表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/84

三日間高熱で寝込んで起きたら、私が田植えした分がもう花を咲かせたと聞いて驚きました

「アイン! アイン大丈夫か!」

 私は意識を失った後でお兄様に揺すられていた。

 延々に!

 それで無くてももう体力も何もかも終わっているのに……揺らさないでほしかった……


 前世、私の遺体を見た後お兄ちゃんはこんな風に揺らしたんだろうか?

 あの津波の後、私がどうなったかは知らない。



 気付いたらあの地震の後にいた。

「やばい逃げないと」

 私は今度は機敏だった。

 すぐに二階の窓から外に出ようとした。

 でも、高いし、こんなのどうやって飛び降りるの?

 私には絶対に無理だ。


 私がオロオロしている間に遠くの波が急激に大きくなってきた。

 港の近くだった我が家は堤防を越えてくる津波が見えた。

 もう終わりだ。


「愛韻!」

 えっ、旺雅兄ちゃん!

 そちらを見ると山手からお兄ちゃんがこちらに駆けてくるところだった。

「お兄ちゃん! 私はほって逃げて!」 

「何を言っている。早く飛び降りろ」

「そんな、無理よ!」

 私はすぐに飛び降りられなかった。


 その時に家が波に呑み込まれたのよ。

「きゃーーーー」

「愛韻!」

 そのショックで私は下に落ちてそれをお兄ちゃんが抱き留めてくれた。

 でも、私達は次の瞬間間に波に呑み込まれたのよ!

「愛韻!」

「旺雅兄ちゃん!」

 私達は抱き合った。

 前回は一人寂しく死んだけど、今回は旺雅兄ちゃんも一緒だ。

 そのまま意識を失った。


「愛韻! 愛韻! 大丈夫か?」

 私は揺すられて目が覚めた。

「旺雅兄ちゃん!」

 良かった……旺雅兄ちゃんは無事だったんだ!

 あれ? でも、髪の色が赤い……

 ということは別人!

 

「お兄様!」

 私はぱっと目が覚めた。

 周りを見ると最果ての村の屋敷だった。

 旺雅お兄ちゃんだと思ったのに……お兄様だった。

 やっぱり夢だ。

 まあ、お兄ちゃんを巻き込まなくて良かった、死んだのが私だけで……

 お兄ちゃんは元気にしているんだろうか?

 ふと気になった。

 声が旺雅兄ちゃんそっくりだったけれど、お兄様が旺雅兄ちゃんの転生だとか都合の良いことはおこりそうにない。

 そのお兄様が私の手を握ってきた。


「良かった、アイン、目が覚めて! 3日間寝たきりだったんだぞ」

 お兄様は私の手を握り込んで説明してくれた。

「えっ、3日間も?」

 私は目を見開いた。

「すまん。俺がアインを無理させすぎた」

 お兄様が謝ってくれた。

 そうか、田植えを一反分やらないといけないと結構無理させられたのよ。


「本当ですよ。オーガスト様。アデライン様は貴族令嬢で騎士では無いんですからね。なのに、あんな無理をさせて」

 横からセイラがお兄様を睨んでくれた。

「本当です。オーガスト様。アデライン様とあなた様は違うんですから」

 セバスもお兄様を叱ってくれた。


「いやあ、本当に悪かった。アインの土魔術が素晴らしいと判って、周りの皆にもアインがどれだけ凄いか知らしめようとしたんだ。二度とエイブラムにも役立たずと言わせないためにもな」

「お兄様!」

 私はお兄様の言葉に感動した。

 そうだ。二度と伯父様に役立たずなんて言わせないんだから!


「『お米の聖女』伝説も作らないといけないからな」

「『聖女』伝説はいらないから」

 お兄様が余計な一言を言ってくれて私の感激は飛んでしまったが……


「いや、既にアデライン様の『お米の聖女伝説』は加速しておりますぞ。王都からバーモント商会の会頭のハリーが参って、アデライン様の植えた稲を見て感激しておりましたからな」

 セバスが教えてくれたけれど、バーモント商会と言えば王都でも指折りの商会だ。我が家のお抱えでもある。そんな商会の会頭が自ら来たんだ。


「でも、稲の育ちはどうなの?」

「凄いぞ、アインの植えた苗の生長が更に早くなって、今日は花が咲いたんだ」

「えっ、花が咲いたってもう咲いたの? とても早くない?」

 私は目を見開いた。

「アインが種籾を蒔いただけでも早くなっていたのが、更に加速したんだ」

 お兄様が言うには田植えから70日くらいたってから穂が出てくるのに、3日で出穂したらしい。

「明日には水抜きして、明後日には稲刈りをしようという事になって今は公爵領から移住させた鍛冶屋がてんてこ舞いで道具を突くっているところだ」

 脱穀の道具を作ってくれているそうだ。

 でも、種籾まきから約一週間で刈り取りってどれだけ早いのよ!

 そんなのでちゃんと美味しく出来るんだろうか?


「他の私以外が田植えした苗はどうなったの?」

 私は気になっていたことを聞いていた。

「それは手分けして田植えしたぞ」

「ありがとう。それでそちらの成長具合はどうなの?」

「そっちはアインが田植えしたほど早くはないが、それでも早いぞ。田植えしてから10日位で刈り取れるんじゃないか」 

 お兄様がまた、とんでもないことを言ってくれるんだけど……


「そんなに早いんだ!」

 私は驚いた。

 種籾を蒔いてから2週間位で稲刈りって絶対におかしいと思うんだけど……


 取りあえず、明日水を抜いて、明後日刈り取る事になった。

 ちゃんと出来ているんだろうか?

 私はとても心配だったが、疲れたのかまたそのまま寝てしまったのだった。





アインが田植えした稲は更に成長が早くなりました。

でも、出来はどうなんでしょう?

次回は稲刈りです。

お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

前作

『悪役令嬢にしない為に還暦のおっさんは学園に入学する! 恋した女の娘の為なら皇子だろうが聖女だろが叩き潰します!!』https://ncode.syosetu.com/n6630ly/

前前前作

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n3871kh/

私の今一番熱い人気の作品はこちら

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

■【小説家になろう記載ページ】『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ