表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/29

ご飯は本当に美味しい2 かまどで火を使ったら火傷してしまってお兄様が氷を出して冷やしてくれました

 お兄様と騎士のホルス達がもみすりと精米に精を出してくれているのを見ていたら、1時間なんてあっという間に過ぎてしまった。


 精米したお米を水に浸して取りあえず水分を吸収させた。


 お兄様は低温で2時間位浸した方が良いんじゃないかと言いだしたけれど、ここでお兄様に冷やすために氷魔術を使ってもらう必要もないだろうと取りあえず、常温で1時間おいておいた。それに氷魔術なんて使える人はなかなかいない。

 私はいつでも誰でも美味しいご飯を食べてもらいたいのよ。


 ここからかまどに火を入れて炊飯だ。


『はじめちょろちょろ中ぱっぱ、じゅうじゅう吹いたら火をひいて、ひと握りのワラ燃やし、赤子泣いてもふた取るな』

 私は飯炊き歌を思い浮かべた。


「何ですか、その歌は?」

 ホルスが尋ねてきた。

「えっ、声に出ていた?」

「はい」

 しまった。下手な歌をホルス達に聴かれてしまった。

「東洋で歌われているご飯を炊く時の歌なのよ」

 私は赤くなって必死に言い訳した。


「どういう意味なんですか?」

「ご飯を炊く時の火加減の歌で、始めちょろちょろということで、始めは弱火で火を起して、中ぱっぱは沸騰したら、最大火力にするのよ。そして、じゅうじゅう鍋から噴き出したら火を弱めて、10分くらいしたら最後に一握りの藁を燃やして、それで終わり。

 かまどから外して、赤ちゃんが泣いても10分くらいおいておくの。蓋は最初から最後まで取ってはいけないって歌よ」

「凄いですね。アデライン様」

「そこまで博識だとは思いませんでした」

 私の説明にホルス達が感動してくれていた。


 ふっふん、家族でキャンプに言った時に、旺雅お兄ちゃん達が歌っていたので覚えたのよね。お兄ちゃんの受け売りだけれど、私が覚えたことには違いない。

 なんかお兄様のこちらを見る目が白いんだけど……何でだろう?


 まあ、私は転生者で前世の知識が残っているから、ずるいような気はしたけど……


「でも、こんな知識をどこで覚えられたんですか?」

「えっ、それは……学園の図書館とかで学んだのよ」

 私はとっさに誤魔化した。


「図書館ですか? 我が家の図書室にも殆ど足を運ばれなかったお嬢様が?」

 セイラに突っ込まれてしまった。


 勉強はつまらないから嫌だと散々家庭教師を我が儘言って困らせていた私だ。

 セイラはそれを一部始終見ていて注意もしてくれた。館の図書室なんて殆ど行ったこともないのはセイラ達も把握していたはずだ。これはやばい!


「ふんっ、学園に行ったら必要に迫られて図書館通いもしたのよ」

 私は必死に誤魔化した。


「まあ、お嬢様の成績は超低空飛行でしたからね。もっと前からそれに目覚めてくれていたら、もっと成績も良かったと思いますが……」

 セイラの嫌みが胸に痛い。

 仕方が無いじゃない!

 前世の知識を思い出したのが断罪された時なんだから!


「ふんっ、今は勉強の話よりもご飯を炊くことでしょう」

 私は必死に誤魔化した。

 それを皆生暖かい目で見てくれているんだけど……


 まあ、今までは我が儘お嬢様全開だったから、騎士達には私は馬鹿だと思われていたのかもしれない。

 これからも前世の知識を元にして、この最果ての領地を豊かにしていこう。

 私は心に誓ったのだ。


「じゃあ、火をつけるわね」

 私が火打ち石で火をつけようとした時だ。


カチッ

 音がしたけれど付かない。

 あれ?

カチッ

 もう一度やるが付かない

 そう言えば、私皆の付けるのを見ているだけで、お嬢様だから使ったこともなかったんだ。

 皆の見ていたら簡単そうだから使えると思ったのに!

 私不器用だから使えないの?

 こんなんだったら一回誰も見ていないところで練習するんだった!

 私は後悔した。


「アイン、場所代われ」

 お兄様が私の横に来てくれて、私は仕方なしに横に退いた。

 そして、お兄様が火打ち石を使うと思ったのに、いきなり無詠唱で火魔術で火をつけてくれたのだ。


ボッ

 と一気に薪が燃えだしたんだけど……

「ちょっとお兄様。始めちょろちょろって言ったでしょう! いきなり全開にしてどうするのよ」

 私がお兄様に怒ると、

「アイン、始めちょろちょろは少し古いぞ。今の研究では水に浸しさえすれば最初から全開でいってもいいそうだぞ」

「ええええ! そんな事無いわよ。昔他の人にも始めは弱火だって教えられたし」

 旺雅兄ちゃんは私に何回もそう教えてくれたのだ。

「そいつは古いんだよ。今はデンプンを逃がさないように最初から全開でいくのがよいそうだぞ」

 お兄様は全く私のいうことを聞いてくれなかった。

 旺雅兄ちゃんが嘘教えることはないのに!

 むっとして私はお兄様を見るがお兄様はどこ吹く風で無視してくれた。


 うーむ。

 聖女の胸に夢中だったのをまだ許していないのに!

 私はむっとした。


 その私に無言で場所を代ってくれたんだけど、今更どうしようもなかった。

「絶対に上手いから」

 お兄様は言ってくれるんだけど、聖女と一緒にやったんだろうか?

 私はますますムカムカしてきた。


ジューーーー

 鍋が吹きこぼれた。


「アイン、沸騰したお湯が噴き出したぞ」

 お兄様が注意してくれた。

「言われなくても判っているわよ」

 火を弱くするには、あれ? ガスコンロなら弱火にしたら良いけれど薪はどうするんだっけ?

 私は戸惑った。

 弱くするには薪を少なくすれば良いか?

 私がまきに手を伸ばして取ったんだけど。

「熱い!」

 思わず薪を離していた。

「何しているんだ」


慌てたお兄様が薪を取って、それを火の中にもう一度くべてくれた。

「えっ、でも」

「弱火にするんだろう」

「うん」

 お兄様がトングを使って薪を横に退けてくれたんだけど……

 なるほど鍋から遠ざけたら、鍋にあたる火が少なくなって火が弱くなるんだ。

 私は勉強した。


「アイン、手を見せろ」

「えっ」

 私の了解を得る前にお兄様が私の軍手を外してくれた。


「少し火傷しているじゃないか!」

「大したことないわよ」

「馬鹿者! だから火は触るなって散々注意してきたのに」 

 そう言えば火打ち石を使えないのはお兄様が使わせてくれなかったからだ。


「今回はやりたそうだったからやらせたら、またこれだ」 

 お兄様はブツブツ文句を言いながら、

「これで冷やしておけ」

 氷を出してくれて、私に持たせてくれた。

 氷なんかとても貴重だからこんな事に使わなくても良いのに!

 過保護なんだって!


 皆の視線が生暖かいんだけど……

 氷が冷たくて気持ちよかった。


「有難う。お兄様」

「気にするな」

 私がお礼を言ったらお兄様はぶっきらぼうに答えてくれたけれど、いつもは物静かだけれど、やたらと私に過保護なお兄様だった。


 私はお兄様の横で熱で熱くなりながら燃える火をじっと見つめていた。


アインに過保護なお兄様でした。


終わらなかった。


続きをお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

前作

『悪役令嬢にしない為に還暦のおっさんは学園に入学する! 恋した女の娘の為なら皇子だろうが聖女だろが叩き潰します!!』https://ncode.syosetu.com/n6630ly/

前前前作

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n3871kh/

私の今一番熱い人気の作品はこちら

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

■【小説家になろう記載ページ】『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ