ聖女の横っ面を平手で張り倒してやった。
「きゃーーーー!」
淫乱エセ聖女は地面に激突してくれた。
淫乱エセ聖女はこの前のアインのように顔中血まみれになって倒れ込んでいた。
「オーガスト、貴様聖女メリンダに何と言う事をするのだ!」
その後ろから灰まみれのエドワードが現れた。
「これはこれはエドワード、よくもこの前は我が愛しのアインを血まみれにしてくれたな」
俺はニコリと笑った。ここで会ったが100年目だ。絶対に仕返ししてやる。奴は俺の命よりも大切なアインを蹴飛ばしてくれたのだ。絶対に許さない!
「な、何だと」
エドワードが血の気の失せた顔で俺を見上げた。
「歯を食いしばれ!」
俺はそう叫ぶとむかつくエドワードの顔を思いっきり殴ってやったのだ。
「ギャッ」
エドワードの顔面が瞬時にへこみ、鼻の骨が折れるのを感じた。
エドワードは顔面血まみれになって聖女の元に飛んでいった。
死んではいないはずだ。
「オーガスト、貴様、殿下に逆らうのか?」
「こちらには陛下もいらっしゃるのだ。不敬罪だぞ!」
エドワードに駆け寄ったビリーとブラッドがお兄様を睨み付けていた。
「何をいうやら、王家の正当な後継者はあちらにいらっしゃるアデライン様だ。前皇太子殿下を罠に嵌めて殺害した罪で偽王ウイリアムの一統を拘束しろ」
俺は面倒臭くなって配下の騎士達に命じていた。
「な、何をする、余は国王ぞ」
「儂は大司祭だぞ」
愚か者達を連行させた。
「アイン、お前の仇は取ってやったぞ」
「ありがとう、お兄様」
俺の言葉にアインがお礼を言ってくれた。
これでやっと淫乱エセ聖女に仕返し出来た。
俺はこの機に再度アインに告白することにした。
「アデライン・グレナン様。私、オーガスト・ダンブリーズは一生涯あなた様の盾となりあなた様に降りかかる苦難を全て振り払うと誓います。どうか私を貴方の夫にしてください」
俺はそう言うと再度手を差し伸べた。
アインの性格上断れないはずだ。
「はい」
アインが俺の手を取ってくれた。
「ウォーーーー」
騎士達が歓声を上げてくれた。
俺はアインを抱きしめるとキスした。
「「「ウォーーーーー」」」
大歓声が沸き起こった。
騎士や兵士、貴族達が俺達を祝福してくれた。
アインの舌はとても甘かった。俺はアインが気絶するまでその舌を堪能してしまった。
その後俺はアインが納得するまで何回も公開プロポーズをした。
最後はアインを身も心も俺のものにした。
結婚した後も、ベッドの中のアインの反応もとても可愛かった。俺はアインをものにすると言う長年の夢が叶って、つい手加減が出来ずにアインが気絶するまで抱き潰してしまった。
アインは女王になるのは嫌だと言うので結局、国の名前はダンブリーズ王国になった。まあ、元々この国の武力は我がダンブリーズ公爵家が担っていたのだ。統治はセバスが中心となって行ってくれた。文官どもをきちんと動かしてくれた。
捕まえたエドワード達はノルディン族に奴隷として差し出してやった。エドワードは俺様のアインの婚約者にしてやったのに、その後あのような扱いをしてくれたことは許せなかった。
その後どうなったか、知らない。
反乱したノルディン族の先頭にいたとかいないとか……
淫乱エセ聖女もノルディンに一緒に奴隷として差し出してやろうかともおもったが、アインがそれは、かわいそうだと言ってくれたから、仕方がなしに修道院にいれてやった。いつまでも、反抗的で、修道院側も苦労したらしい。まあ、その分寄付金を上げたので何とかしてくれたらしい。
俺は幸せ一杯だったから、いつの間にか、聖女の事は忘れてしまった。
俺はアインとの間に三男二女儲けて、幸せな家庭を築き上げたのだった。








