王家の陰は吸血鬼になってドラちゃんの眷属になりました
「ドラちゃん!」
私はお兄様の斬撃で斬られて倒れたドラちゃんに駆け寄った。
「ドラちゃん! しっかりして」
私は倒れて動かないドラちゃんを揺すったが、びくともしなかった。
そんな!
私の目から涙が、あふれ出た。
「おい、アイン!」
「ドラちゃん! ごめんね。お兄様と違って私を助けてくれたのに、馬鹿お兄様がそのドラちゃんを斬ってしまって、本当にごめんなさい」
私は私に声をかけてきたお兄様を無視して、動かないドラちゃんに泣きながら抱き付いたのよ!
「ああん、ドラちゃん、ごめんなさい!」
「おい、アイン!」
泣き叫んでドラちゃんに抱き付く私の肩にお兄様が手をかけてきた。
「何よ! 人殺し!」
私はお兄様を睨み付けたのだ。
「いや、だから……」
「ああん、ドラちゃんはすぐに来てくれなかったお兄様と違って、私の危機にすぐに現れて私を助けてくれたのに! そのドラちゃんを後から来たぼけ兄が斬った!」
私は思いっきりお兄様を睨み付けた。
「いや、だからドラの助は吸血鬼だから」
「だからなんなのよ!」
お兄様を睨み付けると
「ドラの助、いい加減に起きろ!」
お兄様があろうことか、私が抱き付いているドラちゃんの頭をぶっ叩いたんだけど……
「何するよ、お兄様!」
私が怒りのあまりお兄様に殴りかかろうとしたら、
「いやあ、起きるタイミングを計りかねまして」
何でも無いという感じのドラちゃんの声が聞こえたんだけど……
「えっ、ドラちゃん! お兄様に斬られて生きているの?」
私はドラちゃんをお化けを見るみたいに見た。
いつの間にか無傷のドラちゃんがそこにいたのよ。
「だからこいつは吸血鬼でそんじょそこらの……」
私はお兄様は無視してドラちゃんを見ると、
「はい、私はそう簡単には死にません」
胸を張ってドラちゃんが宣言してくれた。
「ドラちゃん!」
私はドラちゃんが生きていたのが嬉しくなってドラちゃんにもう一度抱き付いた。
「おい、アイン、なんでまたドラの助に抱き付いているんだ!」
お兄様の怒声を無視して、私は私を護ってくれたドラちゃんが生きていたのが嬉しくてもう一度ドラちゃんに抱き付いていた。
「いえ、アデライン様。私は大丈夫ですから。これ以上私に抱き付くとオーガスト様が怒られますから」
「ふん、私の命の恩人のドラちゃんに酷い事をしたお兄様なんてどうでも良いのよ」
私がお兄様を無視すると、
「命が大丈夫でも斬られたら痛かったでしょう」
私が慈しむような視線でドラちゃんを見た。
「それはそうなですが、これ以上されるとオーガスト様が……」
「えっ、お兄様は無視して良いのよ」
「そういうわけには、私がオーガスト様に殺されてしまいます」
そう言ってドラちゃんが私を押し離してくれた。
うーん、泣いて体がほてった私にはドラちゃんは冷たくて気持ちよかったのに!
「アイン、お前、大丈夫だったか?」
「ふんっ」
お兄様が後から私に抱き付いてくれたが私は無視した。
「それよりも、そこの男まだ生きていますけれどいいんですか? なんか変な感じがしますが」
お兄様の斬撃で穴の開いた天井からバージルの声がした。
「えっ、お兄様の斬撃受けて生きているって、王家の陰ってゾンビなの?」
私が驚いて振り返ると、
「誰がゾンビだ。俺はジョージだ!」
ジョージが叫んでくれた。
「何でこいつは生きているんだ?」
剣に手をかけたお兄様が叫ぶと、
「すみません。アデライン様に襲いかかっていた男が抵抗したので、私が思わず吸血してしまいまして」
「何、この男をか?」
「ちょっとお兄様」
お兄様が再度ジョージに斬撃しようとしたので私は思わず止めた。
「どういう事だ、ドラの助?」
お兄様の氷のように冷たい声が響いた。
「ええっと、吸血鬼が吸血したらですね……」
「もう一人ドラちゃんが出来たってこと?」
答えにくそうなドラちゃんに代わって私が答えて上げた。
「そうか、では銀の十字架を撃ち込めば良いのか」
お兄様が何故か手に巨大な十字架を持っているんだけど……
「何だと……貴様……うおーーーー」
反抗しようとしてジョージは胸を押えて苦しみだした。
「どうしちゃったの?」
私がドラちゃんに尋ねると
「吸血したのでこやつは私の眷属になりましたからな。私の意向に反抗することは出来なくなったのです」
「な、何だと、貴様……グオーーーー」
反抗する度にジョージは胸を抑えるようになったんだけど……
「おい、ジョージ、オーガスト様とアデライン様に頭を下げろ」
ドラちゃんが命じたら、
「な、何故そのような……グウェーーーー」
胸を押えながらジョージは私達に頭を下げてきた。
「ほおーー」
お兄様が興味深そうにジョージを見た。
「おのれ! グウェッ オーガスト様と、グウェーーー、アデライン様に、グウェーーーー、忠誠を……誓うか! グウェーーーーーー!」
反抗しようとする度に胸を押えてジョージはのたうち回ってくれた。
「こんなので大丈夫なの?」
「まあ、1週間もすれば私の忠実な僕になります」
自信を持ってドラちゃんが言い切ってくれたが、
「絶対になるか……ギャーー」
反抗しようとしてのたうち回るジョージがいた。
「本当に大丈夫かな?」
「まあ、いざとなればおれば銀の十字架で串刺しにしてやるから」
心配そうに私が言うとお兄様がやる気満々に銀の十字架を握ってくれた。
ここまで読んで頂いて有難うございます
公爵家に二人目の吸血鬼の誕生です。
果たして忠実な僕になるのか?
続きをお楽しみに!








