お兄様視点 領主代理が妹に手を出そうとしたので股間を使えなくしました
アインが実際に前世の愛韻だったと知って俺は歓喜した。
前世、俺は愛韻を天災から守れなかった。
今世こそ守れるのだと思ったのだ。
でも、俺は今世も聖女の魅了に引っかかってアインを危険な目に遭わせてしまった。
忸怩たる思いだ。
アインは俺が胸がデカい方が好きだからデカパイの聖女の魅了に引っかかったと俺を非難するが、そんなことは断じてない。俺はアインの小ぶりな胸で十分なのに!
アインの豊かな黒髪に黒い丸々した瞳、そして小さなこじんまりとしたアインの胸までも俺は愛しているのに!
今から思うに俺の隣にアインがいるのに、聖女の魅了にかかってしまったのがおかしいのだ。
いや、聖女とは本来清らかな心を持っている者のことを言うのだ。
聖女はデカい胸を武器にて第一王子の側近達をたぶらかしていた。第一王子自体がその旨に陥落していたのだ。デカパイに興味の無い俺が何故聖女に陥落したかは未だによく判らないが……聖女は絶対に何か邪な悪魔か何かに心を売ったに違いないのだ。
その偽聖女の胸に俺が陥落したなんて……未だに信じられなかった。
本当に俺の黒歴史だ。
「お兄様は私を見捨てて胸の大きい聖女を取ってくれたのよ」
でも、何かにつけてアインはそこをガンガンついてくれた。
俺は心をズキズキえぐられるのだ。
周りも聖女は胸がデカいとか余計な事をアインの前で言うな!
その度に「お兄様は私を見捨てた」とアインが言うのは本当に参った。
これほどアインを愛しているのに何故気付いてくれないんだろう。
そんな時だ。むかつく伯父のエイブラムがやってきた。
こいつは俺のアインを役立たずと言ってくれた愚か者だ。
子供の頃のアインがそれを聞いて泣きだして、俺はエイブラムをボコボコにしてやった。
それ以来領地に引っ込んでいたのに、父が亡くなって急遽公爵代理になった。
エドワードは「貴様が成人するまでだから、我慢しろ」と俺に言っていた。
まあ、その頃俺は領主なんて興味なかったから気にしていなかった。
「オーガスト様。アデライン様をどうされるのですか?」
父がなくなったときにセバスに言われた。
そうだった。アインは今は領地の屋敷にいるのだ。
俺は直ちにアインを王都の屋敷に移すことにした。
エドワードに嫁ぐまで俺が面倒を見れば良いだろうと思っていたのだ。
まあ、そのエドワードがエセ聖女に誑かされてアインを婚約破棄してくれるなんて想像だにしていなかったが……
「なんだ。アデラインは役立たずだから農婦になったのか? その薄汚れた格好にも惹かれはするが」
エイブラムは来た早々俺を無視してアインをいやらしい目で見てくれた。
「俺のアインにいやらしい目を向けるな」
俺は思わず、周りの迷惑を鑑みず爆裂魔術を放つところだった。
「お兄様!」
アインが俺に後ろから抱きついてきた。
「あ、アイン!」
「私は大丈夫だから」
アインが抱きついてきたので俺は少し冷静になった。まあ、こんな屑いつでも消し炭に出来る。
「ほおおおお、相も変わらずアデラインはその兄に庇われているのか?」
エイブラムはニタリといやらしい視線を俺のアインに向けてくれた。アインが俺に抱きついていなかったら暴発するところだった。そうだ、聖女に魅了された時はアインが俺に抱きついていなかったからだ。これからは淫乱聖女と対決する時は必ずアインを抱き上げて対処しようと俺は心に決めた。
「まあ、良い。バージルはいるか?」
エイブラムは騎士団長を探し出した。
時期領主の俺様を無視するとは良い根性をしている。元々領主の座には興味がなかったから、どうでも良いと思っていたが、こいつからアインが絡まれるなら、考え直した方が良いだろう。
エイブラムは延々とバージルが北の砦を捨てた件で攻めたてた。
俺の命令でそうしたのだ。文句なら俺に言えとおもったが……バージルはエイブラムなど歯牙にもかけていないので良いだろうと思ったが……
「伯父上、見苦しいですぞ。騎士達は誰一人伯父上の言うことはききますまい」
あまりにも長居ので、呆れて俺が口を出した。
最初は俺に王命を聞かないのかとふざけたことを言ってくれた。そもそも盟約違反をしたのは王家だ。聞く謂れはあるまい。
「ああ、そうそう、オーガスト、殿下は俺にこうも言ってくれたんだよ。犯罪者のアデラインを貴様の妾にしていいとな」
俺はその言葉に切れそうになった。
かろうじて、アインが俺に抱きついていたから、我慢できただけだ。
「アデラインは能なしだが、見た目だけはいいからな!」
エイブラムが俺のアインをいやらしいめで見てくれたのだ。
俺の我慢の限度だった。
「エイブラム!」
俺は叫ぶと同時に短剣を鞘ごとエイブラムの股間に投げつけていた。
「ギャー!」
エイブラムの悲鳴が田んぼの中に響き渡った。股間を押さえて悶絶しているが、もう使い物にならないだろう。
一瞬で首が飛ばなかっただけありがたいと思え!
そのまま、醜い姿をその場で燃やし尽くしたかったが、アインがショックを受けたらことだ。
そこは我慢した。
俺は領地に送り返すことにしたのだ。








